(2021.7.11更新)
- 新ガールズメタルバンド「PARADOXX(パラドックス)」を率いるギタリストKAOЯIさんのキャリア
- 6月30日、新ガールズメタルバンド「PARADOXX(パラドックス)」デビュー!
- PARADOXX(パラドックス)の音楽性は?
- なぜ「PARADOXX(パラドックス)」はBAND-MAIDにはないLOVEBITESやNEMOPHILAのライバルになれる資格があるのか?
- 新ガールズメタルバンドのシンデレラストーリーを応援したい!
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新ガールズメタルバンド「PARADOXX(パラドックス)」を率いるギタリストKAOЯIさんのキャリア
東京都内のライブハウスをベースに活動していたLiquid NOISE(リキッド・ノイズ)、そしてGEL(ゲル)をギター・ボーカルとして率いたKAOЯI(当時のアーティスト名は比内香織)さんが新たなバンドを組んだ!
KAOЯIさんは、白のワーロックがトレードマーク。メンバーチェンジを経て2013年からベースの恵さん、ドラムスの幸奈さんとのトリオ編成で固定したLiquid NOISEをギター・ボーカルとして率いていました。そしてLiquid NOISEは2015年2月、後述のライブイベント「WOMAN'S POWER」でのライブを最後に解散。
その後2016年1月に、ベースの”栃木のマドンナ”こと藤咲恵里佳さん、腕っこきドラマーの三輪昭徳さんと、GEL(ゲル)を結成。同年5月にベースの藤咲恵里佳さんが脱退した後は、ギターとして加入した新メンバーの美七海(みなみ)さん(元スサノオ)と比内香織さんの二人をフューチャーし活動していました。
GELは、一時活動休止を経て、2017年8月に、ベースに平成の川島芳子?男装の麗人イメージのAvi(アヴィ)さん、ドラムスにZenちゃんこと笠波つばさ(あおいつばさ)さん(元激情★めたりっちぇ)を迎え、極め付き個性的な4人組のラウド系ガールズバンドとして再編されます。そして、GELはライブハウスシーンで積極的に活躍していたものの2018年8月末を持って無期限活動休止しました。
バイク乗りでオートバイ雑誌のグラビアにも載ったこともあるKAOЯIさんは、やんちゃさと愛嬌、カリスマ性を兼ね備えたロッカーです。
現在、”栃木のマドンナ”こと藤咲恵里佳さんは、ガールズメタルバンドPinkish Crown(ピンキッシュクラウン)のメンバーとして、また、日本の嬢メタルシーンの草分けにして最重要バンドであるDESTROSEの元リーダーのMina隊長が率いるガールズ・スチーム・メタル楽団FATE GEARのレギュラーメンバーのベーシスト”Erika”として活躍しています。(2021年7月、5年間にわたりベースポジションのレギュラーメンバーを務めたErikaさんがFATE GEARを外れ、新たに元ArkRoyalのNINOさんがプロジェクトメンバーとなることが発表されました。)
ドラマーの”Zenちゃん”ことあおいつばささんは、ベースのやがわいちるさん(元浮遊スル猫)との2ピースバンドVelka(ヴェルカ)、VelkaとIRIS MONDO(アイリスモンド)との期間限定合体バンドである362(さんろくに)等で活躍中です。
6月30日、新ガールズメタルバンド「PARADOXX(パラドックス)」デビュー!
KAOЯIさんは、2021年4月1日、新バンドを発足することを発表。一週間毎にバンドメンバーが発表され、専任ボーカリスト、ツインギター、ベースとドラムスの5人編成で、自身の表記を”KAOЯI”とするとし、5月6日にはPARADOXX(パラドックス)のバンド名が明らかにされました。
無期限活動休止中のGELの帰りを待ってくれてた人には、違った形でのスタートのお知らせとなりました!
— KAOЯI【PARADOXX📢6/30 CD発売】 (@kaori_warlock) 2021年5月2日
GELが止まってから現在に至るまで色々な事があり、沢山悩んだ上での結果です!
新しいバンドでは、ギターという新たなポジションで世界を広げられればと思うので、応援してくれる人はよろしくね! pic.twitter.com/MWya9C6Bjz
もう一人のギタリストはポップ系ガールズバンドのキャンディホリックを昨年12月に卒業したMaikoさん。キャンディホリックはアニメに親和性の高いポップでアイドル性も高いガールズバンドでした。
MaikoさんはYouTube個人チャンネルで、オジー・オズボーン(ランディ―・ローズ)、ディープ・パープル、アイアン・メイデン、プリティメイズ/フィル・ライノット+ジョン・サイクス/ブルー・マーダー(「Please don't leave me」)、MR.BIG等のギターカバーを発表しており、オールドスクールHR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)志向が強いギタリストであることがわかります。
MaikoさんはNaturalNine、中央線ガールズのメンバーとしても活躍していました。
他の3人のメンバーは、ボーカルがAMANEさん、ベースが陽奈(はるな)さん、ドラムスがSHONOさん。
残念ながらご三方については”ガールズバンド界隈”でのキャリアを把握していないので、2021年6月20日発売の「BURRN! 臨時増刊『METALLION VOL.71』ガールズ・メタル特集号」の情報を待ちたいと思います。
・PARADOXXのメンバー:左からKAOЯI(Gt.)、陽奈(Ba.)、AMANE(Vo.)SHONO(Ds.)、Maiko(Gt.)
PARADOXX(パラドックス)の音楽性は?
PARADOXX(パラドックス)のデビューシングル「Athena / Break away」のトレーラーを聴くと、典型的なハイトーンボーカルをフィーチャーしたメロスピ、パワーメタル。
Liquid NOISE(リキッド・ノイズ)やGEL(ゲル)が志向していたオルタナティブ・メタル、ニューメタルの方向性とは異なります。何と言ってもグロウル、デスボイスとクリーンボーカルを使い分けていたKAOЯIさんはギタリストとしての参加です。
今後、KAOЯIさんがツインボーカルやグロウルを聴かせるニュー・メタル風味のレパートリーが存在する可能性もあるかどうかはわかりません。
今後の音楽性は国内外の市場・ファンのニーズ次第ではないでしょうか。デビューシングルは手堅く嬢メタルの保守本流のメロスピ、メロパワで来たということでしょう。
なぜ「PARADOXX(パラドックス)」はBAND-MAIDにはないLOVEBITESやNEMOPHILAのライバルになれる資格があるのか?
先日、「LOVEBITESとBAND-MAIDはライバルではない」という趣旨の記事を書きましたが、これは演芸に例えると落語(噺家)と漫才(お笑い芸人)の違いのようなものです。育ってきた土俵が違うのです。
「土俵」の違いとは、ライブハウスシーンで活躍するガールズバンド、嬢メタルには「界隈」が存在し、いわゆる「吉祥寺、巣鴨界隈」と「渋谷界隈」には「土俵の相違」があるように見えるのです。
演芸の世界なら、噺家とお笑い芸人はホーム(土俵)は違えど、テレビやラジオのバラエティ番組やワイドショー、イベント等でのMC仕事等の分野では、お茶の間から見たライバルになることがあります。
LOVEBITESとBAND-MAIDも、ホールクラスのロックバンドとしてライバル視することは間違っているわけではありません。
「なんのこっちゃわからん」と感じられると思いますのでもう少し背景を。
新「嬢メタルバンド」PARADOXX(パラドックス)は、日本のガールズメタル(嬢メタル)シーンの源流であるDESTROSEが所属したレーベル、マネージメントである「フライングキャット」からデビューするバンドなのです。
フライングキャットは、1970年代の日本のロックのパイオニア期からカメラマン、音楽プロデューサー、メディア、レーベル・イベントマネジメント等で活躍してきた水津宏さんの会社。
フライングキャットは日本の女性ロックミュージシャン、ガールズバンドシーンを盛り上げる趣旨で、1991年から、ライブイベント『WOMEN'S POWER』を、春と夏それぞれ東京、大阪のライブハウスにおいて、および年末の特別会を渋谷のO-EAST、O-WEST、O-CREST等で開催してきました。
『WOMEN'S POWER』には、SHOW-YA、元PRINCESS PRINCESSのメンバーの渡辺敦子さんと富田京子さん、Aldious、BABYMETAL、Cyntia、DESTROSE、Disqualia、LOVEBITES等が出演していきました。このイベントを通して日本の女流ロックミュージシャンの「横のつながり」が培われてきたことが想像できます。
現在、日本のガールズメタルで人気トップのLOVEBITES(ベースのmihoとドラムスのharuna)やNEMOPHILA(ギターのちゃっきーことSAKI)は、いずれもDESTROSEの元メンバーがメンバーとして活躍しているバンドです。
PARADOXX(パラドックス)の6月30日発売のデビューシングル「Athena / Break away」がいきなり全国流通に乗り、同日発売の「BURRN! 臨時増刊『METALLION VOL.71』ガールズ・メタル特集号」の誌面を飾るのはこういった背景があるからなのです。
新ガールズメタルバンドのシンデレラストーリーを応援したい!
「PARADOXX(パラドックス)はフライングキャットが手掛ける最後のガールズバンドになるかもしれない」という印象から、何はともあれ新バンドを応援しようという機運も一部(?)にはあるようです。
PARADOXX(パラドックス)のメンバーはいずれも実力を見込まれてバンドを結成したのでしょう。しかし、メンバー個々人は、今までは知る人ぞ知る「界隈」での人気者ではあっても、全国区で華やかに脚光を浴びる大成功を収めたといえるわけではありません。
PARADOXX(パラドックス)のデビュー、ガールズメタル(嬢メタル)、ガールズバンドのシンデレラストーリーを期待したいと思います。
◆PARADOXX「Athena / Break away」試聴トレーラー
https://www.youtube.com/watch?v=2ZB2snPSt6s
📢📢📢本日⚡️⚡️⚡️
— KAOЯI【PARADOXX📢6/30 CD発売】 (@kaori_warlock) 2021年6月17日
📢📢📢 18:00〜⚡️⚡️⚡️
ついにチケットが予約開始!!!
7/10はPARADOXXの始動LIVEとなります!
先着30人なので限りがありますが、7/10可能な方は、是非目黒LIVE STATIONでお会いしましょう🐥✌️✨
🎫ご予約方法などの詳細は@info_PARADOXX にてCheck!! pic.twitter.com/iaeXaj6m4x
2021年7月10日のPARADOXXのお披露目ライブにはLOVEBITESのリーダーのmihoさんも駆け付けています。mihoさんが女性だけのバンドを組むきっかけとなったKAOЯIさんの前のバンドとは時期的にLiquid NOISEかもしれません。
今日は前バンドで所属していたFlying Cat社長水津氏の生誕ライブに目黒Live Stationへ。PRADOXX @info_PARADOXX の初Live凄くよかった… GtのKAOЯIちゃんと📷
— Rosana:miho@LOVEBITES (@miho_dotdotdot) 2021年7月10日
以前KAOЯIちゃんの昔のバンド見に行って、凄くかっこよかったのが私が女性だけのバンドやりたいと思ったきっかけ。これからも応援してます✨ pic.twitter.com/X2gmPr2w95
<2023年2月22日追記>
PARADOXXのドラマーSHONOは2022W杯運営FIFAのオフィシャル動画に写りこんだ数秒間が世界的にバズり日本でのサッカータレントとしての仕事が急増、バンドの知名度向上に貢献しました。
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