夕方、マクドナルドに寄っていたところ、あとからすぐ隣の席に女子高校生二人組が座り、年末年始のジャニーズ関連のイベントについて熱心に打ち合わせを始めました。
聞き耳を立てるつもりは全くなかったのですが、勢いよく打ち合わせをされており聞こえてきてしまいます。
彼女たち(お二人)は、ジャニーズのタレントの中でも特にキンプリ(KIng & Prince)のファンということでした。そして、ライブの申込み(当選確率)やら出待ちやら云々と熱心に打ち合わせをされています。そのうち、クラスの○○ちゃんと□□ちゃんが、(11月)13日(東京ドーム)のバンタン(BTS、防弾少年団)に行ったという話題になって、そのあとまたすぐジャニーズの本題に戻りました。
なるほど、やはりバンタン(BTS、防弾少年団)は10代の女性には人気が高そうですね。すくなくとも彼女たちの同級生のうち2人は熾烈な倍率を突破して東京ドームにBTSを見に行き、例のアンコール後のジミンの涙の謝罪を実際に目にしています。
□広島県竜王山から臨む多島美( 写真提供:広島県 https://www.hiroshima-kankou.com/ )
ロバート・ワイアット(ex.ソフト・マシーン)は、カンタベリーロック(イギリス、カンタベリー地方出身のミュージシャンによるプログレッシブロック)を代表するミュージシャンです。
ロバート・ワイアットの「シップビルディング」は、ロックを代表する名曲であり、反戦歌でもあると受け止められています。
「シップビルディング」は、軍港と造船産業でかつて栄えたものの、今はさびれ、不景気と失業にあえぐ街を舞台に歌われています。
『遠い国で戦争が起こった』ことによって、再び、造船産業と街と家庭に明るい陽がともるという戦争ケインズ経済について歌われた曲です。
楽曲「シップビルディング」のモデルは、1982年の3月から同年6月まで、イギリスとアルゼンチンの間で争われた『フォークランド紛争』だと言われています。
フォークランド諸島のイギリス領サウス・ジョージア島の領有をめぐって起こった軍事衝突が『フォークランド紛争』です。
『フォークランド諸島』、『フォークランド紛争』というのは、いずれもイギリスとイギリスを支援した西側諸国から見た呼び名であり、アルゼンチン、ラテン・アメリカ側は、『マルビナス諸島』、『マルビナス戦争』と呼んでいます。
軍事衝突、戦争が当事国、関係国によって呼び名も視方も違う、こういった例は、実は世界中にあります。
1939年に満州国とモンゴル人民共和国間で国境を巡って起こった軍事衝突は、日本側は『ノモンハン事件』、モンゴル側は『ハルハ河戦争』とそれぞれ呼んでいます。
呼び方の違いは、当事国の間の認識の違いを表しています。
2018年の11月に日本と韓国の間で大きな問題となった、バンタン(BTS、防弾少年団)の原爆Tシャツ問題、TWICEの原爆サブリミナル動画等の問題について、ロバート・ワイアット「シップビルディング」をもとに考察したいとふと考えていたのですが、なかなかにへヴィな問題なので踏み込んではいません。
イギリスのプログレッシブロックの話題に戻ります。
ロバート・ワイアットやケヴィン・エアーズ と並ぶカンタベリー・ロックを代表するミュージシャンが、デイヴ・シンクレア(デヴィッド・シンクレア)です。(海外の方の敬称略)
(デイヴ・シンクレアとロバート・ワイアットが1971年から1972年にかけて組んでいたバンドがマッチング・モール)
そのデイヴ・シンクレアさんは、現在、愛媛県北東部の瀬戸内海、芸予諸島上島諸島の上島町・弓削島に住まわれています。
そして、瀬戸内、しまなみ海道の地元に根差した音楽活動等もされています。
◇STU48「瀬戸内の声」
瀬戸内海沿岸には、軍港として栄えた呉(戦艦大和の母港でもありました)はじめアジア有数の造船産業の集積地として栄えた港と街が数多くあります。
STU48はAKB48グループの姉妹グループで、瀬戸内7県(広島県・山口県・岡山県・香川県・愛媛県・徳島県・兵庫県)を拠点としています。STU48の船上劇場である『STU48号』は、2019年進水に向け現在作業が進行中です。
芸能と滞在型観光をリンクした地域経済振興に向けたシップビルディングですね。
『Diving for dear life When we could be diving for pearls』(ロバート・ワイアット「シップビルディング」歌詞の一部)のコンセプトともマッチしているような気がします。
瀬戸内の海と島々の景色はプログレのバラードに似合います。
◇デイヴ・シンクレア『アウト・オブ・シンク』 トレーラー
弓削島がテーマの「アイランド・オブ・ドリームス」、故ケヴィン・エアーズ に捧げた「Rings Around The Moon」等全9曲を収録。このメロディ、歌声を聴いてほしい!
◇Caravan(キャラヴァン)「ウィンター・ワイン」
<参考>記者がロックとプログレについて熟知していることがわかる素晴らしい愛媛新聞の新聞記事(デイヴ・シンクレア『アウト・オブ・シンク』報道)