SY51(ソメイヨシノ51)の元メンバーEYE(アーイ)は「ラストアイドル・タイランド」第8回で暫定メンバーのシーモンに挑戦し敗れました。
感じたことは、トップクラスのアイドルといえども、1年2か月あまりのブランクは大きいということです。EYEは2019年当時、人気絶頂のBNK48を追う2番手に位置するアイドルグループだったSY51の中で人気、実力ともにトップクラスのメンバーだったのですが。
一方、挑戦を受ける立場のラストアイドル・タイランドの暫定メンバー、シーモンは、毎週、誰から挑戦されるかわからない状況の中を勝ち残ってきているわけですから現役感と緊張感が全く違います。
そして、選曲は大きい。EYEはロック畑の審査員にはアピールしにくいカントリーポップ調の曲を選曲したのです。EYEが選んだ曲は、タイポップスの草分け的ヒット曲ともいえるカントリー調のChatreeの「รักครั้งแรก」でした。
SY51に強いインパクトを受けたのは、1970年代前半のポール・マッカートニー&ウィングスを思わせるパワーポップ、ポップロックの音楽性に合わせ、ダイナミックなダンスと生歌を合わせるというパフォーマンスを見たことでした。
こんなパフォーマンスを16人もの大人数で行うグループは他にありません。
コニー・フランシスやロネッツやシュレルズなどのロックンロールアイドルの現在形、発展形ではないかと感じたのです。
そのため、SY51のライブでは斬り込み隊長としてステージを盛り上げていたEYEにはにぎやかで明るいロック(ロックンロール、パワーポップ)のイメージを持っていました。
しかし、EYEがラストアイドル・タイランドの挑戦に選んだカントリー調の「รักครั้งแรก」も、楽曲に合わせ素朴なカントリーガールを意図したであろう垢ぬけない衣装も、EYEにとって必然性があるものだったと感じるのです。
EYEは、毎月のようにチェンマイから人気アイドルグループのメンバーとしてバンコクへ飛行機で出稼ぎに行き、華やかなアイドルとして脚光を浴びる生活から、グループを卒業して芸能生活を離れ、コロナ禍でチェンマイに籠もる生活を送ったはずです。
コロナ禍で引きこもり、自分を見つめ直す生活を送る中で、必然として選曲されたのがChatreeの「รักครั้งแรก」だったのではないでしょうか。
EYEは暫定メンバーのシーモンに挑戦して、敗れ、悔し涙を流します。
この時、「あぁ、1年前までトップアイドルだったカンが戻ったな」と直感しました。
1年2か月あまりのブランクを経て、サバイバル・オーディション番組に挑戦することにより、現役とのギャップを痛感し、アイドルとして再生し復活するプロセスを目の当たりにしたと感じたのです。
その後、敗者復活企画の配信で見たEYEは明らかに覚醒していました。表情はシャープになり、アイドルのカンを取り戻し、アイドルが発するオーラを取り戻していました。
ラストアイドル・タイランドの挑戦者達は、日本版ラストアイドルと同じく敗者復活型のユニットに編成されることが発表されました。
元SY51組の3人はそれぞれ、EYEがSomeday、CentreがHoshizora Sisters、NallがEGAOのメンバーとなったのです。
35:30~Somedayのメンバー紹介と楽曲「Again & again」のパフォーマンス
https://www.youtube.com/watch?v=ewz_UWWzgYM