ニワカですけど、Suchmos(サチモス)カッコイイ!ですね!。
Suchmos(サチモス)というと、枕詞のように、「(日本の)ジャミロクワイ (Jamiroquai) 」と語られます。
これは、ジャミロクワイ (Jamiroquai)、ちゃんと聞いてみないと!と思いました。
実は、自分は、ジャミロクワイ (Jamiroquai)、パスしてしまっていたんですよ。
ラジオで、ジャミロクワイ (Jamiroquai)の曲が流れ始めた頃、「なんだ!?、この、スティーヴィー・ワンダーそっくりの歌唱法と作曲法の白人は?!」と興味を持って、CDを聞いてみました。しかし、その時は、「これは(聞かなくても)、いいかな」、とパスしてしまいました。理由は、白人の演奏するファンク音楽なら、AWB(アヴェレージ・ホワイト・バンド)こそが、圧倒的にナンバー1だと信奉していたことが一つ。そして、白人の演奏するディスコ・ポップなら、ELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ、ジェフ・リン)が好きで聞いているから、これ(ジャミロクワイ)はいいだろうと。
ロックで言うと、1960年代のビートルズやフーやキンクスやアニマルズやホリーズを好んで熱心に聞いていた人が、3巡目以降にあたる、ストーン・ローゼズやオアシスやブラーを聞かなくてもいいだろうと思うのと同じようなものかもしれません。
しかし、これだけ、Suchmos(サチモス)の枕詞で、ジャミロクワイ (Jamiroquai)が語られるようになると、じっくり聞いてみないわけにはいきません。ということで、ジャミロクワイ (Jamiroquai)の1st、2nd、3rdアルバムと、90年代のライブフル映像を3本ほど視聴しました。
それでは、ジャミロクワイ (Jamiroquai)、どうだったでしょうか。
ジャミロクワイ (Jamiroquai)、アシッド・ジャズと呼ばれるだけあって、シャカタク (Shakatak)!、インコグニート(Incognito)!、つまり、ラウンジで気持ち良く流れて、邪魔にならない音楽でした。
そして、何より、マイケル・ジャクソン!
それは、どういうことかというと、黒人音楽をベースにしていながら、観客の多くは白人、もしくは、有色人種であっても白人の生活スタイルや消費文化に同化した有色人種であろうということです。
黒人音楽、ファンク、ソウル、リズム&ブルースの中には、観客のほとんどが黒人で、白人の観客が寄り付けないものもあります。ジャミロクワイ (Jamiroquai)、ジェイ・ケイは、そういったディープな黒人音楽を素材にしつつも、意識して、白人の聴衆向けにソフィスティケートした音楽をやっているはず。そこが、もの足りなく感じた原因だと思います。
同じく、イギリス(スコットランドですが)出身の白人のファンクバンド、AWB(アヴェレージ・ホワイト・バンド)の場合、黒人音楽の要素を薄めないで原液で出してきました。アメリカの黒人が、黒人のバンドだと思って踊ったというのは伝説になっています。
私見では、現代(直近50年間)のポピュラー音楽で最も影響の大きなミュージシャンは、ビートルズとスライ&ザ・ファミリー・ストーンです。人によっては、この2者に、ジミ・ヘンドリックスとジェームス・ブラウンを足して4者とする説もあります。
ビートルズ、ジミ・ヘンドリックス、ジェームス・ブラウン、スライ&ザ・ファミリー・ストーン。ミュージシャンが受けた影響という点で、ざっくりと、この4者の系統で分類すると、現代のロック・ポピュラー音楽家の半分から6割くらいが位置づけられる可能性があります。
ジャミロクワイ (Jamiroquai)、じっくり聞いてみたところ、Suchmos(サチモス)と、ジャミロクワイ (Jamiroquai) はほとんど似ていませんでした。
Suchmos(サチモス)のグルーブは重い、粘る。白人向けにソフィスティケートした音楽ではない。たぶん、3歳から80歳までの誰にでも受け入れられるような音楽を目指しているわけではない(結果としてそうなったとしても)。不良っぽさを表面に出し、洗練されていないストリート感覚を大事にしている。歌詞の内容が泥臭いところもよい。何より、Suchmos(サチモス)は、確実に、ロック(グランジ、オルタナティブ・ロック)を通ってきた音を鳴らしています。
では、Suchmos(サチモス)と、ジャミロクワイ (Jamiroquai)に全く関連がないかというとそうではありません。この2者が大きな影響を受けたミュージシャンが、スライ&ザ・ファミリー・ストーンという点が共通しています。この点では、Suchmos(サチモス)は、「日本のジャミロクワイ」という謳い文句も間違いではないでしょう。
マイケル・ジャクソンもプリンスもジャミロクワイもディアンジェロもスガシカオもSuchmos(サチモス)も、スライ&ザ・ファミリー・ストーン・チルドレンという点で、共通なのです。
「もし、ビートルズが解散しないで音楽活動を続けたら」というコンセプトで音楽を制作するのが、ELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ、ジェフ・リン)です。そして、「もし、スライ&ザ・ファミリー・ストーンが活動を停止しないで音楽活動を続けたら」というコンセプトで音楽を制作したのが、プリンスだと解釈しています。
Suchmos(サチモス)のフロントマンYONCEは、音楽レビューサイト「Mikki」で、アルバム『The Kids』の楽曲について、『「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」に通ずるファンク・グルーブのなかで間奏の長いギターがメタルになる、だけどポップな曲。』、と語っています。
ジャミロクワイ (Jamiroquai) に関しては、2ndアルバム『The Return Of The Space Cowboy (スペース・カウボーイの逆襲)』のタイトルは、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「スペース・カウボーイ」(アルバム『There's a Riot Goin' On』の収録曲)からの引用と解釈するのが自然です。ジェイ・ケイが、アルバムタイトルによって、スライ&ザ・ファミリー・ストーンへのリスペクト(と音楽・思想の継承)を表明していると解釈できます。
そんなわけで、Suchmos(サチモス)とジャミロクワイに啓発(?!)され、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのアルバムをじっくり聞いています!。
□クリスタ・ヘス ウィズ クラーク・ウィットソン ”スーパースティション”(スティーヴィー・ワンダー)カバー。
白人のお兄さんが、スティーヴィー・ワンダーをコピーすると、ジャミロクワイっぽく聴こえますよね♪♪。ブルーアイド・ソウル♪!
https://www.youtube.com/watch?v=pzeV-Hqr6ww