2018年の大晦日に放送された第69回NHK紅白歌合戦で、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」をセンターのHKT48の指原莉乃さんとペアを組みパフォーマンスしたのが、タイ・バンコクの人気アイドルグループBNK48のモバイル(Mobile)です。
紅白をきっかけとして、BNK48『紅白選抜』メンバー16名の中でも最も注目を集めたのではないでしょうか。
BNK48一期生のモバイル(Mobile)は、2017年12月にリリース(MV公開は11月18日)されたタイ語版「恋するフォーチュンクッキー(Koisuru Fortune Cookie คุกกี้เสี่ยงทาย)」でセンターに抜擢され、一躍BNK48の人気メンバーとなりました。
しかし、それまでの歩みは必ずしも順調だったわけではありません。
アイドルグループには、しばしば、加入したときから、将来のエース、センターを期待されるエリートメンバーがいることが多いものです。
BNK48の場合、ミュージック(Music)がスタート時点からエースにあたります。
そして、キャプテンのチャープラン(Cherprang)を含む数名は、BNK48のオーディションが立ち上がるずいぶん前のアマチュアのコスプレイヤーやアイドルカバーダンスチームのメンバー時代から、将来のBNK48『運営』関係者とコミュニケーションを取っている形跡があります。
このことは、タイ・バンコクでAKB48の姉妹グループBNK48を立ち上げる企画のコア(核)メンバーとして、チャープラン(Cherprang)ら数人に白羽の矢が立っていたであろうことを推測させます。
一方、モバイル(Mobile)は、BNK48の企画のコア(核)メンバーやエース候補では必ずしもありませんでした。
BNK48一期生29名のうち、デビューシングルの表題曲の選抜16名に選ばれるかどうかは非常に大きなハードルです。
モバイル(Mobile)は、2017年7月にリリースされたBNK48のデビュー1stシングル「あいたかった(Aitakatta อยากจะได้พบเธอ)」の選抜メンバーには選ばれていません。
そして、BNK48(AKB48グループ)において、シングル表題曲の選抜に選ばれるかどうかという心理的な葛藤、プレッシャー、そしてそれを乗り越える試行錯誤、さらには友情、リーダーシップ、チームビルディングやヴィジョンや目標等にまで焦点を当て制作されたBNK48のドキュメンタリー映画が、ナワポン・タムロンラタナリット監督による『BNK48:Girls Don’t Cry』なのです。
また、BNK48のメンバーには、チュラーロンコーン大学、マヒドン大学等、『タイの東大・京大クラス』と呼ばれる超一流大学の卒業生、在学生が複数います。
超一流大学に進学するということは、比較的経済的に余裕のある家庭の子弟である可能性が高いということでもあります。
一方、アイドル=スターになることによって、地方在住の親に孝行したいというような『アメリカン・ドリーム』に通じる思いを抱いてBNK48に入ったメンバーがいます。
あるいは、家庭的なハンディキャップを不屈の努力で克服しアイドルを目指しているメンバーもいます。
モバイル(Mobile)は、どちらかといえば、後者のグループなのです。
モバイル(Mobile)の魅力的な笑顔とパフォーマンスの下に隠された涙と不撓不屈のアイドル魂の軌跡の一端は、BNK48オフィシャルFacebookやオフィシャルYouTubeチャンネルの映像に記録されています。
そのひとつのハイライトが、2017年9月23日に行われたBNK48 Mini Concert「BNK48 WE LOVE YOU」のエンディングで行われた2ndシングル「恋するフォーチュンクッキー(Koisuru Fortune Cookie คุกกี้เสี่ยงทาย)」選抜メンバーの発表です。
コンサートが終盤にさしかかり、BNK48メンバー全員によって、(次期シングル予定曲)「恋するフォーチュンクッキー(Koisuru Fortune Cookie คุกกี้เสี่ยงทาย)」がパフォーマンスされます(約2:29:00~)。
正式版レコーディング前ですので、ボーカルパートには、まだ『仮歌』が録音されて入っています。(日本の音楽業界だと仮歌を歌う専門の歌手がいたりします。)
当日は「恋するフォーチュンクッキー(Koisuru Fortune Cookie คุกกี้เสี่ยงทาย)」をBNK48のメンバー全員(当時29名)でパフォーマンスしたのですが、ステージの面積は29人が上がれる広さがありませんでした。
そのため、1stシングル非選抜メンバーのプーぺ(Pupe)やモバイル(Mobile)、シンシン(Cincin)、ニンク(Nink)らは、ステージ下の観客席最前で、音楽ディレクターのAeh(エー)さんや日本人プロデューサーのMarc(マーク)さんと一緒にパフォーマンスしています。
尚、その直前(2:20:00頃)の花束贈呈は、一期生のキドカット(Kidcat)が学業に専念するための卒業発表、および全員集合写真撮影です。
メンバー全員による「恋するフォーチュンクッキー」のパフォーマンスが終わると、(メンバーと会場のどよめき具合から、おそらく)サプライズで「恋するフォーチュンクッキー(Koisuru Fortune Cookie คุกกี้เสี่ยงทาย)」の選抜メンバー発表が、ミニコンサートの公開の場で引き続きそのまま行われたのです。
◇2ndシングル「恋するフォーチュンクッキー(Koisuru Fortune Cookie คุกกี้เสี่ยงทาย)」選抜メンバー発表
・まず1stシングルに引き続き選抜に選ばれるメンバーが発表されます。
ジェニス(Jennis)、サッチャン(Satchan)、ターワン(Tarwaan)、パン(Pun)、ゲーウ(Kaew)、ナムヌン(Namneung)、オーン(Orn)、ヌイ(Noey)、ミオリ(Miori)の9名。
・続いて、初選抜メンバーのイズリナ(Izurina)、プーペ(Pupe)の2名が発表されます。
・そして、フロントメンバーのジャン(Jan)、チャープラン(Cherprang)、カイムック(Kaimook)、ミュージック(Music)の順に4名が発表されます。
・そして、クライマックスのセンターの発表。
『モバイル(Mobile)!!』
感極まって奇声を発し、号泣し、プーペ(Pupe)に抱きかかえられるモバイル(Mobile)。
ステージ上でパフォーマンスする凝ったデザインのユニフォームの1stシングル選抜メンバーと、ステージ下の観客席最前で踊るシンプルなTシャツのユニフォームの非選抜メンバーのモバイル(Mobile)。
そこから一気に2ndシングルのセンターポジションに抜擢されたモバイル(Mobile)のシンデレラストーリーが、当時財務的に厳しい状況に追い詰められていたとされるBNK48 Officeの起死回生を願い描く強い思いとも重なって、「恋するフォーチュンクッキー(Koisuru Fortune Cookie คุกกี้เสี่ยงทาย)」のストーリー性を一層高めたように思います。
PROFILE-----------
・MOBILE(モバイル)
・本名:พิมรภัส ผดุงวัฒนะโชค(PIMRAPAT PHADUNGWATANACHOK)
・生年月日 2002年7月9日
・身長 159cm
・出身 バンコク
・好きなこと ムーミン、アニメ、メイクアップ
・血液型 O型
・趣味 コスプレ
・公式Facebook https://www.facebook.com/bnk48official.mobile/
・公式Instagram https://www.instagram.com/mobile.bnk48official/
( 出典:BNK48 Official HomePage https://www.bnk48.com/ )
※ニックネームのMOBILE(モバイル)は、タイ語、タイ事情に通じる方の情報によると『てるてる坊主』(吊り下げおもちゃ=MOBILE)から来ているようです。
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◇「恋するフォーチュンクッキー(Koisuru Fortune Cookie คุกกี้เสี่ยงทาย)」TV番組でのパフォーマンスハイライト one31 / BNK48
https://www.youtube.com/watch?v=f-juFo-DfG8
◇【LIVE(配信)】BNK48 Mini Concert「BNK48 WE LOVE YOU」/ BNK48
https://www.youtube.com/watch?v=zb5oAc3yJME
◇モバイル(Mobile)が、「パン(Pun)姉さん」と慕うBNK48チームBⅢキャプテンのパン(Pun)のダンスはこんなにもカッコいい!!
※パン(Pun)&モバイル(Mobile)コンビによるTV番組ゲスト出演時の「恋するフォーチュンクッキー」生歌デュエットパフォーマンスへのリンク有。
◇「恋するフォーチュンクッキー」フロントメンバーのJan(卒メン)