ここのところ、原田知世さんの『Summer breesze』を聴いています。
GONTIITIのボサノバアレンジのギターで原田知世さんがポップスのスタンダードナンバーを歌うわけですから悪いわけがありません。
音程が怪しい(?)のが魅力の80年代アイドル時代の原田知世さんのファンとしては『Summer breesze』の知世さんのボーカルの技術には驚くばかりです。英語の発音も完璧。
「君の友だち」(You've Got a Friend)、NHKラジオ放送の『エターナル ナンバーズ』でも番組主題歌としてキャロル・キングのオリジナルバージョンが毎日かかっているポップスの名曲。
この曲には強い思い出があります。
ドキュメンタリー映画『カンボジアの失われたロックンロール』で非常に重要な意味を持つ演出に使われているのです。
使われているのはジェームス・テイラーの大ヒットバージョンとカンボジアの女性歌手Pou Vannaryのバージョン。
アメリカの支援を受け成立したカンボジアの親米政権『クメール共和国』で病身だった大統領ロン・ノルを補佐したのが元首相のシリク・マタクとロン・ノルの弟のロン・ボレトらでした。
マタクらは、首都プノンペンが内戦相手のクメール・ルージュ(ポル・ポト派)によって陥落させられる直前、アメリカが勧めてきた国外脱出の助言を断り、クメール・ルージュにより処刑されます。
プノンペン陥落の6時間前にアメリカ大使館に届いたというマタクのアメリカへの決別の手紙の一節。
『私が犯した最大の間違いは、あなた方アメリカを友人と信じたことだ。』
マタクらクメール共和国幹部の処刑のナレーションの背景に流れる「You've Got A Friend(君の友だち)」。
Pou Vannaryはカンボジアの多くの芸能人同様、クメール・ルージュ体制の下で行方不明になりました。
◆James Taylor - You've Got a Friend (from Squibnocket)
https://www.youtube.com/watch?v=0LfdBaFULBo