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竹原ピストル「例えばヒロ、お前がそうだったように」~歌い続ける小山卓治さん

竹原ピストル「例えばヒロ、お前がそうだったように」

FM放送局、interFMのHot Picks(パワープレイ曲)に選ばれていて、よくかかります。特に、洋楽のハードロック、へヴィメタル、ラウドロック主体の選曲のザ・デイブ・フロム・ショーでかかる時には異彩を放ちます。アコースティックギターによる弾き語りのスタイルで、ディストーションギターやブラストビートのロックやメタルに、全く負けていない。いや打ち負かしています。拳に“言葉(歌詞)”を込めて、相手にぶちこむような歌唱と楽曲。これは、ロックですね。あえて電気楽器を抑制することで、ロックの肉体性を究極まで強調しているように感じます。

ボブ・ディランブルース・スプリングスティーンボブ・シーガージョン・メレンキャンプ等が好きなロックファンには刺さる音楽ではないでしょうか。

竹原ピストルさんは、4月20日(木)には、interFMのザ・デイブ・フロム・ショーに急遽出演。2年から3年未満ぶり位だそう。年間200本のライブをこなす現在の状況と、「武道館でライブを演りたい。」という希望(武道館宣言!)を話されました。

男性シンガー・ソングライターをチェックするのは、おそらく馬場俊英さん以来です。なんと十数年ぶり(20年近く?)になります。もちろん、その間にもたくさんの素晴らしい男性シンガー・ソングライターがデビューされいるはずですが、自分は、あいみょんさんのように、”男性シンガー・ソングライター研究家”ではないので、耳に入ってこなかったのかもしれません。

番組中、竹原ピストルさんは、なんとSION(シオン)さんと対バンすることも述べられていました。

SION』 × 『竹原ピストル』!!!

男、男、男、男、男・・・汗と男くささと熱さ全開。タオルでねじり鉢巻きしたバカボンのパパのコスプレでライブに参戦して拳を振り上げても全然違和感なさそう・・・というか、かえってサマになってしまいそうです。


SION、・・・・。そういえば、小山卓治さんは、現在はどうされているのでしょうか。

尾崎豊さんより大分(8歳)年上だったのに、デビュー時期が同時期だったこともあって、尾崎豊さんのライバルとして報じられることが多かったシンガー・ソングライター小山卓治さん。ミスチルMr.Children)の桜井和寿さんもリスペクトするシンガー・ソングライターに挙げている小山卓治さんです。(桜井和寿さんは、Bank Band小山卓治さんのアルバム「ひまわり」中の「煙突のある街」をカバーしています。)


小山卓治さんの現在の活動を検索すると、


『うわぁああああああああああおおッ!』


小山卓治さんは、2017年の今年も、全国各地を回って歌い続けられているのです。


『すみません。ガールズ・ロックばかり追っかけていました。』


それにしても動画や公式写真で見る現在の小山卓治さんは、なんというカッコ良さでしょうか。ブログの公式写真なんて大正時代の文豪のようです。

人気絶頂期に破天荒な生き方を貫いて絶命した尾崎豊さん、潮が引くように人気と注目が引いてから、繁華街の片隅で、独り息を引き取ったと噂される山本翔さん。それぞれにロックらしい生き方だったと思います。そして、何十年とロックし続ける生き方、しかもカッコ良くロックし続ける生き方も、相当にハードルの高いロックな生き方ではないでしょうか。

ブルース・スプリングスティーンの表の(陽の当たる)代表曲が「ボーン・イン・ザ・USA」だとしたら、裏(陽の当たらないという表現は良くないですが)の代表曲が「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」です。

そして私は、ブルース・スプリングスティーンの「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」が好きで、今でも良く聞いています。

「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」という曲で描かれるのは、社会や経済に翻弄され、巨大な理不尽に抗い、必死に生きようとする細民(ワーキングクラス)の姿、魂。

同じように、日本的な湿気の多い情緒のもとで、必死に生きる細民(ワーキングクラス)の姿を描いてるのが、小山卓治さんの歌なのです。


「トム・ジョード」とは何か?

そもそも「トム・ジョード」とは、何なのでしょうか?元々は、ジョン・スタインベックの小説「怒りの葡萄」(1939年)の主人公の名前です。

小説と映画(1940年)は、全米に大きな反響を呼びました。それにより、トム・ジョードは、経済変動(恐慌)、社会システムの変動といった個人ではどうすることもできないシステムの巨大な流れと理不尽な運勢に翻弄されながらも、それに抗い必死に生きようとするアメリカのワーキングクラスとその精神(魂)を象徴する架空のキャラクターとなったのです。

そして、フォーク歌手のウディ・ガスリーが、1940年に録音したアルバム「ダストボウル・バラッズ」中に、トム・ジョードを主人公とした2曲を収録します。amazonの商品の説明を引用すると、『1930年代の砂塵嵐期のオクラホマの放浪農民の絶望や気概を的確に捉え、ウディの詩才を示した内容はフォーク・アルバムのクラシックとしてだけでなく、歴史的ドキュメントとしても価値のある録音』とあります。

さらに、ロック歌手のブルース・スプリングスティーンが、1995年に、アルバム「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」を発表します。


[ジョン・スタインベック(作家)-ウディ・ガスリー(フォーク歌手)-ボブ・ディラン(フォーク歌手としてスタートし後にロックに転向)-ブルース・スプリングスティーン(ロック歌手)]

この、アメリカ文学アメリカロックの系譜に生き続ける、いわば、”アメリカの庶民の魂”を象徴するキャラクターが、「トム・ジョード」なのです。

ラジカルな主張で知られるオルタナティブ・メタル・バンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、そしてニッケルバックが、「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」をカバーしているというのは、そういうことなのです。


竹原ピストルさんは、ジョン・スタインベックの小説「怒りの葡萄」から直接、着想を得て、「トム・ジョード」という曲を書いたとのことです。ウディ・ガスリーブルース・スプリングスティーンを念頭に置いたものではなかったようです。


偶然とは必然なのです。

 

□ポエム流れ弾 『例えばヒロがそうだったように』(歌詞)
(「竹原ピストルのブログ 流れ弾通信」より)
http://blog.goo.ne.jp/pistol_1976/e/aa8ab5086734558863a979f5d1998779

小山卓治「The Fool On The Build」
「The Fool On The Build」は、女性シンガー・ソングライターあいみょんの「生きていたんだよな」と同じテーマを扱った小山卓治さんの曲。

あいみょんの〈生きていたんだよな〉は、すごい。女性シンガーの歌でピンと来ることは実はあまりないんだが、自分と同じDNAを感じてしまった。  俺がデビューしたくらいの時代だったら、この歌は放送禁止になるか、自主規制でリリースできなかったかもしれないな。』
小山卓治さん、2017年4月20日のオフィシャルブログ記事「若手女性シンガーの歌を聴く」より。)

男性視点のセンチメンタリズム、女性視点のリアリズムを比較して聴いてみるのもいいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=fv3lE-EaALk

小山卓治 with MIKIO ROCKS「夢の島」〜「傷だらけの天使
『これがロックだ!』と思わず拳を振り上げたくなる「傷だらけの天使」!。
https://www.youtube.com/watch?v=qOydvAINAWI

□トム・マクレー「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」
イギリスのシンガー・ソングライター、トム・マクレーによる「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」のカバー。
https://www.youtube.com/watch?v=JG_o3j7IXSg

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン 「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」
ラウド(メタル)な「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」!
https://www.youtube.com/watch?v=Rz6GtLBR6sY

小山卓治オフィシャルサイトRED & BLACK
http://www.ribb-on.com/takuji/

 

 

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