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【日本のロック名盤】山口百恵『GOLDEN FLIGHT』について ~ 能瀬慶子・久我直子のデビュー曲はPASSPO・☆prediaのルーツ?

 

 

☆久我直子さん「ノアノア気分」(1978年)、作詞:阿久悠さん、作曲:三木たかしさん。

 

能瀬慶子さん「アテンション・プリーズ」(1979年)、作詞:喜多条忠さん、作曲:浜田省吾さん。

 

と、いきなりシングルレコード(45回転版)を出してもマニアックすぎます。最近はヴァイナル(=ビニール)と呼ぶようですが。

 

どちらも一流作家による作品ですが、楽曲そのものは大ヒットしたわけではありません。したがって、現在、これらの音源を購入する人は、昭和アイドル歌謡のコレクターやDJ等の方に限られるでしょう。

 

もちろん、買い手は外国の方の場合もあります。幕末から明治初期にかけ、江戸時代の庶民の娯楽であった浮世絵が海外に流出したように、昭和の歌謡曲のヴァイナルは海外コレクターが熱心に買い求めています。

 

もとい、能瀬慶子さんの「アテンション・プリーズ」、浜省こと浜田省吾さんの作品です。www.weblio.jp

浜田省吾さんの提供曲とカバー曲 - 汐風クラブ-浜田省吾さん&愛奴ファンのマスターのつぶやき - Yahoo!ブログ 

 

浜省(浜田省吾さん)が他の歌手に提供された曲は、山口百恵さんへの提供曲以外は、浜省本人によるセルフカバーがありません。

 

「あばずれセブンティーン」(浜田省吾さんのアルバム『HOME BOUND』収録)も、山口百恵さんをイメージして書いたものの採用されなかった曲を手直しし、浜田省吾さんご本人が歌唱したという説があります。

 

「あばずれセブンティーン」、歌詞を改めて読むと、うーん、ちょっとヤンキー色強すぎたかもしれませんね。

http://j-lyric.net/artist/a0011b4/l00fec8.html

 

浜田省吾さん「火薬のように」のオリジナルは、山口百恵さん「愛のTWILIGHT TIME」(『GOLDEN FLIGHT』収録曲)。

http://j-lyric.net/artist/a0013c2/l046ce8.html

 

日本のロック・歌謡曲史上の金字塔、山口百恵さんの『GOLDEN FLIGHT(ゴールデン・フライト)』は、DTBWB(ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)の宇崎竜童さん、元キャロルの故・ジョニー大倉さん、そしてハマショーこと浜田省吾さんらのロック系作家が山口百恵さんとがっつり組むのが特徴。

 

演奏は、元キング・クリムゾンのゴードン・ハスケル(ba.)、元カーヴド・エアのジム・ラッセル(Dr.)、そしてオーガナイザー的ポジションでもあったギタリストの加藤ヒロシさんの3人組(Joe)が中心。さらに、キーボード、コーラス、ホーンセクションが加わります。ホーンが効いた曲は結構、リズム&ブルース色を感じますね。

サックスでは英プログレッシヴ・ロックカンタベリー・ロック、ジャズロックの名門ソフト・マシーンのレイ・ウォーリーも参加している模様。

 

◆カーヴド・エア

この人の、この1枚 『カーヴド・エア(Curved Air)/Airconditioning』 - Flying Skynyrdのブログ

  

ジム・ラッセルのドラミング、あるいはミキシングの方向性のせいかもしれませんが、日本の歌謡曲として録音したら、こんなにドラムと楽器隊の演奏が前に出(強調され)ないはずです。

 

相当パワフルに一切遠慮しないで叩くドラムを、ミキシングによってレベルを落とすこともしていません。当時(1977年)日本で録音する歌謡曲の伴奏としてはありえないサウンドに聴こえます。

 

「一流のロックミュージシャン揃えたし、ロンドン録音だからこれでいいんだ。」で通しちゃったんでしょうか?まぁ、そのとおりで、ロックだからこれでいいんですけど。

 

イギリス人のロックミュージシャンが一切遠慮しないでガッツリ演奏してくるので、山口百恵さんも力が入らざるを得ません。もちろん山口百恵さんは天才なのですが、技術で手練れを呑みこむ年齢でもなく、いきおい緊張感あるセッションになっています。

 

1977年の山口百恵さんの『GOLDEN  FLIGHT』では、日本の歌謡曲の歌姫が、イギリス・ロンドンでロックンロールのセッションをするために、日本歌謡曲界の大作家の先生方とイギリス・プログレッシヴロック界の手練れのミュージシャン達が組みました。

 

約40年後(39年後)の2016年、リードボーカリストが歌謡曲の遺伝子を受け継ぐ全員女性のロックバンドであるBRIDEARやBAND-MAIDが、超過酷なスケジュールでイギリスをはじめヨーロッパ各国を演奏して回るのをリアルタイムで目の当たりにし、感じるところがありました。

  

海外での人気・知名度・活動が日本を上回っているガールズバンドといえば、ニルヴァーナとツアーを行った少年ナイフや、クエンティン・タランティーノ監督の『KILL BILL』(キル・ビル)の劇中バンドを演じ有名になったThe 5.6.7.8's(ザ・ファイブ・シックス・セブン・エイツ)等が有名です。

 

当時は、海外(欧米)で人気のガールズバンドというと、点の存在だったのですが、2010年代後半の新世代のガールズバンドでは、複数のバンドが同時に海外で人気を得て、同時多発的にヨーロッパやアメリカを演奏でツアーして回っています。

  

ちなみに、冒頭で触れた、能瀬慶子さん「アテンション・プリーズ」と久我直子さん「ノアノア気分」についですが、それぞれの楽曲のコンセプトは、2010年代のPASSPO☆prediaのコンセプトに通ずるものがありますね。

 

すなわち、

 

・フライト、キャビン・アテンダントのコンセプト  →  PASSPO☆

 

・トロピカルラテン歌謡ポップスのコンセプト  →  predia

 

ではないでしょうか。

 

まぁ、どちらも日本の芸能界で繰り返し用いられてきたモチーフですので偶然でしょう。

 

ロックバンドスタイルのPASSPO☆のライブを観た時、外国では存在しないユニークなバンドだと感じ、海外で演奏したら反応が面白いだろうと感じました。

 

強いて言えば、ウッドストック出演で有名なオールディーズスタイルのロックンロールバンド(あるいは一座?)のシャ・ナ・ナのコンセプトに通じるものがあったかもしれません。

 

シャ・ナ・ナは当時は同じようなバンドが皆無の唯一無比のバンドでした。

 

◆I Wish You Love - Nancy Wilson Cover by Karen Lane

おそらくRay Warleigh - Saxは、山口百恵さん『GOLDEN FLIGHT』に参加していたレイ・ウォーリーでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=JcID7XuV4jI

 

◆More Than That - A Message Of Comfort (Gordon Haskell)   

 https://www.youtube.com/watch?v=D_vKH-oxiXY

  

『GOLDEN FLIGHT』からリッピングされた山口百恵さん「LIVERPOOL EXPRESS」の音源動画に、ゴードン・ハスケル本人らしきアカウントから次のコメントがありました。

 

『  1977 - HASKELL HISTORIES - 'Joe' band session backing Momoe Yamaguchi - 'Liverpool Express'. Gordon on bass & sensational sax solo from Ray Warleigh (he thinks) - Jackson Studios, Rickmansworth, UK www.gordonhaskell.com  』

 

山口百恵さんとゴードン・ハスケルは、『GOLDEN  FLIGHT』のレコーディングが縁で、2000年代以降もメールで連絡を取り合う音楽仲間であるとの報道を読んだことがあります。

  

 

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