メイド服姿でヘヴィなロック/メタル、海外を視野に入れたガールズバンド「mixx」は早過ぎたのか?ちゃっきー(Mary's Blood,NEMOPHILA)在籍!
メイド服姿のアイドル志向のキュートなヴィジュアルで、音楽性は本格的なヘヴィメタル、海外進出も視野に入れたガールズバンド企画「mixx」。
2010年から2011年にかけて活動した異形のガールズバンド「mixx」の名前を知っている方は、相当マニアックな嬢メタルヲタか、地下アイドルヲタ、もしくはその両方を兼ねる方ではないでしょうか。
1970年代初頭、アメリカ・東海岸のニューヨークで、レディースのワンピースとハイヒール、ド派手なメイクの女装で登場したロックンロールバンド、ニューヨーク・ドールズ。
そのヴィジュアルのインパクトで、デビューするやいなやサブカルチャーの騎手として人気を博し、後のグラムロック、パンク、LAメタル(ヘアーメタル、グラムメタル)等のロックの歴史に大きな影響を与えました。
ニューヨーク・ドールズ直系の日本のロックバンド、ZIGGYをV系(ヴィジュアル系)にカテゴライズして間違いでなければ、日本のV系にもニューヨーク・ドールズは影響を及ぼしていると言えます。
映画『ブレード・ランナー』で描かれたような、上海とも香港とも東京ともLAとも判断つかないようなサイバーパンク的な近未来の都市にふさわしいロックンロールバンドの姿はどのようなものか?
メイド服姿に身を包んだ秋葉原の地下アイドル的存在感を放つロックバンド、あるいはロボット、アンドロイドが組んだロックバンド、または地下アイドルやメイドとロボットやアンドロイドの混成バンドを連想する人は少なくないのではないでしょうか。
サブカルチャーに馴染んだ人ならだれでも思いつくような『アキハバラ・ドールズ』ですが、実際にロックの楽器演奏に習熟したミュージシャンをスカウトしたり、ロボットやアンドロイドが楽器を演奏するバンドを企画し立ち上げることは誰にでもできることではありません。
秋葉原のメイドカルチャーを装った、アイドルにしか見えないヘヴィメタルの音楽性のガールズバンド、mixxの活動期間は、2010年6月から2011年5月までのジャスト一年間。
mixxのメンバーは、ミスユニバースファイナリストに選ばれた経験のあるASUKA(vo.)、日本の嬢メタルの人脈的中核バンドであるDESTROSE出身のSAKI(Gt.、現Mary's Blood、NEMOPHILA)、現役女子高生のJACKSON(Dr)の3人。
ベースはライブ毎にコスプレドラマーのガスマス子らがサポートが入りました。
メインのソングライターは、Mad BeaversのKIYOSHI(ex.hide with Spread Beavers)。メンバーのSAKIもソングライティングを手掛けています。
mixxは、一年間の活動期間中、シングル「Bye3」、「あげぽよ☆レッツゴー!」、「HEAVY METAL SWEETS」、「小悪魔☆ララバイ」の4枚の音源を発表しました。
mixxの企画・プロデュースを手掛けていた藤原さんは、黎明期から日本のロックに関わり、V系(ヴィジュアル系)バンドを手掛ける他、アメリカの音楽界で仕事をした経験があります。
また、エース・フレーリー(ex.KISS)、カコフォニー(ex.メガデスのマーティー・フリードマンとex.デヴィッド・リー・ロス・バンドのジェイソンベッカーのコンビ)、クライ・ウルフ(LAのヘアーメタルバンド)等、主にアメリカのHR/HM系のバンドを日本に招聘し興業を行いました。
米HR/HM音楽業界とつながりから、メイド服に身を包んだヘヴィメタルの音楽性のガールズバンド、mixxの世界進出プランを企画していたであろうことがうかがわれます。
カッコ( )内筆者註記。
実は2年前(2011年)。(mixxが)活動停止しなければ今頃(2013年)とっても大きな世界のBIGレーベルから発売されていたんです。(ボーカルの)ASUKAは英語、スペイン語、ロシア語が話せるのでとっても海外レコード会社やプロモーターさんから評価されました。海外のレコード会社から正式なオファーとツアーの話があったけど、(以下略)
https://ameblo.jp/entertainmentconsulting/entry-11542850156.html
◆mixxというガールズバンドは、秋葉原、メイド、アイドル、ボカロ、痛車、ゴスロリ、コスプレ等々日本が産んだ数々のポップカルチャーを背景に海外進出を図った企画だったようです。
都内女子校軽音部で部長を務める現役女子高生ドラマー、速弾き女子大生デトロイトメタル・ギタリスト、そしてマルチリンガルのリア充女子大生、という超個性的なメンバーが集まり結成。ゆるいトークと迫力のライヴプレイが同居するカオスな内容の秋葉原発・インターネット放送番組「あげぽよ☆レッツゴー」がニコニコ生放送で話題を呼び、わずか数ヶ月でデビューを果たした。痛車、ゴスロリ、コスプレ等、日本が産んだ数々のポップカルチャーの影響溢れるリアルな歌詞や、ライフスタイルはあっという間にそれぞれのシーンに浸透し、11年5月「日本最大の痛車イベント」痛ロード(富士スピードウェイ)にも参戦し、ニコニコ公式生放送にて12万人を超える視聴者のド肝を抜く迫力ライヴを披露。また、同時期に行われた「初音ミク×原宿ゴスロリブランドコラボレーションファッションショー」ではモデルとMCを務め、日本中の夢見るゴスロリックな乙女達のアイコンとしてもその存在をアピール。じわじわと、その活動の幅を広げている。
https://www.amazon.co.jp/mixx-JAPANESE-mixx/dp/B0052PN7L2
BABYMETAL(『さくら学院』重音部)の「ド・キ・ド・キ☆モーニング」がDVD/配信シングルとしてリリースされたのが2011年11月。
BABYMETALは海外のロック/メタルファンから注目を集め、これをきっかけに2014年から欧米のロック/メタルシーンに進出します。同時に海外のロック/メタルファンから日本のアイドルとロック/メタルのクロスオーバーな表現に注目が集まり出します。
2013年から2015年にかけて、日本のアイドルとロック/メタル/ラウド系等のクロスオーバー表現であるガールズロックアクト達、FRUITPOCHETTE(フルーツポシェット)、DESURABBITS (デスラビッツ) 、激情☆めたりっちぇ、LADYBABY等、嬢メタルと呼ばれるガールズメタルバンドのDESTROSE、Aldious、Mary’s Blood、Cyntia、BRIDEAR、FATE GEAR等、ガールズロックバンドのBAND-MAID、DOLLS$BOX、Gacharic Spin(ガチャリック スピン)等が海外の日本のガールズロック/アイドルファンによって、『発見』されていきます。
そして、これらの日本のガールズロックアクトは、海外からの人気の逆輸入により、日本のロック・メタル系のファンにも認知されるようになっていきました。
メイド服姿のヘヴィメタルガールズバンドmixxの解散によって幻となった海外リリース、海外ツアーが構想されていた2013年、故郷の熊本と秋葉原のメイド喫茶で実際にメイド歴があり、インディーズアイドルグループのリル・クミン(Lil Cumin)のメンバー出身の小鳩ミクさんが 『メイド服姿でカッコいロック』のコンセプトで、新ガールズバンドBAND-MAIDを立ち上げます。
BAND-MAIDは、海外マニアによる日本のガールズロックアクト発見のトレンドに乗り、2014年当時から、海外で最も著名な日本のガールズロックバンドとなっていきます。
しかし、BAND-MAIDが日本国内で知名度を上げ、NHK地上波TVに出演できるようになるのは、結成から実に雌伏6年、2020年も近くなった2019年の年末になってからでした。
2010年から2011年にかけての1年間活動したメイド服姿のアイドル的ヴィジュアルで激しいヘヴィメタルの音楽性のガールズバンドmixx。早過ぎる企画だったのかもしれません。
◆mixxについてふれるmixxの元メンバー、”ちゃっきー”ことギタリストのSAKIさん(Mary's Blood、 NEMOPHILA)
懐かしいのが出て来て、インスタのストーリーに載せたら少し需要があったようで(ありがとう😭)、ソロの現場には持って行くかもです😊
— ちゃっきー (@_chakixx_) 2020年1月3日
なんだかんだ2010/10/10のデビューか
10年!わお!
そういえば今年の10/10は土曜ですか。
開けておいたら宜しいのでは?まあ、何があるとは申しませぬが😁 pic.twitter.com/qN0ErrsyZz
今日はジム始めして来た〜。今年も体力維持、頑張るぞい💪
— ちゃっきー (@_chakixx_) 2020年1月5日
そろそろ髪を暗くするので明るい髪の自撮りを供養。スクールカーストの底辺としては昔からこういうギャル的な格好に憧れていたんだよなあ〜。出来て良かったな。黒髪の"方が"好きですみたいなリプしたらブロックするから笑!やめてネ❤️笑 pic.twitter.com/5vW9cqdMqM
◆Agepoyo☆Let's Go! by mixx,a girls band from JAPAN!
https://www.youtube.com/watch?v=bUeA7t-jyrY
◆Compressorhead-Ace of Spades-Now with 350kg Singer
良いんだけど、もうちょいアキバ系の地下アイドル感が欲しいかな。
https://www.youtube.com/watch?v=9gMX_hR-RoM
◆Japanese Girls Band,mixx's latest single 「Koakuma☆Lullaby」
mixxのMV等は英語表記されており、明確に海外ウケを意識していたことがわかります。
https://www.youtube.com/watch?v=pSXy9EtEy9s
◆水戸黄門像の前でニューヨーク・ドールズのTシャツ姿で記念写真を撮るメイド服姿のガールズロックバンドBAND-MAIDのボーカル彩姫(SAIKI)さん(2016年)。
水戸LIGHT HOUSEありがとう😎💞ツアー楽しい💕💞💕
— BAND-MAID SAIKI (@saiki_bandmaid) 2016年7月13日
ちゃんと水戸黄門さんと写真も撮りました💖 pic.twitter.com/PYCRWAqJuM