いつの時代でも、若手俳優さんやモデルさんが聴く音楽は、次の流行を先取りした最先端のそれです。
Suchmos(サチモス)にもKing Gnu(キングヌー)にも、それこそ古のピチカート・ファイヴ(PIZZICATO FIVE)にもミスチル(Mr.Children)にも、その初期には流行に敏感なアーリー・アダプターに支持される時期があったのです。
大ヒット後はJ-POPのど真ん中と受け止められ続けているミスチル(Mr.Children)は、初期の頃はUKネオアコ系とも解されていました。
女優でシンガーソングライターの藤原さくらさんは、お友達(業界の方の可能性が高いでしょう)から、「ねぇさくら、yonawo知ってる?福岡出身のバンドなんだけど」との連絡に、「もちろん知ってるわ、最近のお気に入りなの」と話されたといいます。
そして、ご自身がパーソナリティを務めるFMラジオ番組でyonawoの「トキメキ」をオンエアされました。すなわちyonawoはKing Gnu(キングヌー)やヒゲダン(Official髭男dism)の次を期待されるバンドであるのでしょう。
yonawoと同時代、同世代?ならではの音楽性のリンクがあるのかどうか私に判別できるものではありませんが、ミレニアル世代、Z世代に向けたポップミュージックの観点から、タイのインディーズデュオDeptに要注目!。
適度にファンキーだったりチルだったり、現代を感じさせる音を出しているデュオで、2020年4月に発表したMVが「Let’s Cry」。
おおよそサブカルチャーとしてのロック音楽からの産業社会批判などというものは、それこそビートルズやピンクフロイド等の古典の時代から繰り返されてきたテーマです。
クラフトワークやDEVOやOMDやソフトセル等のシンセポップやテクノやインダストリアルのルーツ音楽等は電子技術を逆手にとった産業社会批判表現でもあるわけです。
テーマやモチーフとしては、クラフトワークやOMD(オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク)やソフトセルやデペッシュ・モードやウルトラヴォックスやゲイリー・ニューマンやスロッビング・グリッスルら、古のシンセポップを遠いルーツに持つポップ・ミュージックなのかもしれませんしあるいはそうではないのかもしれません。
しかし、Deptのリアルは、まぎれもなく2020年のミレニアル世代、Z世代の感性に聴こえます。
産業社会のカタにはめれられることに異を唱えるなどという、高齢者には陳腐に聴こえるかもしれないテーマも、Deptの透明感あふれる演出とサウンドを通せば、2020年のリアルを感じる表現となっています。
MVの演出でボードに書かれた『Boys Don't Cry』のメッセージ。
組織、すなわち会社としての集団アイドルの組成と成功を描いた東南アジア・タイのAKB48の姉妹グループBNK48の1stドキュメンタリー映画『Girls Don't Cry』の反転を意味しているのかどうか尋ねたことはありません。
海のものとも山のものともしれず誰も成功すると思っていなかったプロジェクトが潜在的な巨大なニーズすなわち市場を掘り当て、あれよあれよといううちに大成功するプロセスとその軌跡(奇跡)を支えたメンバーのリーダーシップとファシリテーション、そして苦悩を描いた傑作ドキュメンタリー映画『BNK48:Girls Don't Cry』。
オンライン、リモート研修真っ盛りの現代、ヴァーナロッサム(旧AKS)には、起業と組織行動、リーダーシップ、モチベーションとマーケティング等を描いた傑作として、企業研修の教材として『BNK48:Girls Don't Cry』の日本語バージョンをリリースして頂きたいと思う次第です。
Deptのメンバーは、僕たちは絶対そんな研修受講しませんと言うでしょうけど。
◆Dept - Let's Cry (Official MV)
https://www.youtube.com/watch?v=OJI4flIHUoA
◆yonawo - トキメキ【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
https://www.youtube.com/watch?v=jx_FyFcngKA
◆Dept - แล้วเธอจะรู้บ้างไหม? | ForWhat? (Official Video)
2年前のこの曲はファンキーなのにクールでやたらカッコ良く、「おおっ」と思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=NtgCUNQrwnU
◆BNK48: Girls Don't Cry - Trailer | IFFR 2019
Deptの「Let's Cry」、壁のメッセージからどうしてもこれを連想せざるを得ません。
https://www.youtube.com/watch?v=J_ct_v3tcqw