何かと比較されるBABYMETALとBAND-MAIDですが、北南アメリカやアジア、ヨーロッパ等の海外市場の視点から見ればBABYMETALのライバルはBAND-MAIDではなくBLACKPINKでしょう。東アジア発のロック・メタル/ダンス/ポップグループと言う点が共通です。
BAND-MAIDからすると、BABYMETALは予算、プロジェクト、集客、そして全米総合チャートでの実績等何もかも規模が違い過ぎ、がっぷり四つに組むようなライバルではありません。SNSでの関心対象として、あるいはYouTubeが取り上げる素材として、同列に扱ってくれるのは、BAND-MAIDにとって情報量の点では大いにメリットがありますが。
『BAND-MAID結成ストーリー』ですが、創設者の小鳩ミクさんが公式に全てを語っています。
シンコー・ミュージックから発行されたBAND-MAIDのアーティストブック『GiGS Presents BAND-MAID THE DAY BEFORE WORLD DOMINATION』(2019年1月刊)の中で、創設者の小鳩ミクさんがインタビューに答える形式で詳細にバンド結成ストーリーを語っているのです。
www.shinko-music.co.jp
正確には発行後、小鳩ミクさんのインタビュー記事部分見開き2頁をまるごと差し替える形でPDFファイルが提供されています。
私は原本を所持しているものの、訂正差し替え版との相違箇所について対照したことはありません。そもそもここに書かれていることに関心を持つのは相当マニアックなファンに限られるでしょう。
時々、BAND-MAID結成ストーリーについて関心が集まるのは、どうも、冒頭のBABYMETAL vs BAND-MAIDのライバルの構図にも原因があるようです。
どうも、プロデューサー、マネージメントによってアイドルユニットとして企画されたBABYMETALに対して、BAND-MAIDは自発的に企画あるいは発生したガンズ・アンド・ローゼズやニルヴァーナに通じるような『ロックバンド伝説』を持っているべきだという的価値観が遠因にありそうです。自立発生価値観を基に結成ストーリーの信ぴょう性に関心を持たれているのかもしれません。
私は、そもそも長年のロックファン、ポップスファン歴から、ビートルズ(The Beatles)とローリング・ストーンズ(The Rolliing Stones)という今日のロック/ポップスに巨大な影響を与え続けている2つのロックバンドが、運営(マネージャー)によって作られたことを知っています。そのため、ロックバンド結成ストーリーは自発的であるべきという考え自体が全くありません。
ブライアン・エプスタインが、初期ビートルズの人気ナンバーワンメンバーだったドラマー、ピート・ベストの母親であると同時にビートルズのマネージメントを担っていたモナ・ベストの影響力を排除するため、ロリー・ストーム&ザ・ハリケーンズのリンゴ・スターを引き抜き、デビューシングルのレコーディングではスタジオミュージシャンのドラマー、アンディ・ホワイトを起用し、革ジャンにリーゼントの不良スタイルを止めさせマッシュルームカットとスーツ姿で売り出したであるとか・・・。
アンドリュー・ルーグ・オールダムが、ローリング・ストーンズをビートルズに対抗するアイドルバンドとして売り出すため、オリジナルメンバーで音楽的リーダーシップを握っていたイアン・スチュアートを「お前、ブサ面だからクビな」「まぁ、ローディーとして裏方仕事を手伝う気があるなら、引き続き仕事やって貰っても構わない」と解雇した話であるとか・・・。
レベッカが大々的に売り出されるにあたって、創業メンバーでバンドの音楽の方向性全体に影響力を持っていたギタリストのSHAKEが邪魔になって排除(解雇)された話だとか・・・
SHAKE:そうそう。NOKKOは、そんなにロックにこだわっていた人間じゃなかったからね。逆に俺にとって音楽は、ロックだったから、固執してたんだよね。毎日嫌なムードで、ディレクター変えたりしても、すぐ同じになっちゃう。俺がいると何も進まないみたいになっちゃって。まあ、俺自身ももうやめようかなっていう気持ちもあったんだけど、やめるって言う前にクビになっちゃったからね(笑)。
まぁ、ロックバンドが世にでるにあたっては、いろいろドロドロしたことがある場合もあります。そして、バンドが売れれば結果オーライでバンドは初期の深い傷跡も呑みこんで大きくなっていくしかない。
大物バンドの創業期のいろいろ、あれやこれやと比べると、小鳩ミクさんが語るBAND-MAID結成ストーリーは極めて真っすぐでシンプルなものです。
ビートルズやローリング・ストーンズのような史実と違って、BAND-MAID結成当時の関係者は存命で現在も業界で仕事をしている人が多いことから、小鳩ミクさんのインタビュー『差し替え改訂版』は、関係者の発言と矛盾が全く生じないよう完璧に整合する内容となっています。
従って、記述された内容を疑ってツッコむ意味、あるいは箇所は見当たりません。
新規事業を立ち上げるに当たって、店長や工場長等のキーパーソン候補がなかなか決まらないのは厳しい。決まった後や開業した後、速攻で辞めてしまう事態はもっとキツイですが。
タイ・バンコクのAKB48の海外姉妹グループであるBNK48は、オーディション企画はもちろん、運営も立ち上がるはるか前から、将来の運営と将来キーパーソンとなるメンバーが友好的に接触しています。
また、オーディション公募に先だって、子役等の芸歴、K-POPカバーダンスコンテスト入賞者等をリサーチし、立ち上げ時の即戦力候補として目星を付け、確保に動いている形跡も見られます。
『売れる』可能性の高い魅力的なメンバーを集めるための芸能人オーディションとはそういうものです。公平性が絶対の国家試験や資格試験ではありません。良い人材を確保するために相当早くから動くことは当然です。一般人の転職活動でも在職中に動く、あるいはスカウトするのが普通であるように。良いメンバーを確保することが最重要であって、時系列や手続き上片づける必要のある点は後から整合させれば良いことなのです。
(だからこそ、タテマエ上視聴者投票による公平・公正なメンバー選考を歌うサバイバルオーディション番組で、運営の出来レースが明らかになったりすると大問題になります。)
BAND-MAID結成ストーリーに関しては、地上で運営が公募をかけ、水面下ではキーパーソン(本人)が企画実現のために汗をかいていたとすると、上述のアーティストブックの『差し替え改訂版』ドキュメントの内容には矛盾点は何もありません。
あなたが、BAND-MAIDはビートルズ位ビッグなバンドとして将来歴史的存在になるはずなので、時間が経過して資料や発言が散逸しないうちに、あらゆる事実を調査し資料を入手し将来に備えたいと固く考えているのなら、無理に『真実』を追求することを止めることはしませんが・・・。
新たな『史実』、『事実』を発掘したところで、複数の当事者それぞれの立場によって見方・解釈は異なることが多いのです。
ピート・ベスト解雇について、ビートルズ関係者の意見が人によって大きく、あるいは全く違うように・・・。
◆Pete Best Band - Haymans Green - Gone
https://www.youtube.com/watch?v=ZFWbM7C7cHM
◆나띠(NATTY) - 'NINETEEN’M/V
日本出身のMOMO達とサバイバルオーディション番組でTWICEの座を争ったタイ・バンコク出身のNATTYがソロデビュー!
https://www.youtube.com/watch?v=rQpWdm5zHOU
◆KBank x BLACKPINK | Cover by DEKSORKRAO from Thailand
BABYMETALのライバルは世界中の少女達のアイドルBLACKPINKでしょう。
BLACKPINKをタイの農村を背景にしてカバーし大人気となったDEKSORKRAOですが、メンバーが成長し、単独で見るとパロディと気付かない位のクオリティになってきていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=rPBdQo5ee2s
◆KBank x BLACKPINK x DEKSORKRAO
将来のリサやNATTYを目指しているんでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=7B1p2j98Fjo