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【サハポピ?】”左派ポピュリズム”って何ですか?山本太郎のれいわ新選組?立花孝志のNHKから国民を守る党?【タピオカ?】

 

 

ラジオを付けていたら、タイ・バンコクの特派員の報告で、「バンコクでもタピオカが大人気!」というレポートを放送していました。

 

日本の参議院選挙でも重要な争点となった(らしい)タピオカですが、ブームは一向に終息せず、バンコクでも行列が続いているようです。

 

ところで、タピオカほどではないですが、ここ数か月で流行りだした”サハポピ”って何でしょうか?新しい南国産のデザートですか?

 

トロピカル感覚のスイーツ、デザートって、古くはナタデココとかタピオカとか定期的にブームが起こってきた感じがありますけど、”サハポピ”もまた新種のデザート?

 

実は、”左派ポピュリズム”って、どうやら政治思想の用語のようなのです。

 

  

1.『ポピュリズム』=『お前の母ちゃんデベソ!』なのか

  

ここ、数か月、ポピュリズムという単語はよく報道で目・耳にします。

 

そして、参議院選挙の結果、山本太郎代表が率いるれいわ新選組が2人の議員を送り出したことによって、”左派ポピュリズム”という用語が一気に増えた感じがします。

 

ポピュリズム”という用語自体は、古くからあって、従来は、どちらかというと政治的な活動をする相手を罵倒、否定する時に発せられてきました。

 

”左派ポピュリズム”とは、文字通り左右の左の方にいるポピュリズムのことで、西の方にいれば”西ポピュリズム”、北に位置していれば”北ポピュリズム”ということなのでしょうか。

 

昨年位までは、相手をポピュリズムとレッテル貼りすること=お前の母ちゃんデベソ!敵な罵倒ニュアンスが強かったようです。

 

ここへきてよく使われるようになった”左派ポピュリズム”という用語には、やや肯定的なニュアンスも含まれるような感じを受けますが、どうでしょう?

 

2.定義し、認識が共通しないとコミュニケーションは成り立たない

  

単語・用語の定義が明確になっておらず、コミュニケーションする当事者の間でその単語・用語の意味する内容・範囲・概念が共有されていない場合、コミュニケーションは成り立ちません。

 

「今まで、ヨーロッパ発で(われわれ日本でも)罵倒語として使ってきましたが、アメリカではどうも中立的な単語のようだ。」って、要するに何ですか?

 

たとえ間違っていても構いません。「自分は”ポピュリズム、”あるいは”左派ポピュリズム”とはこういことだと定義する」としないと始まりません。

 

「間違っていても構わない」というのは、「あなたの定義(概念)に対して、私はこう定義(概念)している(こう違うと考える)」という議論ができるからです。

 

そこからが、すべてのスタートです。

 

説明するための文章を書くにあたって、ウィキペディアWikipedia、以下wiki)の文章・定義から引用することは基本的にはNGです。

 

参考情報の意味で、"紹介"(引用)するのはOKで、私もよく引用していますが、学校の正式なレポートとか、提案書、企画書の引用元・材料としてはwikiの記述・情報はNGなのです。

 

その理由は、wikiは合議制のボランティアによって運営されており、見た次の日には書き変えられていることがよくあるからです。

 

例えば、甲斐バンドwikiを見たら、以前はいくつかあげられている"ジャンル"名の一つに"歌謡曲"とありましたが、今回見たら削られていました。wiki執筆ボランティア方の中に、「甲斐バンドは歌謡曲じゃない!」と思う人がいて、その意見が通って削除されたのでしょう。

 

同様にwikiは本文もどんどん書きかえられていきます。

 

特に社会的に注目を集めているような単語だと、書かれている内容が毎日のように変化していきます。

 

ポップミュージックでいうと、"ニコニコ大百科"が、"ポストロック"を、「説明がめんどくさい音楽のジャンルの一種である」定義していたのには笑えました。

 

おそらく、"(左派)ポピュリズム"は、典型的な『説明がめんどくさい政治思想用語の一種である』ではないでしょうか。

 

3.ハードロックとヘヴィメタルの違いとは?

  

ポピュラーミュージックのカテゴリでは、ハードロックとヘヴィメタルの違い、つまりそれぞれの定義について、明確に定義している人はほとんどいません。ハードロックとヘヴィメタルの違いについて言及している人は多いのですが、ほとんど、最終的には「おれがメタル(ハードロック)と言ったらメタル(ハードロック)」で〆ています。

 

例えば、賃貸住宅の窓を全開にしてレインボーを大音量でかける50歳代の無職のおじさんが、「おれがハードロックだといったらハードロックだ!」というのはそれでよいのです。

 

それで全く構わないのです。趣味の問題、嗜好、好き嫌いの問題なのですから。

 

( もちろん、住宅密集地の防音を施していない部屋で、大音量で音楽をかけることは絶対にだめです。ハードロックだろうとクラシックだろうとモダンジャズだろうとだめです。)

 

しかし、学問や思想の対象として、ハードロックとヘヴィメタルについて説明する場合は、「おれがそう言ったら〇〇だ」では困るのです。

 

多摩美術大学美術学部教授の椹木野衣先生は、現代思想アメリカ文化論を展開するにあたって『ハードロックとヘヴィメタルの違い』を、最初に明確に定義しています。

その定義の上で、『ヘルタースケルター : ヘヴィ・メタルと世紀末のアメリカ』に収録されている論文を展開されています。

 

一般的な範囲ならば、私は、よくあるようにカテゴリのパイオニアや影響力の強い音楽家に対して”属人的”でいいと思っていますが。

 

故・内田裕也さんが歌えば、安来節でも相撲甚句でもロックンロールですし、P-FUNKの総帥ジョージ・クリントンが歌えば、サンバでもカリプソでもファンクなのです。

 

『ロックンロールもファンクもともに誰が歌うか演奏するかによって、該当カテゴリに属する音楽かどうか決定する属人的な性質を持つポピュラー音楽群である』と定義するならば、それはそれで良いのです。

 

「そうじゃない!」「こういうことだ!」と意見を言うことができますから。

 

漠然として『腰振り音楽』、『お前の母ちゃんデベソ!』、『ドルオタ!』等の何を指しているのか、どこまでを指しているのか明確・明瞭でない罵倒語・否定語でマイナスのレッテル貼りをすることは、コミュニケーションブレークダウンを引き起こすことにつながりかねません。

 

4.ポピュリズムの”ポピュリ(popul)”はポピュラーミュージックの”ポピュラ(popul)”

  

英語のpopuliとpubliの語源は、ラテン語の"populus"。人民、国民、人々、民衆、人気のある等の意味です。

 

popular:人気のある

population:人口

people:人々、住民、人民

pubilc:公共の

piblish:出版する

 

等が派生語です。

 

ですから、populism、(populist)とは、民衆主義(者)、人民主義(者)、国民主義(者)等の意味です。 

 

実際に19世紀末のアメリカにあったのです。Populist Party(ポピュリスト・パーティー、「人民党」)という政党が(正式名称はPeople's Party)。

 

この人民党の前身は、農民同盟という農民の圧力団体です。

 

◆引用

1890年までには、農民の不満は、長年にわたる困難と、マッキンリー関税への反感によって、かつてないレベルに達していた。農民同盟は、彼らに同情的な南部の民主党員や西部の小規模な第3党の協力を得て、政治力を高める活動を推進した。こうして第3の政党である人民党(ポピュリスト党)が誕生した。

 

americancenterjapan.com

 

5.19世紀末のアメリカで現代の”MMT理論”に通じる政策を主張した大統領候補が存在した!

  

上のアメリカンセンターJAPANの解説によれば、人民党は、通貨発行増による諸問題の解決を主張するものの、金本位制の堅持を主張する保守派、金融階級との政策論争で退けられ、そのことが人民党の退潮の流れ(民主党への合流、吸収)の要因の一つになっているように読めます(グローバークリーブランド大統領は金本位制を支持する側に回った)。

 

【引用】

農民の代表は、彼らの問題の原因は通貨の不足にあると考え、通貨の量を増やせば、間接的に農産物の価格が引き上げられ、産業労働者の賃金が上がり、膨張した通貨によって債務の支払いが可能になる、と主張した。

 

銀を信用の根拠として通貨発行増により社会問題の解決を主張する人民党の政策は、民主党大統領候補のウィリアム・ジェニングズ・ブライアンに採用され、有名な「人類を金の十字架にかけてはならない」演説が行われます。

 

この意味は、『”金”の裏付け(当時のアメリカは金本位制でした)に縛られることなく、お金をどんどん発行して、貧困と社会問題を解決するのだ!』ということです。

 

この19世紀末の演説には、どこか既視感がないでしょうか。

 

そうです。MMT(現代貨幣理論)を背景に『財政出動によって、貧困や社会問題を解決すべきだ』という現代(2019年)、自由民主党西田昌司さんやれいわ新選組山本太郎さんが主張されている内容と通ずるもの(というかほとんど同じ)なのです。


上のリンク先の日本にあるアメリカ大使館の広報・交流部門『アメリカンセンターJAPAN』の文書を見ると、ポピュリスト党、ポピュリスト代表のウィリアム・ジェイムズ・ブライアンに対するマイナスの評価・イメージは一切ありません。

 

書かれているのは、19世紀末のポピュリズム運動とポピュリストの奮闘が、ニューディール政策をはじめとする20世紀以降の民主党共和党共通の経済政策、社会政策のルーツになったというプラスの評価のみです。

 

このような大使館の文書の見解・理解を根拠として、アメリカにおけるポピュリズム・ポピュリストに対する理解には、マイナスのニュアンスは薄く、むしろ逆に歴史的なプラスの評価も大きいと判断しました。

 

6.ウィリアム・ジェニングズ・ブライアン「クロス・オブ・ゴールド・スピーチ」演説動画等

 

◆William Jennings Bryan's Cross of Gold Speech

「人々を金の十字架にかけてはならない」

https://www.youtube.com/watch?v=HeTkT5-w5RA

 

◆John Mellencamp - Pink Houses (Live at Farm Aid 1985)   

当時のアーティスト名は、ジョン・クーガー・メレンキャンプ

www.youtube.com

 

◆J.D. Souther - You're Only Lonely (Live at Farm Aid 1986)   

https://www.youtube.com/watch?v=jSvfuchi5C0

 

◆Bob Seger - Detroit Made

1970年代のラストベルト・デトロイト自動車産業の労働者のシンボル?といえばロックンローラーボブ・シーガー

 

www.tapthepop.net

 

◆大賀祐樹先生の19世紀末アメリカのポピュリズム・人民党の解説

www.kk-bestsellers.com

  

 

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