5年ほど前、渋谷の地下のライブハウスでメイド服に身を包んだガールズバンド、BAND-MAIDのお給仕にご帰宅した後、無性に映画「ランナウェイズ」が観たくなりamazonでDVDをポチりました。
”ロッカーズ”と呼ばれるトップスが革ジャン(ライダースジャケット等)、ボトムスが革パン or デニム(ブルージーンズ)等に代表されるファッションがジェンダーレスになったのはいつ頃からでしょうか?
私は、1970年代初頭から半ばのスージー・クアトロ、1970年代半ばから1980年初頭のジョーン・ジェット(ザ・ランナウェイズ、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ)の2人の女性ロッカーのステージ衣装、アーティスト写真の影響と考えています。
1950年代、その延長の1960年代前半も、依然として、ロカビリーやロックンロールと一体となったライフスタイルに合わせたファッションは、メンズは黒の辛口のロッカーズスタイルでも、レディ―ズは、ドット柄のワンピーズやボリューム感あるスカート等で髪型もポニーテールにする等のフェミニンなスタイルでした。
映画『アメリカン・グラフィティ』の世界ですね。
男性ならジェームス・ディーンやエルヴィス・プレスリー、女性ならマリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンがアイコンです。
1970年代初頭、スージー・クアトロの、黒の革のジャンプ・スーツのファスナーを半分開けて、ベースギターを弾きながらロックを歌うスタイルは、女性歌手の衣装、ファッションとしては画期的でした。
スージー・クアトロはジャンプ・スーツのみでなく、当時から革のジャケットにデニムのロッカーズスタイルも併用しています。
このスージー・クアトロの切り開いたロッカーズな黒の革ジャケット(革ジャン)のジェンダーレス化を、バイ・セクシャルのジョーン・ジェットが定着させ、黒や革を強調した衣装は女性ロッカーの正装になっていきます。
えーと、それで、いきなり令和の日本の女性ロッカーのスカジャン衣装の話に飛びます。
スカジャンはもともと日本に進駐した米軍の母国への土産物で長い歴史があるアイテムです。このスカジャンがレディ―スファッションとして2016年頃から世界的にリバイバルし流行しました。
大阪のインディーズレーベル・音楽事務所の『THE NINTH APOLLO』(ザナインスアポロ) の女性ロッカーは、スカジャンをかわいくカッコよく着こなすのが実に上手い!
yonigeの牛丸ありささんとごっきんの2人は、DAMチャンネルの取材動画でカッコよく、可愛くスカジャンを着こなしていました。
Hump Backのギター・ボーカルの林萌々子さんは、アーティスト写真もMVの衣装もスカジャン姿です。
スタイリストが付いている時も、アーティストの私服の場合もあるのでしょうけど、THE NINTH APOLLOは、女性ロッカーのアーティストイメージづくり、ブランディングが非常に上手い。
見るからにガラの悪いスカジャン着てるあたしに、自分のじいちゃんくらいの知らんじいちゃんが「それはバイオリンでっか?」って話しかけてくれて駅までお喋りしながら歩いた。今日は水瓶座1位か? pic.twitter.com/WNiNdTABjh
— 林 萌々子 Hump Back (@mmkHB) 2017年10月7日
yonige、Hump Backらの世代に続き関西から出現してきたガールズバンド達も、やんちゃでキュートでカッコいい存在感、着こなしが決まっていますね。
ロックバンド、ライブを年間100本やれば否が応でも演奏は上手くならざるをえません。
まず、カッコいいこと、キュートなこと、すなわちロックバンドとしての存在感がかなり重要だと思っています。
◆ジャンキー58% - CRAZY
https://www.youtube.com/watch?v=TTS2iGKCRh4
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