夏だ、レゲエだ、湘南乃風だ、BABYMETAL「PA PA YA!!」だというので、車でエリック・クラプトンの「BACK HOME」(2005年)をかけていました。
途中、FMラジオで、ちゃんみなのニューアルバムの曲がかかったので思わず集中してちゃんみなを聴いてしまいましたが、ちゃんみなが終わったら速攻で夏仕様のクラプトンだ!
それにしても、ちゃんみな良いですね!
そういうわけでエリック・クラプトンの「BACK HOME」、クラプトン流AORとしてはベストの盤かもしれません。
たぶん、日本社会はクラプトンをAORとして認知していないような気がしますし、国際社会、その主導権を握る(?)アメリカでは輪をかけてクラプトンをヨットロックとカテゴライズしていないような気もしますけど。
原点に立ち返れば、R&Bやブルースを演っていた(主に髭面の)白人が、大挙してシフトした音楽がAORなわけです。
ビル・ラバウンティとビル・チャンプリンとボズ・スキャッグスとエリック・クラプトンとボビー・コールドウェルのそれ(ヨットロック・AOR)風の曲をシャッフルし、サマーキャンプの小・中学生に、「どのおじさんがAOR(ヨットロック)かな?」と聴いたら、先入観の無い世代から思い思いの感想が帰ってくるでしょう。
髭面多いですしね。このカテゴリは。
平井大さんは上のリストに入れてはいけません。日本語で歌っているから一人だけ違うのがわかってしまってジャンル当てクイズにならないし、何より髭面ではないからです。
そう!髭を生やした白人のおじさんが、ギターやキーボードを弾き語りする音楽、それがAOR(ヨットロック)!
日本音楽界のAOR人相(髭面)、それは、元J‐WALK(現JAYWALK)の中村耕一さんであります!
それにしても、ミポリン(中山美穂さん)とギバちゃん(柳葉敏郎さん)主演のフジテレビのトレンディドラマ『すてきな片思い』で、ビル・ラバウンティの曲が使われ日本でヒットしたときはビックリしました。
エリック・クラプトンといえば、「アイ・ショット・ザ・シェリフ」をカバーし、1974年に全米第一位と大ヒットさせたことによって、それまで”第三世界の知られざる大物”的ポジションだったボブ・マーリーを、世界的なスーパースターに引き上げ、レゲエへの貢献極めて大きな方であります。
ジャマイカ政府はエリック・クラプトンに感謝状を授与しても良いのじゃないかと思う位。
そんなエリック・クラプトンですが、AORな『BACK HOME』でもレゲエを多用しており、こちらは見事に肩の力が抜けています。
クラプトンのレゲエからは、ラスタファリアリ二ズム(エチオピアのハイレ・セラシエ帝を信仰するレゲエの思想)を信仰し、紛争を解決し、人道的・国際平和への強い探求心からリスクを取って果敢に政治に介入し、国際平和を構築するという崇高かつ困難な理想はほとんど感じられません。
『BACK HOME』のレゲエ、仕事のできる髭を生やしたおじさん(エリック・クラプトン)がアロハに短パンで夏休み!にに聴こえます。
それでいいじゃないか!仕事人のおじさんにもバカンスが必要だ!夏休みだ!レゲエだ!
BAND-MAID「endless Story」、冒頭のシンガロングパート後、00:17からの廣瀬茜さんのドラムが鳴るなり「おおっ!」と思わず意識がドラミングに集中させられます。
そして、2コーラス目の01:22からは・・・。MISAのうねうねうねるベースラインと廣瀬茜さんの裏拍のドラムが絡むリズムセクションに、「やるなぁ」と感じました。
ハードロックのパイオニア、レッド・ツェッペリンが「デジャ・メイク・ハー」(『聖なる館』1973年)でレゲエを採り入れた時、レゲエという西側社会に馴染みの薄い未知なる音楽に対して全力でふざけるというアプローチをとりました。
それは、おそらく、この音楽はジャマイカの民族や社会に固有のアイデンティティに立脚しており、そのコンテクストを共有しない自分達が表面的に器用にマネして採り入れることをせず、あえてふざけることで音楽的誠実さを表明したように思えます。
2019年のレゲエ要素を取り入れたハードロックバンドBAND-MAIDの楽曲「endless Story」は、一聴しただけでは気付くか気付かないかわからないくらい自然体のアプローチになっており、ハードロックの進化を表すものとなっています。
1970年代後半、ハードロックを代表するバンドであるドイツのスコーピオンズは、結構本格的にレゲエ×ハードロックのスタイルにチャレンジし、しかも成功しています。
しかし、代表曲が瀧廉太郎作曲「荒城の月」でもあるスコーピオンズとは、日本の戦後の歌謡曲がマンボやボサノバ等のラテンサウンドを積極的に導入したことに通じるような、いわば音楽的・文化的"雑食性"を持った音楽制作集団なのではないでしょうか?
スコーピオンズとは、ドイツのサザンオールスターズのような存在かもしれません。
ちなみに、BAND-MAID「Take me higher!!」(『Just Bring It』)は、カナダのニッケルバックの引用ではなく、スコーピオンズ(ウリ・ジョン・ロート)のジミ・ヘンドリックスフォローサウンド再構築説に一票!
GiGS 11月号発売中です📖✨
— BAND-MAID AKANE (@achi_bandmaid) October 2, 2018
「へい!ドラム一丁!」第5杯目でございます🍥
今月は"4つ打ち"と"裏拍"について!!
楽曲全てにおいて裏拍はとても重要ですが、お給仕では特に「start over」が一番最初から最後まで裏拍をめっっっちゃくちゃ意識しながら叩いています!
是非チェックしてください👀★ pic.twitter.com/ActkbyvaBN
お仕事終了〜!!
— BAND-MAID AKANE (@achi_bandmaid) September 12, 2015
友人のスカバンドのレコーディングにトロンボーン奏者として参加させていただきました(*´꒳`*)♪
ドラム以外でもこうして音楽と触れ合えるのはとっても幸せです😍💕
貴重な経験をどうもありがとうございました✌️★ pic.twitter.com/mgIWOg27Fv
裏拍に特徴のあるBAND-MAIDの「start over」、「endless Story」は、同時に白人専用のポピュラー音楽として発展してきたHR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)のファンダムの一部から、やや強めの違和感を発せられる音楽性であるという面もあります。
ローリング・ストーンズのキース・リチャーズは、「リズム(ビート、グルーブ)とは、その人(個人、集団、民族等)固有のものだ」という趣旨の発言をしたことがあります。
リズム・ビート・グルーブというのは、その人の心臓の鼓動のパターンや心拍数のような固有のもので、変えること、置き換えることができないものだからです。
BAND-MAIDというバンドが自然体で「start over」、「endless Story」のようなグルーブを発生するのであれば、それをバンドの個性としてより追求するのがベストでしょう。
キース・リチャーズは、若い時からヘヴィメタル・ハードロックもヒップホップ・ラップも大嫌いで、逆にレゲエが大好きな(今は)老人なのですが、ビジネスマンであるミック・ジャガーが「まぁ、まぁ」といって、ヒップホップやラップも採り入れたりしていました。
ロックは、商業音楽ですから、そこらへんは調整可能な範囲を広くとった方がビジネス面では有利ではあります。
しかし、市場の売れ線や流行であっても、「どうもしっくりこないな、合わないな」と感じるスタイルの音楽を無理して取り入れると、うまくいかなかったり、あるいはバンドとメンバーにとってのストレスとなって停滞や解散の理由につながってしまうことも少なくありません。
ですから、バンドは、とにかくバンドの内面から発するグルーブ、ビート、リズムにフィットした音楽性を追求し、バンド固有の音楽性とするのが一番です。
◆「THE JAYWALK TOUR 2018 History of JAYWALK ”何も言えなくて…夏 AGAIN」トレーラー
https://www.youtube.com/watch?v=vYC4p4Do_zM
◆ちゃんみな – Never Grow Up (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=qw7oS1FBHyI
https://www.youtube.com/watch?v=5_S4s8jZQ-A
◆Get Up, Stand Up - Bob Marley live in Munich (June 1, 1980) RESTORED!
https://www.youtube.com/watch?v=RhJ0q7X3DLM
◆AOR night Band - Livin' It Up (Bill LaBounty cover / live on musica da Leda, 2019-07-18)
AOR(ヨットロック)は黒人音楽がベースなので、ベースとドラムが要です。ギターもリズム楽器としてのセンスが重要。ただし、社会人バンドだったりすると髭を生やせない場合もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=nO7CQEEyKNQ
◆Dread Zeppelin - Immigrant Song
本家のレッド・ツェッペリンのメンバーやロキノンの渋谷陽一さんがどう評価しているか知るところでありませんが、ツェッペリンよりドレッド・ツェッペリンの方が好きだという音楽ファンが存在するという噂もあります。
スタジオ盤ではクリーム(ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカー、エリック・クラプトンのサイケデリックロックバンド)の「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」のサイケデリック・ルーツ・レゲエ or ダブ?風カバーもあります。これは、エリック・クラプトンがレゲエ(ボブ・マーリー)を西側社会に紹介したことへのリスペクトを表現していると解釈しています。
https://www.youtube.com/watch?v=3CO7FPU7a2g
◆Alpha Blondy - Whole Lotta Love [Official Video]
ツェッペリンの曲はレゲエでたくさんカバーされています。独特の裏拍のグルーブは、タイのイーサーン(東北)地方の大衆音楽等でも得意で、暑いところと相性が良いかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=nxYwlARAxwQ
◆Alpha Blondy - No Brain, No Headache
西アフリカ・コートジボワール出身のレゲエ歌手アルファ・ブロンディ。ロックとレゲエの融合を非常に上手く決めています。
https://www.youtube.com/watch?v=aOvZw0GdwKE
◆Keith Richards - Love Overdue
キースのレゲエ。
https://www.youtube.com/watch?v=9orkd6ZpBx8