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なぜ、BAND-MAID(バンドメイド)は海外で最も支持されるガールズハードロックバンドになったのか?

 

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1980年、竹内まりやさんが、FMラジオの番組(FM東京『パイオニア サウンド・アプローチ』)の企画で、セッションバンドを結成し、番組中でバンドの演奏が放送されました。

 

メンバーは、ドラムスが山下達郎さん、ギターは桑田佳祐さん(サザンオールスターズ)とダデイ竹千代さん(ダディ竹千代と東京おとぼけキャッツ)、ベースが世良公則さん(ツイスト)、キーボードが竹内まりやさんの5名。

 

この企画バンドの名前は、『竹野屋セントラルヒーティング』です。

 

『竹野屋セントラルヒーティング』は、竹内まりやさんのご実家の『竹野屋旅館』の名前を頭につけ、『グラハム・セントラル・ステーション』というアメリカのファンクバンドの名前をもじった名前です。

 

 

バンド名を著名バンドのもじり、流用で付けるというのはたくさんあって、昭和のアイドルグループ、『ずうとるび』はビートルズから、フィンガー5マイケル・ジャクソンがメンバーだったジャクソン5から来てるという風です。

 

グラハム・セントラル・ステーションは、歴史上ファンクで最も大きな影響力のあったバンドの一つ、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのベーシスト、ラリー・グラハムが率いるバンドで、ヒット曲も数多くあります。

 

ここ2、30年は、オールドスクールとして、サンプリング、元ネタ等に頻繁に使われていることでしょう。米盤のCD5枚組が廉価で入手できます。

 


楽器を弾かれる方は、スラップベース奏法(バチバチやるやつ)の創始者として、ラリー・グラハムの名前を聞かれたことがあるのではないでしょうか。

 

ちなみに、日本でスラップ奏法が長い間チョッパー奏法と呼ばれてきのは、日本を代表するベーシストの後藤次利さんが、ティン・パン・アレーの楽曲「チョッパーズ・ブギ」で、日本で初めてベースをバチバチ弾いて音楽ファンに強烈な印象を与えたためです。

 


スライ&ザ・ファミリー・ストーンの派生バンドはいくつかありますが、その一つが、サックス奏者のジェリー・マルティーニが結成したルビコン(Rubicon)です。

 

スライ&ザ・ファミリー・ストーン直系ですから、由緒正しい黒人音楽、ファンクバンドです。

 

正確には、スライ&ザ・ファミリー・ストーンは人種混合のバンドで、人種混合、和合の形態はバンドが発する重要なメッセージでもあったのですが。

 


そして、ルビコン(Rubicon)のギタリスト、ベーシスト、ツアーメンバーのドラマーのリズム隊で結成したのが、ハードロックバンドのナイト・レンジャーです。(ベースのジャック・ブレイズ、ギターのブラッド・ギルス、ドラムスのケリー・ケイギー、ベースとドラマーがボーカルもとるスタイル。)

 

ナイト・レンジャーはボン・ジョヴィと並ぶ1980年代から続くヒットメーカー、商業ハードロックバンドとして大成功を収めました。

 

ナイト・レンジャーは、アメリカのハードロックのトップクラスであるテッド・ニュージェントモントローズ(サミー・ヘイガーとロニー・モントローズが在籍したバンド)とも人脈的に交流があり、アメリカのハードロックの本流といってもいいかもしれません。

 


ルビコン~ナイト・レンジャー組の3名が上手いなと思うのは、ポピュラー音楽マーケットの特徴・性質を熟知していることです。

 

つまり、流通(ラジオやレーベル)とファン層が、黒人音楽のファンクやソウルと白人音楽のロックでは異なっている、棲み分けていることを踏まえ、黒人音楽っぽさを封印し、徹底して白人マーケットに的を絞った音楽ビジネスをしていることです。

 

経歴から、3人組がブラックミュージックを好きであろうことは確実なように思えるのですが、自分の趣味嗜好を押し出すのではなく、白人メインのロックファンの嗜好に焦点を当てるという”マーケット志向”の音楽作りに徹底しているようにも思えます。

 

時代が違えば(もっと下っていれば)、もしかしたら、ルビコン~ナイト・レンジャー3人組は、ジャミロクワイJamiroquai)のように黒人音楽を一般向けに親しみやすくしたような音楽性のバンドで活動していた可能性もあるのではないかと想像します。

1970年代は、イギリスの白人ファンクバンド、アヴェレージ・ホワイト・バンドの向こうを張るような、アメリカのファンクバンドをやっていたわけですから。


もしかしたら、ルビコン~ナイト・レンジャー3人組は、1980年代にさしかかろうとしたとき、『これからは商業ハードロックが来る!』という仮説に賭けたのではないかと想像します。

そして賭けに勝った。

だから2019年の現在も過去から継承する資産(ヒット曲やファンベース)を基にバンドを続けていられるのではないでしょうか。

 


上記のルビコン~ナイト・レンジャー3人組の成功ストーリーは、日本のガールズロックバンド、BAND-MAIDが、HR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)の影響が薄いのに、なぜ国際的にHR/HMのバンドとして高い支持を得ているかという分析の、(あっさりですが)背景、状況説明みたいなものです。


趣味・嗜好、例えば、ギターの遠乃歌波さんが自然にやりたい音楽をやると、ジャズ、フュージョン、ラテン、ファンク、ブルーアイドソウル、AOR色の強い音楽になりそうです。

 

性別は違いますが、例えば、アメリカの音楽プロデューサー、アル・クーパーのソロや日本のゴダイゴGODIEGO)のタケカワユキヒデさんのソロのような音楽。あるいは、管楽器の入ったサルサのバンドでギターを弾いていたかもしれません。

 

お互いに音楽的ルーツの異なる5人のメンバーがバンドを組み、自分自身の趣味嗜好より、マーケット志向(仮説=スタジオ録音音源をファンとマーケットに提示して、ライブで何が観客に受けるか)の試行錯誤(トライ&エラー)プロセスによって、バンドの音楽的方向性を決め、楽曲をライブ毎に更に強化していった結果が、現在のハードロックバンドとしてのBAND-MAIDではないかと思っています。

 

そんなことを、BAND-MAIDの1stアルバム『MAID IN JAPAN』と最新アルバム『WORLD DOMINATION』を聴いてふと思ったもので。

 

BAND-MAIDの1st『MAID IN JAPAN』、かなりいいです。(外部作家作の)全曲とも水準以上で、ガールズパワーポップとして楽しめます。ルーベッツやらラズベリーズやらパイロットやらドゥワイト・トゥイリーやらマーシャル・クレンショーやらのパワーポップが好きなら満足できるクオリティの楽曲と演奏です。たぶん、HR/HMのリスナーには受け入れられないでしょうけど。

 

2013年にBABYMETALと、2016年にBAND-MAIDと写メを撮っているチープ・トリックは、代表的なパワーポップバンドであると同時にハードロックであり、要するにロックンロールです。
チープ・トリックはロックンロールの世界で長いことやってきたので、”ポップ”であること、ロックンロールのミーハーな楽しさを追求することに理解があるのです。

 

https://twitter.com/BABYMETAL_JAPAN/status/366368531098521600

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※本題からずれるけど、BABYMETALもBAND-MAIDも(おそらく予備知識なしで)自分から見初めて、「一緒に写真撮ろうよ!」と寄ってくるチープ・トリックのリック・ニールセンの感性は只者でないですね。

 

 

BAND-MAIDの1stアルバム『MAID IN JAPAN』と最新アルバム『WORLD DOMINATION』は、全く同じバンドの同じメンバーが録音したアルバムですが、音楽性は全く違い、全く別のバンドのようです。

 


上記は、概論、背景、状況説明のようなもので、実際には、各論として、『初期プロデューサーが方針検討に向けて立てた仮説』、『中興の祖的ポジションの現場キーパーソン』が存在したのではないかと推測しています。

 

 

BAND-MAID 「glory」  

https://www.youtube.com/watch?v=TAMiLTiXPpU

◇チープ・トリック(Cheap Trick) 「I Want You to Want Me」 (from Budokan!)

https://www.youtube.com/watch?v=-qgpewMCVjs

◇ナイト・レンジャー(Night Ranger) 「Don't Tell Me You Love Me」(Live)

https://www.youtube.com/watch?v=GSWPTU_krTY

 

 

 

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