新潟市を拠点とするAKB48の姉妹グループNGT48に関する事件報道は、2019年1月の中旬より全国的な社会的関心事へと拡大しています。日本のアイドル・芸能人に関心の高いアジア各国、また自国にAKB48の海外姉妹グループが存在する国等でも大きく報道されています。
NGT48事件報道に関して、様々な立場の方達がコメントしています。中には必ずしも的を得ていないような意見もあるように見えます。
様々なメディアの報道の中で、こと日本の女性アイドルについてはかなり的確だと感じるのが、WEBメディア『財経新聞』の芸能ニュースです。
『財経新聞』は、ネーミングのとおり経済、産業系のコンテンツを得意とするWEBサイトです。そして、ここで執筆されているペンネーム『潜水亭沈没』さんという方のアイドルに関するテキストのクオリティが高いのです。
日本のアイドルについて、AKB48グループについて、そして現在報道が過熱しているNGT48で起こった問題について等に関する潜水亭沈没さんの主張は記事一覧にあります。文末にリンクを記載しますので、ご関心を持たれた方はご一読ください。
ここでは、なぜ、『潜水亭沈没』さんの日本のアイドルについての言及がクオリティが高いと判断できるのかについての理由について述べます。
クオリティが高いというのは、本質、真実をついている、そして踏まえており、そのことを前提とした前向きの提言になっているということです。
なぜ、『潜水亭沈没』さんのアイドルに対する分析・文章が優れているかの理由として抽出した要素は、以下の3点です。
理由1.複数の(多面的な)視点からアプローチしていること
理由2.言及・分析する対象=日本のアイドルに対する知識・情報量が豊富で抜きんでていること
理由3.理由1.理由2.を基に、言及対象=各アイドルグループの創立の理念や理想、そして構成員一人ひとりの幸福と成功の実現を願う立場から提言していること
以下、上の3つの理由について個別に内容を補足していきます。
理由1.多面的な視点からのアプローチ
まず、理由1.についてです。
複数の視点というのは、例えば、アイドル事業の戦略や人事や収益(計数)等の俯瞰(鳥瞰)的に上から全体を見渡す視点と、個々のメンバーや一個人の視点の足元に立つ双方の視点を持ち、両者を自在に行き来できるということです。
また、世の中、社会というものは、政治、経済、産業、安全保障、外交等々様々なメインシステムの組み合わせにより成り立っています。
文化・芸能・エンターテインメントの一部であるアイドルグループという存在も、社会を構成するシステムの一つです。経済や産業等との対比においては、『サブシステム』という位置付けになるかもしれません。
サブシステムとしてのアイドルグループの視点と大きなメインシステムの視点間も自在に行き来できているように見えます。
理由2.対象に関する豊富な知識・情報量
次に、理由2.についてです。
コンサルタント業を行っている方の多くは、その業界出身者であることが多いものです。
ITならIT業界出身、流通なら流通業界出身、食品業界なら食品業界出身という風に。
『潜水亭沈没』さんは、どのような経歴でアイドルに対する豊富な知識を獲得したのでしょうか。
二桁の記事を読んで推測したのは、『潜水亭沈没』さんは、AKB48創設時(2005年)からの熱心なファンであっただろうということです。
また、おニャン子クラブや1970年代のアイドル等AKB48前史のアイドルについても遡って知識を持っていることです。
そしてAKB48が影響を与えた2000年代以降の日本のアイドルの状況について注視を続けてきています。
このように熱心なアイドルファン歴によって、判断の前提となるアイドルに関する知識と情報を得ていると推測しました。
音楽について直接言及している記事はまだ遭遇していません。
ただ、楽器歴(ホルン、トランペット、サックス、ベース)、演奏歴から、楽譜が読めるであろうこと、編曲・作曲等についての音楽的知識があるであろうことが推測されます。
→(2019.1.21)修正します。同一ハンドルネームを使われている別な方の情報との指摘をいただきました。
理由3.護り受け継ぐべき価値観に基づく判断・提言
最後に、理由3.についてです。
『潜水亭沈没』さんは、日本のアイドルについて、充分な知識・情報を基に(理由2.)、有効な切り口で(理由1.)、分析することができます。
そして、次が一番大事な、判断(意思決定)です。
ここで、『潜水亭沈没』さんは、『価値観』に基づく判断、決定をしていることが特徴であり、重要なところです。
私は『潜水亭沈没』さんは、AKB48の発祥時からの古参ヲタなのではないかと推測したのですが、いくつかの記事で『潜水亭沈没』さんは、「AKB48のグループ創立当時の考えに立ち返ると〇〇だ。〇〇すべきだ。」という趣旨の言い方をしています。
会社で言うと、『創業の理念』のようなものです。
また、アイドルグループのメンバー一人ひとりに焦点を当てた文章では、グループ在籍時と卒業後の成功や幸せの実現のためにはどうしたらよいかという観点で言及しています。
これらは、集団やグループが従うべき『価値観』に注目しそれに基づいて判断しているということです。
この反対が、「ノルマや高順位の数字達成や品質の基準値を(形だけ)満たしていればいいんだろう」という判断基準です。
問題を起こす組織や集団には、「形だけ数字や基準を満たしていればいいんだろ」という考え方や、さらには「ゴマカシて、数字や基準を満たしていることにしてしまう」(偽装・隠蔽)というような文化が蔓延していることがしばしばあります。
『潜水亭沈没』さんのアイドルに対する意見・提言には、現状のシステムに対する批判であったり改善を提言するものもあります。
しかし、基本的に、現代のアイドルグループの隆盛が起こった頃の個々のグループがよって立つ理念に立ち返って、価値観に基づいて判断し、一人ひとりの成功、幸せの実現を願うという姿勢が一貫しているので、説得力を持つように思います。
ありがたい記事ですね。よろしくお願いします。
— 潜水亭沈没@雑文屋 (@zaikeinoginogi) January 20, 2019
ホルンは吹いていませんけど(笑)。 https://t.co/7rQnWenA1P
アイドル業界の危機管理体制はどうなっているのか? | 財経新聞 https://t.co/0bhufyUySy
— 潜水亭沈没@雑文屋 (@zaikeinoginogi) January 20, 2019
こちらの記事、書かせていただきました。
◇『TOKYO IDOL FESTIVAL in BANGKOK COMIC CON』でのフォト
3枚目はBNK48のチャープランとNGT48の山口真帆さんの2ショット。
<参考>
◇FEVER 「Start Again」
タイ・バンコクの新進気鋭の”欅坂46インスパイア系”女性アイドルグループ『FEVER』。演奏陣には、Plastic PlasticのPokpong Jitdeeさんはじめ、タイのインディーロック界のそうそうたるメンバーが参加しています。日本のアイドルカルチャーはこのように海外のロック界にも影響を与えています。
https://www.youtube.com/watch?v=3gRD_7lsJWU
◇Plastic Plastic 「Girls Don't Cry」
タイのナワポン・
https://www.youtube.com/watch?v=px5_Z9gBRT4
◇AKB48グループの『選抜システム』に焦点を当てたドキュメンタリー映画『Girls Don't Cry』について