昨年2019年に音源が発表(主としてMVとして)された楽曲中、全く考えずに、潜在意識の向かうままTOP10をあげてみました。
1位から10位までトップダウンで発表行きます!。
1.Dirty Honey - Rolling 7s
Dirty Honey(ダーティー・ハニー)の2019年のブレイクは、世界中のHR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)関連メディアとリスナーから、「全盛期のハードロック、ロケンロー、サザンロックよ再び!」 というノリで捉えられることが多いようです。
しかし、Dirty Honey(ダーティー・ハニー)は、もちろんエアロスミスやGNR等のアメリカンハードロックの影響を公言していますが、サザンロック経由でアメリカーナの流行にも目配せしているように感じます。
そして、Dirty Honey(ダーティー・ハニー)は、テデスキ・トラックス・バンドあたりと比べても、より大衆的で身近な感じがします。
フツーの小学生、中学生の男子が、「カッコいいじゃん」「こういうのがロケンローという音楽?」と憧れるような古典的ロックスターのフォーマットの再興、再生に成功しています。
アメリカ白人ロックの起源をたどると、歴史的には、マウンテン・ミュージック、ヒルビリーのルーツであるスコッツ・アイリッシュ(イングランドによりアイルランドに移住させられたスコットランド人)のアイルランドからのアメリカ新大陸、特にアパラチア山系への入植に行きつきます。
アメリカ大使館の資料によれば、それまで主力だったイングランドからの移民に替わり、スコッツ・アイリッシュが移民の中心に替わったのは1680年頃。すなわち18世紀(1700年代)がスコッツ・アイリッシュの米新大陸移入の中心です。
https://americancenterjapan.com/aboutusa/translations/3472/
Dirty Honey(ダーティー・ハニー)の「Rolling 7s」の長回しで撮影されたMVの舞台は、サルーンというかホンキートンク酒場で、お姉さんがまたがるバイク(スピードスター)は馬の比喩(「鉄の馬」)、「西部劇」でイメージする世界観を表現しているように見えます。
単なる回顧主義でなく、マウンテンミュージックから300年以上に及ぶ白人の労働者階級の音楽としての『ロックンロール』の文化と歴史をリスペクトしたうえで、2020年代に最新形を問うという心意気を感じます。
いや、もしかして、Dirty Honey(ダーティー・ハニー)のお兄さんたちは難しいことは何も考えていない?
それならそれで、ロケンロールとして全く正しいのではないでしょうか。
この勢いで行くと、本年2020年には、米ロック界にとどまらず、世界的にブレイクしてスーパースターに駆け上がりそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=42rmUlDiQDI
2.SY51(ソメイヨシノ51) - Silver Lining
ヴィジュアルは日本のアイドルグループ、日向坂46を意識し、音楽はポール・マッカートニーを思わせるパワーポップやロックンロールを基調。
激しいダンスパフォーマンスにガチな生歌を合わせるタイアイドル界の新星。
既に2019年に二度の来日し、イベントに出演し公演を行っています。
https://www.youtube.com/watch?v=VScxDvoGQy0
3.赤いくらげ - よじれる
ホンモノのサイケデリックロック=ヘヴィメタルのルーツの衝撃ってこんな感じではないでしょうか。
20代前半の(つまりあいみょんと同世代の)シンガーソングライターの方で、「あいみょんを意識してしまう。聴いてみるとやはり良い。」という趣旨のつぶやきがあったりします。
あいみょんにカリスマ性や音楽力でガチで対抗できるのは(アプローチが違うベクトルなので)、赤いくらげのギター・ボーカルの夏生さんだけのような気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=yl5VGaA2VOI
4.COME AND GET ME - GET x NONT TANONT
クール&ザ・ギャングというか久保田利伸さんというか。ノン・タノンの丁寧にレトロミュージックに取り組んだときのクオリティは凄い。
https://www.youtube.com/watch?v=_BWuJZSQUOc
5.The Blue Scream - I'll Be Lovin' You
東京をベースに活動するLAメタル(グラムメタル、ヘアーメタル)バンド。POISON
(ポイズン)好きは感涙しそうな楽曲。今年は1990年!
https://www.youtube.com/watch?v=3qD6OUjwOw8
6.PERO - テイクミー!
素朴だが芯のあるファンク・ポップバンド。
現代において打ち込みを用いた1980年代のサウンドをモチーフにするミュージシャンは多いですが、楽器編成的に、往年のディスコ、ファンクの生バンドのアンサンブルを引っ張れるバンドは少ない。
ノン・タノンのモチーフがクール&ザ・ギャングあたりか?と書きましたが、PEROは、KC&サンシャインバンドやテイスト・オブ・ハニーあるいは山下達郎さん作のディスコポップ歌謡曲等をモチーフにしたポップスを演奏できるポテンシャルを持っているバンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=Kc1XiGyNF_k
7.Lao Navy(らおネイビー、L☆NAVY、ラオネイビー)
MVは制作されていませんが、ラオスでTV報道された映像。
楽曲とパフォーマンスのクオリティに驚きました。
タイで2018年をピークに大成功を収めたBNK48を徹底してベンチマークし企画。
ダンスを牽引するメンバーにはK-POPダンスを鍛えたメンバーを揃え、グループの『顔』となるメンバーには、日本文化(アニメ・コスプレ)や日本語に通じている高学歴のイメージリーダーを据えるというタイの日系女性アイドルグループ成功のセオリーを踏襲して組織。早期から注目を集めました。
グループのコンセプトは”ハロプロ”。ハロプロというと、自分は元モーニング娘。のエース、田中れいなさんが率いたロックグループLoVendoЯのファンだったのですが、ギタリストの魚住有希さんのライブでの「イクジナシ」の10パターン位のギターテイク集のファンカムを観て、あまりのギターの上手さに驚きました。
「イクジナシ」はUFOの「ROCKBOTTOM」(マイケル・シェンカーが弾いていた)あたりをモチーフとするハードロック曲。
https://www.youtube.com/watch?v=H5TzxUWyuMI
8.YUKIKA - NEON
韓国のDJ、Night TEMPOがリミックスを発表し世界中でヒットさせた竹内まりやさんの「Plastic Love」の影響を吸収した韓国発のジャパニーズシティポップ。国際的なシティポップブームの相互影響を代表する曲。
https://www.youtube.com/watch?v=67jSYCSrnE4
9.福島拓也 - HoneySugarMoon(DEMO)
1970年代のフォーク・ニューミュージック時代の浜省(浜田省吾さん)のような感触を感じます。福島さんは、back numberの”弟分”と呼ばれたロックバンドLilyを率いたギター・ボーカル。
https://www.youtube.com/watch?v=bb2ddhfdiF8
10.FiSHBORN - 夜を抜けて
yonige、Hump Back以降のガールズロック。声も曲も良い。
サンボマスター好きのおじさんにもお薦め。
https://www.youtube.com/watch?v=4G6OHhJXWLk
次点.CHERRSEE『Call me babe』MusicVideo
タイ人メンバー1人を含む日本のアイドルグループ、もっと人気出て欲しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=xc7u3b6cZe4
以上でした。
Have a h̶a̶p̶p̶y̶ Dirty New Year, cheers to the swarm🥂🤘🎉🍯🐝 pic.twitter.com/MDRlACKnPf
— Dirty Honey (@DirtyHoneyBand) 2019年12月31日