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BABYMETALとBAND-MAID、西欧社会における差別と社会の分断線、日本発のガールズロックはなぜ受け入れられているか?等

 

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ポピュラー音楽を語るとき、一つにはテクニカル(技術的側面)から語るアプローチがあります。

「何拍目にアクセントが来て・・・」、「コード進行が・・・で、スケールが・・・で」というように、楽理・譜面を元に解説する方法です。

 

もう一つ、社会的文脈から語るアプローチがあります。

 

これは何も、ジョン・レノンに影響受けた的な、やたらと『ピープル』にこだわる(1970年代まではそういう語りをする人は少なくありませんでしたが、現代はほぼいません)という主張ではありません。

 

『差別』と『社会の分断線』、これらを内包する『コミュニティ』や集団が信仰する『宗教』等に注視しポピュラー音楽を分析するアプローチです。

 

アメリカの映画監督スパイク・リーが、黎明期のヒップホップカルチャーを対象として描いた傑作映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』がその典型的なアプローチです。

 

 

日本で生まれ育つと全くわからないことですが、例えばアメリカのアイスホッケーやフィギュアスケートにはなぜ黒人の選手が少ないのか?

 

クラシック音楽(ヨーロッパ宮廷音楽の系譜)の歌手、演奏家には人口比率と比べてなぜ黒人が少ないのか?(もちろん、キャスリーン・バトルのように例外もいます)

 

ポピュラー音楽には、なぜ、聴衆が黒人だけしかいないジャンルの歌手・バンドと、白人だけしかいないジャンル・歌手・バンドがあるのか?

 

こういったことは日本に生まれ育つとほとんど実感できないところです。

 

ポピュラー音楽の多くのジャンル、特に世界中で商業的に売れている、R&B(リズム&ブルース)、ヒップホップ、ロック、ファンク、ソウル、ジャズ、レゲエ等のジャンルはいずれも、もともとは黒人(専用の)音楽でした。

 

つまり、上述の歌手・バンド・聴衆がともに全て黒人しかいない(白人は聴かない)タイプの音楽だったのです。

 

しかし、今日ではこれらの音楽を演奏する白人をはじめとする非黒人は多く、特にロックに関しては、1970年代(あるいは1960年代半ば)以降、ほぼ『白人専用の音楽』と認識されるようになっています。

 

ファンクのゴッド・ファーザー、ジョージ・クリントンは、「最近の若い黒人はロックを白人の音楽だと思っている。」という趣旨の発言をしています。

 

イギリスの白人のロックバンド、ビートルズローリング・ストーンズが熱中してコピーし自分たちのバンドの音楽を作った、チャック・ベリーファッツ・ドミノ、リトル・リチャード達はアメリカの人気黒人ロック歌手でした。

 

1950年代まで、まぎれもなくロックとは黒人の音楽だったのです。

 

(白人のロック歌手、エルヴィス・プレスリーの歌い方やふるまいは、非常に黒人的だと言われました)

 

 

これらの人種、信仰等によるコミュニティや文化の分断や差別等は、現地で暮らしている人には言葉で表されなくても共有されているようです。

しかし、大西洋三角奴隷貿易奴隷解放といったアメリカ、ヨーロッパの歴史を共有していない日本からだと、あまり、あるいはほとんどわかりにくいことです。

 

そして、学問的にこういった差別、コミュニティ、信仰、文化・音楽等に関することを研究する分野は、宗教社会学社会心理学民族学や人類学・文化人類学だったり学際的なカルチュラル・スタディーズだったりします。

 

例えば、国立民族学博物館のWEBサイトには『世界における「白人」の構造化』という研究成果が掲載されています。

http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/project/iurp/02jr038

 

今回なぜ、『BABYMETALとBAND-MAID、西欧社会の差別と社会の分断線について等』というタイトルでエントリを書きはじめたかというと、日本の精神分析の専門家の方が、心理学的な知見を背景に、BABYMETALとBAND-MAIDについて述べられているブログ記事が興味深かったからです。

 

内容にすべて賛同するわけではありませんが(事実関係には相違もあるように見えます)、社会心理学(?)的なアプローチ面は有効で、ポピュラー音楽史的な見立ても結構核心近くをついている気はします。

 

日本発の女性がパフォーマンスするロック音楽がなぜ西欧社会で受け入れられているかという現象の分析のアプローチですね。

 

 

上述のブログ記事は以下です。

 

◇BABYMETAL編

「音楽(や芸術)と羞恥心」(2): Kagewari 精神分析相談事務所・沖縄分室

BAND-MAID

編集後記『BABYMETAL』のその後など(『BAND-MAID』編)(1): Kagewari 精神分析相談事務所・沖縄分室 

 

>はBAND-MAIDに関するブログ記事より引用。※は筆者注釈

 

>●『BAND-MAID』の個性は「ファンキーなハードロック」である事に尽きると思う。
 ※「ファンキー」=黒人音楽のリズム感・タイム感・ノリ。リズム隊の上に乗るギターの音色はHR/HM(?)系なのにブラックミュージック(ブラザーズ・ジョンソンばりの)の如くスラップベースで入るというHR/HM系ロック音楽の枠にとどまらない(こだわっていない)ミクスチャーロックでもある。

>メタルやハードロック界のジェンダーギャップ 
 ※明言はしない(しにくい)が、音楽ジャンルによって人種差別もある可能性をにおわせている。

>メタルやハードロックってのはドゥービー・ブラザーズ的なミクスチャーの否定にある
 ※ドゥービー・ブラザーズは黒人ベーシスト、ツインドラム(パーカッション)等、リズムセクションに特徴あり。後期はマイケル・マクドナルド主導によりブルーアイドソウル(白人による洗練した黒人音楽)・AORバンド化し、インストゥルメンタル(歌なし)のジャズフュージョン曲まで演っています。

 

このあたりの指摘は結構キーかなと思います。

 

 

<MV>

◇BABYMETAL 「Distortion (LIVE AT DOWNLOAD FESTIVAL 2018) 」

https://www.youtube.com/watch?v=FzgU3W5ZgzU

BAND-MAID 「glory」 

https://www.youtube.com/watch?v=TAMiLTiXPpU

 

 

 

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