第31回東京国際映画祭で観たドキュメンタリー映画『カンボジアの失われたロックンロール』に衝撃と感銘を受け、たびたびブログを書いてきました。
20世紀後半のインドシナ半島を舞台にしたフィクション、ドキュメンタリー映画は数多く制作され、ベトナム戦争を扱ったもの、カンボジアのポルポト政権時代(クメール・ルージュ)を扱ったもの、それぞれジャンルとして成立しています。
ポピュラー音楽のファンとして、ロックやブラックミュージック等のポピュラー音楽をテーマ・モチーフとした映画を多く観てきましたが、音楽映画のカテゴリでも、『カンボジアの失われたロックンロール』が一番衝撃を受けた作品です。
しかしながら、最近、『カンボジアの失われたロックンロール』のようなハードな衝撃ではなくて、愉しい衝撃を受けた方のカンボジアの音楽家がいます。
តន់ ចន្ទសីម៉ា (Ton Chan Seyma)という女性シンガーのMVです・・・。
「ស្នេហាក្រឡាប់ចាក់」、このMV、東アジア(日本、韓国)のアイドルカルチャーを、パロディあるいはオマージュして採り入れています。
バックダンサーの男女に東アジア(日本、韓国)風の制服調コスプレをさせているのです。
この、「ちょっと東アジア風で味付けしてみる?」というカンボジア×東アジアのミックス感がユニーク。
ユニークなカルチャーミックス感、圧倒的な多作、つまりパワーと勢い。
問題のユニークなMVも大道具としてのスーパーカーの扱い、ヒップホップカルチャー経由なのでしょう。日本の高度成長期(1970年代)みたいな点もありますし、違うMVにはロールスロイスあるいはベントレー?まで登場。
ヒカリモノ、ハヤリモノなら何でも採り入れるみたいなこのギラギラした上昇志向は、いまどきの日本にはもはや存在しないかも・・・。
◆ស្នេហាក្រឡាប់ចាក់ | តន់ ចន្ទសីម៉ា [ OFFICIAL MV
問題のMV。わけのわからないパワーを感じる。
https://www.youtube.com/watch?v=d9eHpiKa1SM
◆សាច់ដុំ | Sach Dom - តន់ ចន្ទសីម៉ា [ OFFICIAL LYRIC VIDEO ]
この車、チューナー/コーチビルダーが改造したアノ車種に見えますが・・・。
https://www.youtube.com/watch?v=3wp_xch4ncQ
◆តន់ ចន្ទសីម៉ា - អរគុណធនាគារ [ OFFICIAL VIDEO ]
めちゃくちゃ多作ですよね。パワフル!
https://www.youtube.com/watch?v=b1DEo7ROMo4
◆ឡានសារ៉ែន - តន់ ចន្ទសីម៉ា [ MV ]
ポルシェも出てきます。何千万円級の車種を大道具に使いますね。ブルピン(BLACKPINK)あたりの影響の吸収も感じるMV。
https://www.youtube.com/watch?v=6-TauPco_3g
◆ឡានសារ៉ែន - តន់ ចន្ទសីម៉ា Dance Version1
高級車×東アジア風コスプレ
https://www.youtube.com/watch?v=ECLR-5yDyoM
◆Remix ឡានសារ៉ែន [ ផលិតកម្ម Galaxy ឡេង ណាវ៉ាត្រា ]
K-POPガールクラッシュ風でもあり、90年代日本のコギャル文化風でもあり・・・何と評すればよいのか?
https://www.youtube.com/watch?v=A9uHUoBqjZg
『カンボジアの失われたロックンロール』と同じく第31回東京国際映画祭で上映された『In The Life of Music』は、2020年7月から一般上映されます。