2020年2月下旬より、急激に新型コロナウイルス感染拡大の影響がエンターテインメント業界に深刻な影響を与えています。
- 1.2月下旬からのエンターテインメント業界(コンサート、ライブハウス等)の現状
- 2.危機に対して被害を縮小するには最大の構え(準備)をすることが有効
- 3.エンタメ業界、今後の見通しは?(悲観説から楽観説までのグラデーションのどこかに収束する)
1.2月下旬からのエンターテインメント業界(コンサート、ライブハウス等)の現状
令和二年(2020年)2月26日に安倍首相より大規模イベント・コンサートの自粛要請が発表されました。
政府の要請を受け、2月26日当日以降、エンターテインメント業界のイベントは、中止、延期、無観客形式に変更しての実施等が相次いでいます。
イベントの”大規模”の明確な基準は政府の通知には明示されていませんが、ホールクラス2,000人あるいは1,000人以上は該当するという受け止め方もあるようです。
数百人規模のライブハウスでのライブは2月中も引き続き開催されていました。
しかし、2月15日、大阪のライブハウスで4演者が出演したイベントでの新型コロナウイルスの集団感染が発生してしまいました。
このことにより、3月以降のライブハウスでのイベント開催は非常に厳しい状況に追い込まれることになりました。
【拡散希望】
— ウーハ店長 (@cafeuha) 2020年3月1日
お店からのお願い。
①マスクを着用してください(マクスはご自分でご用意ください)。
②演奏中、コールアンドレスポンス等お客さんが声を出す行為をお控えください。
③握手などの接触行為はお控えください。
④出演者との3分以上の会話をお控えください。
何卒よろしくお願いします。
上は高円寺のライブハウスの店長が定めた自衛策ですが、声援禁止、握手等の接触禁止、出演者との3分以上の会話禁止等、従来のライブハウスでの興行のスタイルを根本的に改めざるをえない内容となっています。
新型コロナの感染拡大のエンターテインメント業界への影響は甚大で、売上が立たない自粛期間中も、家賃、人件費、借入の返済、リース料金等の固定費や発注済みでキャンセルできない経費等の費用負担は発生するため、事業者は綱渡りの資金繰りが続き、体力のない事業者の廃業や破綻が続くことが強く懸念されています。
ライブを中止する事となりました。
— 田口 達也【ノンラビ】アルバムオリコン1位獲得👑 (@Ace8trriger) 2020年2月26日
コロナウイルスに感染していなくとも、生活が困難になる事実を政府に届けたい。 pic.twitter.com/Xug29souav
2.危機に対して被害を縮小するには最大の構え(準備)をすることが有効
結果論として予測を当てる人はいるはずですが、現時点では100%この予測が正しいだろうと指名することはできません。
災害等の危機に対しては、最大限の構えを取り、結果的に軽度になり被害が少なくても済むということが望ましいのです。
令和元年(2019年)の台風19号は、令和元年11月11日次点で死者90人、行方不明5人、住宅被害9万件超の甚大な被害をもたらしました。
台風19号については、気象庁は、事前に、国民に対し最大限の警戒をし予防策を取るよう呼びかけました。
https://www.jma.go.jp/jma/press/1910/09a/20191009_1400.pdf
結果として甚大な被害は発生しましたが、気象庁が事前に最大限の警告を発したことが、被害の縮小に役だったと認識しています。
3.エンタメ業界、今後の見通しは?(悲観説から楽観説までのグラデーションのどこかに収束する)
一方、新型コロナウイルス感染に関しては、今年1月から、中国・武漢での甚大な被害の情報が日本にリアルタイムで入ってきていました。
しかし、日本では、当初、「人から人への感染は認められていない」、「日本人の感染は認められていない」、「インフルエンザも流行っている」、「ただの風邪」等、被害、影響を過小評価する発表、報道がされていました。
ところが、2月26日以降「大規模イベントの自粛要請」、「全国小・中・高校の一斉休校要請」、さらには業種を指名した「スポーツジム・ビュッフェの自粛要請」等の尋常でない要請が次々と政府から発せられました。
これにより、「ただごとではない」と気付いた国民が、生活必需品の買いだめに走る等のパニックを起こすに至りました。
望ましくは、2月26日以降に発せられた最大限の警戒を一か月前に発し、本番の被害を最小化することだったのでしょうが、時間は巻き戻すことはできません。
これからどう行動するかに焦点を当てなければなりません。
エンターテインメント業界が参考にすべきは、1929年の世界大恐慌下のエンターテインメント業界であったり、カンボジアのポルポト(クメールルージュ)独裁下のカンボジアのエンターテイナーであったりするかもしれません。
幸か不幸か、ロック音楽には、巨大な自然災害(ダストボウル)と1929年の世界大恐慌による社会、経済の奔流に翻弄され抗う庶民=『トム・ジョードの魂』こそがロックであるという伝統があるはずです。
◆The Dust Bowl | Woody Guthrie: Okies | PBS
”ダストボウル”(巨大な砂嵐)という自然災害で農業が壊滅し故郷を追われた白人
(オーキー)。1930年代のアメリカで韓国映画の『パラサイト』の主人公家族のような社会的地位に追い込まれた白人流民(オーキー)の生活がカントリーとロックの原点です。
https://www.youtube.com/watch?v=8MS4gFPr2Hk
◆The Dust Bowl Episode | Uncovering the Dust Bowl | PBS
https://www.youtube.com/watch?v=guTek7ipD4U
◆Elvis Costello and Mumford & Sons - The Ghost of Tom Joad & Do Re Mi Medley (Acoustic Cover)
https://www.youtube.com/watch?v=-Idt8wqSSeE
◆Bruce Springsteen ft. Tom Morello - The Ghost of Tom Joad (Official Live Video)
https://www.youtube.com/watch?v=B-c6GphpAeY
◆Woody Guthrie and the Dust Bowl Ballads by Nick Hayes
https://www.youtube.com/watch?v=TJbPYn5DEqo
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