サマソニ2019の模様はその一部がYouTubeで配信されました。BAND-MAIDは3曲が同時中継されています。
現地からの情報を見ると、リハーサル/サウンドチェックで、なんとスティーヴィー・ワンダーのファンク/ロックのスタンダードナンバー「ハイアー・グラウンド」を数分間演奏しています!
バージョンは、スティーヴィー・ワンダーやエリック・クラプトンのクラヴィネット(BABYMETALのルーツ、キャンディーズの「その気にさせないで」でぐりぐり鳴っているアレ)ビシバシのファンクアレンジではなく、レッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)のロックバンドアレンジ。
キーボード(クラヴィネット)無しでも成立し、替わりにフリーのスラップベースがフィーチャーされるバージョンです。
やるなぁ。
この日のサマソニはトリがレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(レッチリ)。
誰(どのバンドをお目当てにサマソニに来ているファン)に向かって、誰(どのバンドのファン)の足を停め会場入りさせるために、レッチリの「ハイアー・グラウンド」を演奏しているのか、非常に明白です。
昨日はレッチリ見て帰った。安定の大物っぷり。BAND-MAIDが良かった!特にリズム隊最高!そのあとはBABYMETAL。キレと迫力がダントツに増した。ニューメンバーもいい感じでベビメタも大人になったの〜と思ったおれはただのオタおっさんか?
— Chris Peppler (@ChrisDPeppler) August 18, 2019
今日もTOKIO終わったら行くよ!
ゲストはWONKと折坂悠太。 pic.twitter.com/7T4Ci8LlQ0
レッチリは、ステージではファンカデリックのブラックロックのスタンダードナンバー「レッド・ホット・ママ」を演ってますし、再発された初期のCDにはボーナストラックとしてデビュー前のデモ音源のP-FUNK曲のカバーが入っていたりと、要するにそっち(ファンク)系、白人のファンクバンドが出自です。
肝心のBAND-MAIDの生演奏配信は、
①screaming
②DICE
③FREEDOM
の3曲がフルで配信され、④Bubbleの頭出しでカット(配信終了)となりました。
演奏の印象は、従来からBAND-MAIDに期待している(良い意味での)歌謡曲(歌謡ロック)色は、フェス向けのセットリストということで強めに出ている、つまり強み・特徴をアピールすることに成功した演奏だと感じました。
BAND-MAIDとは、自分の解釈では、山口百恵さん「ロックンロールウィドウ」や中森明菜さん「少女A」といった20世紀、昭和の歌謡ロック・歌謡曲の正常進化系なのですが、特徴としては、歌謡曲より1950年代、1960年代の黒人音楽色がどんどん強く出てきています。
外国人がBAND-MAIDを聴くと、ブルース、リズム&ブルースの強い影響を受けたパワフルな女性歌手が牽引するファンキーな(ハード)ロックバンドと認知するはず。
この構成は、1960年代の初期のハードロックバンドそのものであり、現代のロックシーンにおいては、稀有で貴重な個性と認知されるでしょう。そこがロックの歴史の長い欧米でも受けている理由かもしれません。
サマソニ翌日8月18日は、注目、大人気のBLACKPINK(ブラックピンク、ブルピン)がバンドセットで出場。
日本語バージョンの背景や可否については、ここでは踏み込みません。
ブルピンのバンドセットは、全員黒人のロックバンド+アジア人の女性ダンス&ボーカルの組み合わせの『視覚的カッコ良さ』も強くアピールしています。
海外のリアクト動画の傾向から読めるのは、アジア人のダンス&ボーカルグループ(主にK-POP)のカッコよさに惹かれる白人、黒人、ラテン系等、つまり非アジア系人種というトレンドです。
BAND-MAIDが仮にブルピンの出演する翌日18日の出演だとしても、リハーサル/サウンドチェックで、ブルピンの曲を演奏する可能性はないでしょう。同期音源の比重が大きく楽器隊のリハに向かないからです。
しかし、”ファンキーなカッコよさ”と言うポイントで、BAND-MAIDのような日本のロックバンドには、若者に人気のK-POPやダンスミュージックと共通項があるのかもしれません。
”楽器を演奏するカッコよさ”というのは、ロックバンドの大きな魅力です。
2019年の現代の若者に、K-POP、ダンスミュージックを経由し東アジアのロック”発見”の流れが起きる可能性があるのであれば期待したいところです。
◆Higher Ground | Playing For Change | Song Around the World https://www.youtube.com/watch?v=3hGSqqhhokE
◆The Isley Brothers & Santana - Higher Ground
https://www.youtube.com/watch?v=_OmUIOAZqF8
◆Eric Clapton - Higher Ground
https://www.youtube.com/watch?v=jTgOnChj7ec
◆Stevie Wonder - Higher Ground
https://www.youtube.com/watch?v=zGSxvH5i6XQ
◆Red Hot Chilli Peppers - Higher Ground (Remastered)
https://www.youtube.com/watch?v=qml8OHFc9Js
◆BAND-MAID / endless Story
https://www.youtube.com/watch?v=5_S4s8jZQ-A
◆My Sister Listens To K-pop I Like (CLC, Monsta X, Blackpink, Loona, Red Velvet)
最近は、K-POPからBAND-MAID等の日本のガールズバンドにもウィングを広げているアメリカ人のLivさんと妹さんがK-POPをイッキ聴き!
スティーヴィー・ワンダーとかP-FUNKはおじいさんより上の世代だろうし、ポインター・シスターズやシスター・スレッジとかも親より上の世代だろうし、やはり現代のアメリカ人の若者にとってはK-POPなんでしょうね。
そして、ここに取り上げられているグループだとブルピンとCLCにはタイ人のメンバーがいます。
https://www.youtube.com/watch?v=FwW5xk8mj8I