LIPTAはタイポップシーンで2004年から活動を続けているテーンとカットのベテランデュオ。
都会的でオシャレな系統の音楽性で長く支持されている背景(厨房)には、LIPTAのその時々の流行や嗜好への敏感な目配せがあるのかもしれません。
客演相手であるとか、MVに起用する俳優さんの『人事』もLIPTAのビジネスとしての一環でしょう。
例えば、このLazyloxyをフィーチャリングした2019年2月発表楽曲のMVでは、当時まだ人気ピークの勢いが持続していたアイドルグループBNK48第二期生のJunéを起用し話題となりました。
◆อยากมีเเฟนเเล้ว - Lipta Feat. Lazyloxy [Official MV]
https://www.youtube.com/watch?v=4PCJQiLw7oE
この2017年8月に発表したThe Toysをフィーチャリングした曲のMVに起用している俳優は、タイ発のAKB48姉妹グループBNK48の一期生オーディションに合格したものの辞退し、当時はCAとして働いていたBEAMBEAM。BEAMBEAMはその後CAと兼業で人気アイドルグループFEVERのメンバーになります。
◆Lipta feat.The Toys - BAD LUCK [ Official MV ]
https://www.youtube.com/watch?v=9zSKIDtyv4E
ライフスタイル含む流行への目配せ、主演俳優の話題性等、さすがに長くオシャレな音楽をやっているだけに抜け目がありません。
タイのポップアーティストらしく、LIPTAも多作でなおかつ質も伴っており、2020年も複数のMVを発表しています。
少し前(2020年4月)に発表した楽曲では若手ラッパーのNICECNXをフィーチャリングしているのですが、トラックがクリストファー・クロス風!
もちろん、古今東西のオシャレな都会的なポップミュージックに精通しているLIPTAのことですから確信犯でやっているわけです。
コワモテで突っ張っているイメージもある若手ラッパーに、あえて80'sソフト&メロウなAOR曲をあてがい、甘くメロウな魅力を引き出すLIPTAのプロの技が冴えます。
もちろん、トラック(音楽)は、クリストファー・クロスそのものというわけでなく、ロビー・デュプリーでもポール・デイヴィスでもボビー・コールドウェルでもデイヴィッド・パックでも・・・構わないのです。
日本にAORというカテゴリを紹介し定着させた田中康夫先生のレコードガイド小説・エッセイに紹介されているタイプのAORシンガーなら誰でも良いかも・・・しれません。みんなクオリティ高いですから。
要は2020年のそういう感触の音楽。
◆ไม่ได้เจอกันมาตั้งนาน - LIPTA Feat. NICECNX [Official Lyrics VDO]
https://www.youtube.com/watch?v=KDmhJgpHW-Y
◆Christopher Cross- Never Be The Same- lyric video
https://www.youtube.com/watch?v=wfjec4G26is
◆ROOFTOP - คนเราจะแอบรักใครสักคนได้นานแค่ไหน (feat. AUTTA) | (OFFICIAL MV)
こういう系統の曲調はタイポップの独断場ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gDTDFz0PL78
広島のガールズバンド、PERO。音楽性は光るものがあるバンドだっただけに活動休止(実質的な解散)発表は残念!日本勢でこの系統のブラックミュージック、R&B、AOR等を消化した邦ロックを演奏できる希少なガールズバンドでした。タイのCat.Expo出演あたりを目指して欲しかった!
◆ペロペロしてやりたいわズ。(PEROに改名) 『high wave』 Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=gj9RJRkq-gw