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ガールズメタルバンドNEMOPHILAの求心力はボーカルmayuにあるはずだ~ジャニス・ジョプリンと歌謡曲論(内藤やす子,葛城ユキ,マギー・ミネンコ)

 

もし、世間的には無名の新人歌手がバックバンドのメンバーに、ベースがタル・ウィルケンフェルド、ドラムスがエインズレー・ダンバー、ギターがジェフ・ベックスティーヴ・ルカサー、キーボードがヤン・ハマーというスーパーバンドを揃えて録音したなら、それは大手レーベルが事務所の力によるものだと誰もが思うでしょう。

 

しかし、同じメンバーがパーマネントな(恒常的な)バンドを組んだとしたら大きく意味は異なります。

 

お金だけではバンドを組むために中長期にわたって超一流のミュージシャンのスケジュールを確保することは困難です。

 

そこには必ず、「いっちょ、このメンバーでパーマネントなバンドを組んだろか」というメンバーのモチベーションが存在します。

 

一般にはまだ名の知られていないボーカリストが、凄腕のミュージシャン達が組むバンドのフロントに起用されること、それは、腕の立つバンドマン達がほれ込む実力がある歌手であるということを示しています。

 

新バンド結成にあたって理想のボーカリストを探し、ジミー・ペイジ(ニューヤードバーズ、後のレッド・ツェッペリン)がロバート・プラントを、ジェフ・ベックジェフ・ベック・グループ)がロッド・スチュワートに出合った時がそうだったのでしょう。

 

現代で言えば、往年(1970年代80年代)の名門バンドであるクイーンがアダム・ランバートを、ジャーニーがアーネル・ピネダを、レインボー(リッチー・ブラックモア)がロニー・ロメロという新しい若い世代の才能あるボーカリストを見出し、2000年代以降に人気を復活させたことがこのケースにあたります。

 

 

NEMOPHILAというガールズメタル(嬢メタル)バンド、ボーカリストのmayuのソロプロジェクト(『mayuセッション』)が、パーマネントなバンドに発展したという経緯があります。すなわち、バンドの求心力はボーカリストmayuの才能、キャパシティ、存在感にあるはずです。

 

ホワイトスネイクはデイヴィッド・カヴァデールの、アルカトラスはグラハム・ボネットの、Dio(ディオ)はロニー・ジェイムス・ディオ(故人)の屋号です。

ガンズ・アンド・ローゼズもオリジナルメンバーがアクセル・ローズ一人で活躍していた時期があることから、バンド名の権利はアクセルに属するのでしょう。

 

おそらく、バンド名称の権利関係という『大人の事情』的には、NEMOPHILAはmayuのものではないと推測します。しかし、ボーカリストの才能、潜在力、カリスマ性によるバンドの求心力という点ではmayuの存在が大きいのではないでしょうか。

 

mayuの声質と声量は、エレクトリック編成のロックコンボ、それも、ディストーション(歪み)やドラムセットの強打を基本とするヘヴィメタルラウドロックのコンボが一切ためらうことなくフルパワーでアンサンブルを奏でることのできるものです。

 

J-POPがJ-POPたる最大の根拠は、ボーカリストのポップな声質と日本に生まれ育った生活感を載せた歌詞にあります。

 

開口一発、J-POPとは明確に異質なヘヴィネスを感じさせるmayuの声質は、日本の歌謡曲、J-POP、ロック(ヘヴィメタルシーン)では、貴重で稀有なものであると言えるでしょう。

 

 

『歌謡曲』のワードを、HR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)リスナーは奇異に思うかもしれません。

 

実は、内藤やす子さんと葛城ユキさんの音源を聴いている最中でした。

 

日本のジャニス・ジョプリンフォロワーというと、一般的には、麻生レミさん、カルメン・マキさん、りりィ、金子マリさん、浅川マキさんあたりを指すことが多いのです。

 

しかし、私は3大和製ジェニス・ジョプリンを、いずれも歌謡曲フィールドで活躍した、内藤やす子さん、葛城ユキさん、マギー・ミネンコの3人ととらえています。

 

一部にはシンガーソングライター大友裕子さんを和製ジャニスのトップに上げる意見もあります。

 

大友裕子さんの孤高の歌唱パフォーマンスはすさまじいものがあります。

 

阿佐ヶ谷姉妹のネタで有名な「ボヘミアン」のオリジナルは実は大友裕子さん。但し大ヒットしたのは一年後にリリースされた葛城ユキ版の方。)

 

しかし、大友裕子さんをあげず、内藤やす子さん、葛城ユキさん、マギー・ミネンコの3人を上げるのは、歌謡曲としてのヒット曲、つまり大衆的な影響力からです。

 

デビュー時に近田春夫さんが『和製ジャニス』と絶賛したGLIM SPANKY(グリムスパンキー)に関しては、私は和製ジャニスと言う認識はありません。一聴して、ハスキーなLOVE PSYCHEDELICO(ラブ・サイケデリコ)と受け取りました。

 

LOVE PSYCHEDELICO(ラブ・サイケデリコ)もSuperfly(スーパーフライ)もGLIM SPANKY(グリムスパンキー)も、クラシックロック等の洋楽をベースとした非常に高度なJ-POPを演奏しており、そのサウンドはクオリティの高いものです。

 

しかし、LOVE PSYCHEDELICO(ラブ・サイケデリコ)やSuperfly(スーパーフライ)やGLIM SPANKY(グリムスパンキー)らの音楽は、日本の中学生にも好まれるように、ロックやソウル、ファンク、リズム&ブルース等のブラックミュージックが抱える負の側面をリストラ(削除)しているように聴こえるのです。

 

ロックやブラック・ミュージックが歴史的、民族的、社会階級的に抱える『毒』や『害』を除去し、日本の中学生にも安全に聴かせられるJ-POPとして再構築した音楽と言う面があるように聴こえるのです。

 

サビ抜き、アク抜きして再構築すること、それは、公共放送を含む多くのタイアップにより大量のヒット曲を生産するポップスとしては必然であり当然のことでしょう。

 

ジャニス・ジョプリンが抱える負の側面は、自己を破壊し尽し、死という終着点に追い込むほど激しいものでした。

 

ジャニス・ジョプリンの疎外感、絶望感、刹那観は、中学生にポップスとして嗜好されるには重すぎるのです。

 

 

1970年代、80年代に歌謡曲のフィールドで活躍した内藤やす子さんや葛城ユキさんは、基本的に大人のリスナーを対象としていました。

 

そのため、日本のレベルミュージック(被差別者、社会的に虐げられた立場の者の発する音楽)としての歌謡曲を土台として、ジャニス・ジョプリンの負の側面を消化し表現することが可能だったのです。

 

元LIPSTICKの強烈なハスキーボイスを個性とするボーカリストmayuの声質を活かす席は2020年代の日本のポップス界のどこにあるのか?

 

2020年代の日本の歌謡界において、1970年代、80年代の歌謡界における内藤やす子さんや葛城ユキさんのようなジャニス・ジョプリンフォロワーの歌謡曲歌手の席があるようには見えません。

 

また、サビ抜き、アク抜きして洋楽ベースのJ-POPとして再構築することは、「角を矯めて牛を殺す」、すなわちせっかくの個性を殺してしまうことになりかねません。

 

mayuが、 ヘヴィメタルグランジラウドロックを基調とするガールズメタル(嬢メタル)バンドNEMOPHILAのボーカリストとして活路を見出したのは必然性があると感じます。

 

 

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◆(↑)NEMOPHILAバンドメンバー。左から右へ、葉月(Gt.)、ハラグチサン(Ba.)、mayu(Vo.)、ちゃっきーことSAKI(Gt.)、むらたたむ(Ds.)。

 

◆【LIVE】NEMOPHILA/Life

https://www.youtube.com/watch?v=HFnEYhbEAqg

 

◆IRON MAIDEN(アイアン・メイデン)の「The Trooper」をバンドで演奏してみた♪

https://www.youtube.com/watch?v=4qkLz0N_L6c

 

◆KABAYA 1st solo Album『Greed In Cave』Trailer 
    05:05~「Anemone」Featuring mayu

カレーが評判の埼玉県西川口のライブハウス「Hearts」をホームとする令和の歌謡ハードロックバンドVELATRIAのイケメンで昭和歌謡曲をこよなく愛する凄腕ギタリストKABAYAはNEMOPHILAのmayuとは専門学校時代からの盟友。

KABAYA得意の泣きのマイナーメロディ―に乗ってこぶしを回して歌うmayuは歌謡曲を意識しているようにも聴こえます。

 

「♪ 砕けた硝子  反射する光  またあの日の傷をえぐる ♪」

「♪ 拭えない想い  胸にしまい込んで  溢れる涙  こぼれ落ちる ♪」

 

『傷をえぐる』!『こぼれ落ちる涙』!

mayuによる紋切り型の演歌の世界観に通じるパワーワードも、昭和歌謡曲、演歌ロックっぽい雰囲気を出せているんじゃないでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=9wS_o4LdGPw

 

◆Rod Stewart(ロッド・スチュワート) - Hot Legs(ホット・レッグス)

オリジナル音源でぶっといベースを弾いているのはジェフ・ベックグループからの盟友フィル・チェン。

https://www.youtube.com/watch?v=AHcjjxYbgNM

 

◆Bonnie Tyler(ボニー・タイラー) - Holding Out For A Hero [Top Of The Pops 1985]

葛城ユキさんと言えばボニー・タイラー。

https://www.youtube.com/watch?v=vA48rDXh1_4

 

◆Tom Jones & Janis Joplin - Raise Your Hand - This is Tom Jones TV Show

https://www.youtube.com/watch?v=mZmiefQ5y4U

 

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