ジョン・マクフィー(ドゥービー・ブラザーズ、ex,クローヴァー、矢沢永吉バンド、サザン・パシフィック)がデイヴ・メイソン(ex.トラフィック、1970年代はソロのギターボーカルとしてはエリック・クラプトンと並ぶ人気があり、1980年代以降も中ヒットは出している)のリモートセッションをプロデュースし、ミック・フリートウッド(フリートウッド・マック)、サミー・ヘイガー(チキンフット、ex.モントローズ、ヴァン・ヘイレン)、トム・ジョンストン(ドゥービー・ブラザーズ)、パット・シモンズ(ドゥービー・ブラザーズ)、マイケル・マクドナルド(ex.スティーリー・ダン、ドゥービー・ブラザーズ)らロック界の大ベテランが参加して「Feelin’ Alright」を録音という記事を書こうと思ったのですが・・・。
ミーガン・ジー・スタリオン、現在売り出し中、人気急上昇中のラッパー/シンガーソングライターのMVを偶然見て気になったもので一言。
ビヨンセとコラボし全米No.1獲得。日の出の勢いのアーティストなのでしょう。
この人が今のアメリカなのだろうという気がしたのです。
デイブ・メイソンの「Feelin’ Alright」セルフカバーのリモートセッションに参加したメンバーは、ほとんど40数年以上前からトップスターとして活躍している人達です。1年や2年後になっても全く支障がないでしょう。5年、10年寝かせた方が良い音に聴こえるかもしれません。
オリジナルの「Feelin’ Alright」は、1968年にリリースされたトラフィックのセカンド・アルバム『Traffic』に収録され、ジョー・コッカーやスリー・ドッグ・ナイト、ジャクソン5、グランド・ファンク・レイルロード、ポール・ウェラー、ヒューイ・ルイス、ブラック・クロウズをはじめ、多くのアーティストがカヴァーしています。
ミーガン・ジー・スタリオン、色々な面で大迫力です。
K-POPの女性グループが一週間で7kg!減量した等という芸能界悲哀物語とは対極を行くメッセージを感じます。
人気絶頂BLACKPINKもTWICEも、万一、ミーガン・ジー・スタリオンとコラボする機会があったら、厳しく管理した食欲が爆発して反動が出てしまうのではないかと心配になりかねません。
公民権運動、女性解放運動、現在のBLMの文脈からミーガン・ジー・スタリオンのようなポップスターをどう位置付け、解釈するかというのは構図を把握していないうえに仮設も持っていないので踏み込みませんが・・・。
MVを視ると存在感の誇示に様々な主張が感じられます。
The #Hot100 top 10 (chart dated July 4, 2020) pic.twitter.com/P6eKJZT4uD
— Billboard Charts (@billboardcharts) 2020年6月29日
切れの良いラップフロウ、グラマラスなフォルム、少々露骨な性的表現、各プロデューサーによるディープな南部系バウンストラックと、Nicki Minaj ~ Cardi Bのように今のアメリカンなヒップホップスターダムの王道を突き進んでいきそうな感じですね。
◆Megan Thee Stallion - Girls in the Hood [Lyric Video]
https://www.youtube.com/watch?v=l3Cj7Esqr0c
◆Megan Thee Stallion - Savage Remix (feat. Beyoncé) [Official Audio]
https://www.youtube.com/watch?v=lEIqjoO0-Bs
ボブ・シーガーが歌う曲の主人公、そしてボブ・シーガーのファンの白人男性とその子供世代。それが4年前のアメリカ大統領選挙でドラルド・トランプ現大統領を支持した人達に対するイメージでした。
ボブ・シーガーには「デトロイト・メイド」という、強いアメリカの象徴としてのアメリカ自動車産業を歌った曲があるのです。
◆Bob Seger - Detroit Made (Ride Out | Behind The Scene)
https://www.youtube.com/watch?v=d-g_8ajb5zs
ボブ・シーガーのアメリカとミーガン・ジー・スタリオンのアメリカ、アメリカは一つではありません。
そして、ジョン・マクフィーのような優れたプロデューサーは、異なる世界をドラえもんの『どこでもドア』のようにつなぐことができる感覚と才能と能力を持っています。
『ジョン・マクフィー=どこでもドア説』。『ジョン・マクフィー=ロック界の藤沢武夫説』を唱えているのですが、それについては別途。