ミスターAORことボズ・スキャッグスの新譜、黒人音楽への原点回帰であると同時に唯我独尊のAOR、ボス節で素晴らしいですよね。さすが第一人者です。
AORについて知りたいと思ったら、現状、日本語wiki等にはまとまった情報がありません。アメリカにはそもそもAORという概念がありませんでした。ここ数年のヨットロックブームで日本のカテゴライズの仕方を輸入したという感じでしょうか。
AORについて知識を得ようとすると、ここ数年はムックや専門誌も出てるんですが、一番は、田中康夫先生の『たまらなくアーベイン』というレコードガイドエッセイ/小説というがガイドブックを入手することが役に立つと思います。
田中康夫先生は、日本でAORとブラックコンテンポラリーについて最も博識でセンスのある方ではないでしょうか。
ポール・デイヴィスを日本に紹介し、映画のサウンドトラックに起用され、知名度を上げ、その後日本盤が出る流れを作ったのは、田中康夫先生の功績のはずです。
そういわけで、クライマックス・ブルース・バンドなんですが、自分の知ってるクライマックス・ブルース・バンドと見た目も音楽性も全く違うぞ!
思いっきりブルースに回帰しているではないですか。名前のとおりのバンドに戻っています。
1980年代のアメリカで中ヒットを出していた当時のクライマックス・ブルース・バンドの音楽性って、ジャンルは何でもありのとらえどころのない鵺のようなバンドだったんですよね。
その名の通り、1960年代にイギリスでデビューした当初(クライマックス・シカゴ・ブルース・バンドという名前でした。)は、白人が黒人のブルースを演奏するバンドでした。
アメリカのヒットチャートを目指すうちに、売れそうな音楽なら何でも演奏するような訳の分からないバンドになっていきました。
訳の分からない音楽とかバンドって割と好きなんですが、多少売れていたころのクライマックス・ブルース・バンドは、本当に訳の分からない音楽性の稀有なバンドだった気がします。
時代ははるか下って2019年、クライマックス・ブルース・バンドは、半世紀余りの紆余曲折を経て、1960年代のバンド結成の志に回帰したような渋い白人ブルースバンドとして活動されています。
『 待ち合わせ場所は ♪ 』
『 駅のバス亭前 ♪ ♪ 』
OKOJO(オコジョ)「遮二無二に恋しない」
大坂の3ピースバンドです。
クライマックス・ブルース・バンドとは何の関係もありません。年齢は孫ほど離れていそうですね。
人気が出そうな気がしませんか?。
『 離れて三ヶ月もしないうちに僕らは ♪ 』
『 赤い糸を信じなくなっていた ♪ ♪ 』
60歳、70歳になって髪が真っ白になった時、こういう20歳前後でないと書けない歌詞の原点の曲を歌うのもなかなかロックで良いかもしれませんね。
◆OKOJO「遮二無二に恋しない」
https://www.youtube.com/watch?v=ZLB79Yd6DdM
◆Climax Blues Band - Straight Down The Middle from 2019 Hands of Time CD
https://www.youtube.com/watch?v=1Yk9B0iaaWw
◆Climax Blues Band - Hands Of Time
https://www.youtube.com/watch?v=o60RpEBLK_k
◆Climax Blues Band - Ain't That A Kick In The Head - Caslano Blues Festival 2016
https://www.youtube.com/watch?v=yzAnuPzjDrQ