BAND-MAIDのメジャーセカンドフルアルバム『WORLD DOMINATION』。ハードロックの快作!思わず、ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)の『アペタイト・フォー・ディストラクション』(Appetite for Destruction)を連想しました!。
『ロックっつたらガイコツ(骸骨)だろっ!。』(ボーカル彩姫さん)
『WORLD DOMINATION』のアートワークについてのボーカル彩姫さんのコメントです。
おそらく、メンバーは特定のバンド、例えばガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)を強く意識していることはないと思います。ただし、アートワークを手掛けたスタッフが、ハードロックの記念碑的作品を意識してリスペクト、オマージュ、パロディした可能性はあるかもしれません。
それを感じるのは、例えば、CDパッケージ裏面の、バンドメンバー一人ひとりをポップなスカル(骸骨、ドクロ)のキャラクター化して見せるデザイン。
ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)の『Appetite for Destruction』のガイコツが、”怖カッコいい系”としたら、BAND-MAIDの『WORLD DOMINATION』のガイコツは、”怖カワイイ系”のポップなキャラクターです。
前作(メジャーデビュー1stアルバム)『Just Bring It』のジャケットのアートワークは、デフ・レパードのアルバム『レトロ・アクティブ』のガイコツの騙し絵(このモチーフ自体は結構伝統的でルーツはもっと古いようです。)へのオマージュともとれました。
続く2ndアルバム『WORLD DOMINATION』では、ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)に敬意を払った(?)アートワークを採用するというのは、BAND-MAIDのハードロックバンドとしてのブランドを確立させる戦術としては、筋が通っています。
もともと、2017年に、イギリスのレーベルであるJPU Recordsが、BAND-MAIDをヨーロッパに売り出した時のキャッチフレーズは、『デフ・レパード(Def Leppard)の煌びやかさとガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)の(ロックらしい)ふてぶてしさ(Attitude)を兼ね備えたバンド』。
これは、まぁ、無名の新人バンドのキャッチフレーズとしてはとんでもない大言壮語になるわけです。
デフ・レパード(Def Leppard)とガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)といえば、それぞれイギリス、アメリカ出身の1980年代のロック/ポップの世界市場で大成功を収めたハードロックバンド。並のバンドでは、大言壮語なキャッチフレーズに実力がかすんでしまいかねません。
この、BAND-MAID=(>?)”デフ・レパード” × ”ガンズ・アンド・ローゼズ”!という表現は、もともとは、イギリスのHR/HMメディア、METAL HAMMERのレビューの中で、BAND-MAIDのライブパフォーマンスを評した表現です。
ルーク・モートンさんが、2016年10月12日のBAND-MAID初のヨーロッパツアー初日、ロンドンのライブハウス、カムデン・アンダーワールド公演を実際に観戦し、METAL HAMMERに掲載したレビューが引用元です。
HR/HM業界、そしてベテランのファン(おじさま?)は、「ロックは、あるいはメタルとはこういうものだ、こういうものでなくてはならない!」という保守的な思い込みがひと際強いものです。
コスプレというギミックで注目を引き、海外・異文化圏で針の穴を通すようなチャンスを掴んで、ライブハウスで培ってきた実力で業界とファンをねじふせるという際どいギャンブルに連勝してきたバンドに相応しいキャッチフレーズかもしれません。
運と結果は実力のうち。
例えば『WORLD DOMINATION』の13曲目「Alive-or-Dead」。ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)っぽくってカッコいい!歌詞の内容は、主人公が仮想通貨(?)で相場を張るというBAND-MAIDが得意とするピカレスク・ギャンブラー路線の楽曲です。こういう極めてJ-POPから遠く、いかにもロックンロールな楽曲は海外で受けるかもしれません。
メジャー1stシングル『YOLO』のカップリング曲「Unfair game」、「matchless GUM」から、BAND-MAIDの本場(英米のHR/HM)風のロックらしさは急上昇した感があります。
2017年11月5日の二度目のヨーロッパツアーのドイツ・ボーフム会場でのお給仕(ライブ)。
「Unfair game」、「matchless GUM」の演奏は、ボーカルパートをオジ―・オズボーンに差し替えたら、そのままブラック・サバスやオジ―・オズボーンのコンピレーションアルバムに入れて「未発表ライブ音源です」といっても違和感がない位のクオリティを感じました。
もちろん、彩姫さんが歌っていなかったら意味ないですし、「matchless GUM」での彩姫さんの『眠れなぁ~~~~~~~~~~~~~~~~いっ♪♪♪』というロングトーンはもの凄かった!
セットリスト中の位置の影響も大ですが、「Unfair game」、「matchless GUM」での拍手声援はひと際大きかったように聞こえました。
日本のPOP市場の嗜好・流行をガン無視(?)したような、孤高なロック色の強い楽曲をメジャーレーベルからガンガン出して来れるというのは、現在のBAND-MAIDに勢いがあるからなのでしょう。
◇【5 things we learned at Band-Maid's first ever UK show】(METAL HAMMER 2016.10.14)
◇【J-Rockers Band-Maid make first European performance at huge MCM Comic Con】(MAD ABOUT ROCK 2016.6.7)