新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大している2020年4月、各国のミュージシャン達も、屋外ロケの中止はもちろん、エンジニア等のスタッフが出勤しなくてはならないためスタジオでの収録もままなりません。
そのため、ミュージシャンから、リスナーに「家にいるように(STAY HOME)」のメッセージを身を持って伝える意味も込めて、自宅よりリモート参加するテレワークスタイルの楽曲パフォーマンスの発表が相次いでいます。
歴史を振り返ると、1918年から20年にかけて続いたスペイン風邪の流行は、アメリカのエンターテインメント業界にレコードやラジオなどのメディアが急激に普及した時期と重なっている。
大和田俊之(慶応大学教授)2020年4月22日朝日新聞夕刊
2020年4月19日にWHO(世界保健機構)とGlobal Citizenが主催し、レディー・ガガ(Lady Gaga)がキュレートした著名ミュージシャンが在宅からテレワーク・リモートで参加するスタイルのチャリティー・コンサート『One World: Together At Home』内で、ザ・ローリング・ストーンズがパフォーマンスを披露しました。
曲目は『Let It Bleed』(1969年)収録曲「You Can’t Always Get What You Want(無情の世界)」。
テレワークでグルーヴを実現するザ・ローリング・ストーンズ、相変わらずの『さすがの爺さん』『凄い爺さん』ぶりは健在です。
その根底には常に技術革新に果敢に取り組んできたストーンズのアイデンティティを強く感じます。
インターネットの普及の原動力となったマイクロソフト社の『Windows95』(1995年)のタイアップ曲は、ザ・ローリング・ストーンズの「Start Me Up」でした。
一般的には、ザ・ローリング・ストーンズの『黒歴史』とされている『UNDERCOVER(アンダーカヴァー)』(1983年)。
ミック・ジャガーがラップを披露している(その後はラップはしていないはずです。)「Too Much Blood 」に見られるように、当時のポップミュージック、ブラックミュージック、ダンスミュージックの流行を最大限採り入れた実験性の高い作風でした。
あと2,30年位したら、『UNDERCOVER(アンダーカヴァー)』意外と評価高くなるんじゃないかとも思うんですけどね。
すべろうがなんだろうが、とりあえず新しいことにはなんでも飛びつく、試してみるというストーンズ精神は感じる作品です。
タイ北部チェンマイをホームとするAKB48の海外姉妹グループCGM48は、デビュー曲「Chiang Mai 106(チェンマイ106)」(オリジナルはNGT48「MAXとき315号」)のテレワーク版のパフォーマンス動画を公開しました。
原曲の選抜メンバー16名以外のアンダーガールズも含めた25名のメンバー全員が5×5分割の画面で踊る動画はなかなかユニークです。
続出するテレワークMVですが、個々のミュージシャンの動画は制約制限が大きいだけに、企画と編集力、すなわち『何を伝えたいか』がどれだけ明確になっているが最大の勝負ではないでしょうか。
制約の大きさが新しい表現を産むプロセスに立ち会っているのでしょう。
◆[DANCE FROM HOME] Chiang Mai 106 / CGM48
https://www.youtube.com/watch?v=h8E1psa7ahk
◆The Rolling Stones perform "You Can't Always Get What You Want" | | One World: Together At Home
https://www.youtube.com/watch?v=N7pZgQepXfA
◆We are the World (2020) | Together At Home Edition by Channel Aid, KHS & YouTube Artists
https://www.youtube.com/watch?v=0MWNW_a35oY
◆【MV Full】Chiang Mai 106(オリジナル)/ CGM48
https://www.youtube.com/watch?v=WrwVUUpzkOI