ボブ・ディラン『ブロンド・オン・ブロンド』
実はハーモニカ(ブルース・ハープ)が素晴らしい!
ディラン自身が吹いているのでしょうか?それともポール・バターフィールドあたりが吹いているのか?
『ブロンド・オン・ブロンド』はナッシュビルのセッションミュージシャンをバックに録音されました。ハーモニカ奏者のチャーリー・マッコイが「5人の信者達」一曲のみハーモニカでクレジットされています。
ということは、他の曲のハーモニカはディラン自身が吹いているということになるはず。まぁ、レコードというもの、必ずしもすべての曲毎の楽器奏者が正確に書かれているとは限らないわけですが。
ディランの(?)のハーモニカと管楽器との絡みはスリリングです。ディラン自身がブックレット(初版LP盤ではアルバムの内ジャケットなのでしょう)で、理想とするギター、管楽器、ハーモニカのアンサンブル追求に満足いく出来だみたいなコメントをしていた。
ハーモニカと管楽器(サックス、トロンボーン、トランペット等)の違いは、ハーモニカは和音が出せるのに対して、管楽器は単音しか出せないという点。だから管楽器隊は複数人で和音を吹くわけです。
不思議とハーモニカと管楽器のアンサンブルってロックでは殆ど聞きません。
数少ない例が、元ザ・バンドのドラマーのリヴォン・ヘルムがザ・バンド解散後に組んだリヴォン・ヘルム&ザ・RCOオールスターズ。ポール・バターフィールドのハーモニカが全面的にフィーチャーされています。
ザ・バンドは元ボブ・ディランのバックバンドですし、ボブ・ディランがフォークからエレクトリック編成のロックに転向した1965年の『ニューポート・フォーク・フェスティバル』でバックバンドを務めたのがポール・バターフィールド・ブルースバンドだったという縁があります。
だもので、『ブロンド・オン・ブロンド』のカッコいいブルースハープもポール・バターフィールドなのかなと思ったのです。
最も『ブロンド・オン・ブロンド』でスリリングな管楽器とブルースハープの絡み合い、チェイスが聞けるのは一曲位でした。
アルバム全編、ブルースハープと管楽器隊が絡み合い、ねちっこくチェイスし、スウィングしまくるのは、ポール・バターフィールドがフィーチャーされたリヴォン・ヘルム&ザ・RCOオールスターズの同名アルバムの方です。
ポール・バターフィールドのハーモニカはこのアルバムでのプレイが一番好きです。
◆Bob Dylan - I Want You (Official Audio)
https://www.youtube.com/watch?v=-iIS6ZZ9RVA
◆The Band - Mystery Train (feat. Paul Butterfield) (Concert Version)
https://www.youtube.com/watch?v=1r930W1zZDM