日本の音楽業界人が「邦ロックとは、女子中学生に受ける音楽である。」と言い切るのを目にしたことがあります。
「ロック=女子中学生に受ける音楽」は、邦ロックに限ったことではありません。
もっとも、あまり”洋ロック”という言い方はしませんが。
クイーンもエンジェルもチープ・トリックも、英米の音楽シーンでは無名でほとんどお金が稼げない時代から、日本では女子中学生・高校生によってアイドルとして発掘され、高い人気を博していました。
クイーンもエンジェルもチープ・トリックもジャパンも、アイドルグループとして日本市場で稼ぎ、そのお金を英米のロック市場に投資することによって、海外でブレイクすることができたのです。
かわぐちかいじ先生作画のタイムスリップもの漫画に、『僕はビートルズ』というのがあります。
2010年の東京のビートルズのカバーバンドが、ビートルズがデビューする前の1961年にタイムスリップし、ビートルズの曲をパクってデビューしスターになるというストーリーです。
ほぼ同じ設定でイギリス映画『イエスタデイ』(2019年)が話題を呼びました。
ラジオから流れた『イエスタデイ』のサウンドトラック(ビートルズの名曲を現代のシンガーソングライター達がカバーしたもの)が豪華で聴き入ってしまったことがあります。
実は、ビートルズを歴史から消し去るためには、2010年とか2019年からバンドやシンガーソングライターをタイムスリップさせなくてもシナリオは書けるのです。
ビートルズのメンバー4人をブサメンにすれば良い。
ジョンとポールとジョージとリンゴがブサメンとして生まれた世界では、たとえ4人にどんなに音楽の才能があったとしても、ビートルズは決して世界的な人気者にはなれなかったでしょう。
同じことは、ビートルズにとってのアイドルだったエルヴィス・プレスリーにも、少年時代のモトリー・クルーやデフ・レパードにとってのアイドルだったレッド・ツェッペリンにも言えます。
もしも、エルヴィス・プレスリーとビートルズとレッド・ツェッペリンがブサメンだったら・・・?
そのパラレルワールドでは、ロックは、ジャンプ・ブルース、ジャイヴ、シカゴ・ブルース位の流行で終わっていたでしょう。
ロックは、1950年代の流行で終わり、半世紀以上ポピュラー音楽の主要ジャンルとして聴かれ続けるような影響力のある音楽には決してならなかったはずです。
2020年に来日する往年のアイドルANGEL(エンジェル)。
クイーンのパクリ的受け止め方もされていましたが、実はUKのプログレッシブロックバンドのイエスにも強い影響を受けた演奏の上手いバンドです。
アイドルのイメージが強いですが、日本でのアイドル人気が失速した後、アメリカのHR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)カテゴリで地位を確立したようで、グラムメタル(LAメタル)等のミュージシャンからも結構影響を表明されているバンドです。
『ロックバンドとはアイドルである。アイドル性の乏しいロックバンドが人気になれる可能性は極めて少ない。』
ところで、ラジオから流れてきた往年の大アイドル松田聖子さんのロックンロールナンバー「Summer Beach~オレンジの香り~」、良いですね!
現代のタイの新進アイドグループ、FEVERのメンバー、Beifernさんが、このあたりの1980年代のアイドルソング、シティポップ、ニューミュージックが好きで良く研究されているのです。
◆FEVER - UNDERGROUND「Official MV」
直近2回のライブではバンコクのインディーロックシーンの手練れに達によるバンドを従えたバンドセットで、ロックなパフォーマンスで迫っています。
◆กระถางดอกไม้ให้คุณ - SY51 l ชุมทางคาราบาวซีซั่น2
最近一押しのアイドルグループが、タイ・チェンマイ発のソメイヨシノ51(SY51)。日本では知られていないので、「タイの乃木坂46」と紹介されることが多いですが、日向坂46の方がテイストが近いかもしれません。ロックです。年末に2度目の来日!