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サンタナ × 遠乃歌波(BAND-MAID)論 ~ メキシコ嬢メタルのミスティカ・ガールズ

 

 

以下はツイッター上で交わされたサンタナ(メキシコ出身のギタリスト、カルロス・サンタナ率いるバンド)と日本のガールズバンドBAND-MAIDのリードギタリスト、遠乃歌波さんに関する議論についてです。

 

◆登場人物

七千夜叉さん :将棋クラスターの有名人。趣味としてフラメンコギター歴長く、還暦過ぎてからジャンベを叩いてリズム感をアップデートしバージョンアップした。最近BAND-MAIDについてもつぶやく。【七】と略。

ねみゅら71さん :BAND-MAIDの結成当初からのファン(ご主人様)の方?クラシックロック(英米の1960年代、1970年代、1980年代のロック)に詳しい。【ね】と略。

 

【七】僕はどうも歌波のアルペジオトレモロを執拗に繰り返すプレイスタイルの部分が好きじゃなくて、なんのためにサイドギターがいるんだよ!と思うが、あの辺りもミニマムを継承するポストロックの影響なのかも知れない。とはいえ、この辺の音楽はどう分類するべきなのかさっぱりです。

 

【ね】私は逆に彼女の美点だと思ってるので、ちとモヤっとするけど好みの部分なのでしかたない。リアクション動画で「歌波はバッキングも全てがリードギターなんだ」という趣旨のコメントを見かけたが、あれはむしろクラシックピアノが原点にあるが故の「伴奏つけないと落ち着かない」という感覚だと思うな。

 

【七】あれがクラシックピアノ由来だろうということは僕も前に言ったことがあって、そうだろうと思う。歌の間ずっとドソミソドソミソと分散させているのはピアノ伴奏感覚で、他のバンドと比べた個性でもある。ただうるさくて神経に触る時があるのと他のメンバー(小鳩)を信用しない態度が許せない。

 

【ね】彼女が影響受けたというサンタナもけっこう隙間を尖ったフレーズで埋めにいくところがあるし、経験と影響が絡み合ったものかもしれません。Puzzle(ライブ)のブルージーなソロから、そうしたフレーズで隙間を埋めつつ、途中捻りを入れて畳みかけるところなんか、つい手に汗を握ってしまいます。

 

【七】実を言うと僕はあまり歌波からサンタナの影響を感じないんだよね。父親が趣味で聴いていて自分もいいと思ったという外向けの説明しやすい説明じゃないかと思う。だいたい彼女は誰のものでもサンプル的に切り取るのが得意だし、はっきり言ってしまうと自分の内部から湧いている音とは思えない。

 

【ね】サンタナに関しては隙間を埋める感覚に限らず、急展開したり、急に収束したりするフレーズなんかによく似たものを感じますよ。最も好きだと言う"Europa"後半のソロ一つとっても、ああ、影響受けてるなぁと思いますけどね。むしろ彼女、ラリー・カールトンのどのあたりを好んでるのかがよくわからない。

 

【七】歌波は徹底的に非ラテン的です。ラテン的リズム感はゼロです。それがなければサンタナもへったくれもない。
彼女が天才なのは間違いないけど、まだ曲として表現されているものは借り物の寄せ集めでしかない。パッチワークの天才ということですよ。パッチワークだって立派な芸術作品なわけで。

 

【ね】サンタナは決してラテンリズムだけの人じゃないですからね。ジャズやソウル、ブルースの影響も強い。例えばOpen InvitationみたいなHR要素を含む曲だってある。
まああまり厳しいことおっしゃらずに、彼女の才能の開花を待とうではないですかw 私も彼女にはまだまだ先があると思っています。

 

【七】サンタナフィルモアの奇跡から死ぬほど聴いてるけどラテンスピリッツのないサンタナサンタナじゃない。こう見えても僕も音楽はラテン系。気にしているのは歌波のリズム面でまだカッティングは超一流じゃない。早弾き練習より打楽器でも学んで欲しい。天才であることに異論がないがもう僕が死ぬ。

 

【ね】うーん30近くにもなってリズム感覚を向上させろというのは酷でしょうけど、サンタナのエッセンスであるスポンテニアスなプレイの感覚は磨いてほしいなと思います。彼女は全部物事を先に決めておかないと安心できないタイプなんでしょうが、独奏さえ設計図通りのプレイなのは物足りなく感じる面はある。

 

【七】僕はリズム音痴だったけど還暦過ぎてからジャンベを叩いていたらかなりの程度改善されたから、遅いから無駄ということはないです。自覚的になることが大事なんですよね。歌波の総てスケジュールとシナリオどおりというのは自己啓発系の怖いところでカルトな感じがして嫌なんだよなあ、自由度が低い。

 

【ね】それこそ、カルロス・サンタナあたりに一度揉んでもらったらいいんじゃないのかなぁ。

 

【七】COVID-19騒動が終わったらキューバで公演すればいいんですよ。2週間くらい滞在して、現地音楽を聴いてソンのリズムを体感し、ああこういうリズム感の世界もあるんだよ感じればいい。ドミニカ共和国メレンゲとかでもいいし。自分たちの音楽に取り入れろということじゃなくて、リズム感が変わるから。

 

【ね】いいですねぇ。それでロードムービー風のドキュメンタリー撮ってほしいなぁ。(←発想がアイドルファンのそれ)

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【ね】私は歌波さんに内在する音楽的素養にもすごいものがあると思います。サンプリング的感覚だけではとてもあそこまでユニークで魅惑的な作品を次々と産み出せない。
彼女にいかがわしさを感じられるとしたら、それは70年代の人がジミー・ペイジに感じたいかがわしさと同種のものじゃないですかね。

 

【七】ジミー・ペイジよりもジェフ・ベックの方がまだ近い。ジェフは『恋はみずいろ』なんかまでやったから。歌波はまだ借り物の音楽しかやってなくて自分の本性を隠していると思う。ファンや他のメンバーの嗜好との兼ね合いでまだ模索中なんだろう。僕としては本当にやりたいことを一度やりきって欲しい。

 

◆元ツイート

 

◆インプレッションと番外編

 

お二人のツイートを引用しましたが、賛成あるいは全て正しいという立場ではありません。逆の意見も少なからずあります。にもかかわらず引用したのは、発言の背景のポップ・ミュージックに関する知見が多くこの会話は参考になると考えたからです。

 

例えばリズム感については、有名なBAND-MAIDの『Engadget Fes秋葉原 2014 Winter』のアコースティックセッションでのライブ動画を観ると、卓越したものがあると感じます。もちろん、パコ・デ・ルシアジョン・マクラフリンアル・ディ・メオラと同様の世界トップ水準であるとまで主張するものではありませんが・・・。

 

確かにエレキギターでのカッティングは少ないと思いますが、基本的にHR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)はファンクやシティポップ等のブラックミュージック系の音楽と違い、カッティングなしでも成立する曲メインですし・・・。まぁ、私はPEROから脱退を発表したギタリストあららぎさんのテレキャスターのカッティングでご飯お代わり3杯位いける方ですが。。。


・【緊急生配信!】第18回「PERO TV」【おすそわけ!】
https://www.youtube.com/watch?v=ASp27CTEfZM

 

Ian Dury and The Blockheads - Reasons To Be Cheerful [Official Video]

この曲のカッティングがジョニー・ターンブルなのかチャズ・ジャンケルなのかあるいはウィルコ・ジョンソンなのか判らないのですが(ジョニーとチャズが重ねている可能性とかも充分ありそう)、小鳩ミクさんのギタープレイはリスペクトしているMIYAVI経由でウィルコ・ジョンソンの流れを汲むし、彩姫さんのボーカルで「愛のコリーダ」を歌い出したらHR/HM(ハードロック・ヘヴィメタルクラスターからはどのような反応があるのでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=CIMNXogXnvE

 

Quincy Jones - Ai No Corrida
https://www.youtube.com/watch?v=NVTVheyDY4s

 

カッティングとは何ぞや?ミスター・ダイナマイツJB(ジェームス・ブラウン)の「カット・ザ・ケイク」を聞けばわかるのか?否、ミスター・テレキャスター”Bomber!”山下達郎さんのルーツ、ビートルズもカバーした結成50年超の最古のロックグループ、アイズレー・ブラザーズThe Isley Brothers)「That Lady, Pts. 1 & 2」とあららぎさんのギターをを聞き比べるとわかるかも(?)。
https://www.youtube.com/watch?v=S1Mvy3E8P2U

 

日本のギタリストのカッティングでは、Char with Godiego(チャー・ウィズ・ゴダイゴ)で、Charのねっちゃらねっちゃら粘るギターを,、Godiegoの浅野孝巳さんが包丁でトントン切ってく感じの2本のギターのカッティングの絡みがカッコよかったですね。Charのねっちゃらねっちゃらはジミ・ヘンドリックスやエディ・ヘイゼルを吸収しているのでしょうけど、日本的な間合い(?)も感じる不思議な独特のノリ。

 

  

元PEROのリズム隊(Ds.ファィター、Ba. はな)が演奏します!

 

・Samantha Fish(サマンサ・フィッシュ) "Black Cat Bone"
サマンサ・フィッシュのファンキーなブルース。カッティングを交えたギターソロがファンキーでブルージー
https://www.youtube.com/watch?v=gUVygOwz3ig

 

サンタナといえば、サッド・サム・ブルース・ジャムで客演していた当時の女流ブルースギタリスト、クリスタ・ヘスによるB.B.キングザ・スリル・イズ・ゴーン」のカバーなんですが、限定公開になってしまいましたね。

 

日本のドメスティックポップスである演歌・ムード歌謡曲においてサンタナを語るならレーモンド松屋先生について触れることがマストであると主張します。なんと、レーモンド松屋先生のギターソロがフルコーラスで聞ける公式ダンス動画!

レーモンド松屋「真実・愛ホテル」
https://www.youtube.com/watch?v=td2ypGLgc6Y

 

 

◆Gloria Estefan(グロリア・エステファン) - Conga(コンガ) (from Live and Unwrapped)

https://www.youtube.com/watch?v=eeKxQ9LQAB4

 

◆Santana's "Una Noche en Napoles" ft. Lilla Downs, Soledad and Niña.  サンタナナポリの夜 feat.リラ・ダウンズ、ニーニャ・パストーリ&ソレダー」

サンタナ謡曲の神髄!
https://www.youtube.com/watch?v=ks7xvjT8bEE

 

Miles Davisマイルス・デイヴィス) - Burn(バーン) (Gt.カルロス・サンタナ、ロベン・フォード)
https://www.youtube.com/watch?v=h4X3rAg6lhY


Robert Plant's The Honeydrippers(ロバート・プラント/ハニー・ドリッパーズ) | 'Good Rockin' At Midnight' | Official Music Video (Gt.ジミー・ペイジジェフ・ベックナイル・ロジャース

オリジナルは1940年代末のロイ・ブラウンのヒット曲。この曲をきっかけにジャンプ・ブルースに入門したロックファンは少なくないでしょう。日本のジャンプ・ブルースの第一人者は、大久保初夏さんや大久保紅葉さん、芹田珠奈さんらの業界でのお父さんポジションでもある吾妻光良&The Swinging Boppersのバンマスの吾妻光良さん。吾妻さんは1970年代、早稲田大学の音楽サークルでブルースロックをやっていたはず。
https://www.youtube.com/watch?v=4vRUnT-TeRg

 

◆PERO(ex.ペロペロしてやりたいわズ。)『high wave』 Music Video
もしかしてCDスタジオ音源ではギターはムカイダーさんのプレイではなく左右のチャンネルともあららぎさんのカッティング?昔の山下達郎さんがテレキャスターで弾いていたアイズレー節を想い出します。ベーシスト(初期メンバーのヤマシタ帝国)もモズライトで攻める攻める。リズム&ブルースのコンボならこうあって欲しいというバンドアンサンブル。
https://www.youtube.com/watch?v=gj9RJRkq-gw 

 

◆Smoky - CHAR 2013 LIVE at EX-THEATER ROPPONGI "TOMORROW IS COMING FOR ME"
ゲストは盟友Godiegoミッキー吉野さん。歌謡曲時代の「闘牛士」が一番好きと言う人は少なくない。スタジオ音源より歌謡曲番組に出演しフルバンドをバックにしたときの演奏の方がラテンパーカッションを背にしているのでラテン歌謡ロックの刹那観マシマシです。
https://www.youtube.com/watch?v=7gECpFLF0R4

 

メキシコの嬢メタルといえばミスティカ・ガールズ!デビュー当初はボーカリストを擁していましたが、現在はリードギタリストのシンシアがボーカルも取っています。映っている観客席を見ると若い!BAND-MAIDのメキシコ公演も10代20代の若者が多く、メンバーの目の輝きが違いました!メキシコのバンメのファンとメッセージをやり取りしたことがあったけど、HR/HMファンというより、ベリーズ工房とか℃―ute(キュート)とかでんば組とかの日本のアイドルのファンの方でしたね。まあ、若者ならメタラーでもドルオタでもどちらでもよいのではないでしょうか。

 

◆Mystica Girls(ミスティカ・ガールズ) - Abre Bien los Ojos (Live)
https://www.youtube.com/watch?v=_wxTVaQoAJY

  

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