- 1.『競争』において何に重点を置くか~ニッチ戦略
- 2.タイのトップアイドルグループBNK48の弱点は歌唱力
- 3.一期生Jib(ジップ)の苦悩を描いた映画「BNK48:GIRL'S DONT CRY」
- 4.新進アイドルグループ達(SY51,BLACK FOREST…)がBNK48に挑む
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1.『競争』において何に重点を置くか~ニッチ戦略
『競争』『競合』において、競合相手の弱点、足りない点を自社の強みとする、特徴とするというのは有効な方法です。
大きな企業を相手に小さな企業が競争しようとする時、大企業が手薄な点を自社の強みとし、明確に特徴をアピールするというニッチ(隙間)戦略は代表的なものです。
例えば、自動車業界でいうと、アメリカで強いブランドを持つスバルは、水平対向エンジンや4輪駆動による高い悪路走破性等、大手自動車メーカーにない(弱い)特徴がアピールポイントとなっています。
2.タイのトップアイドルグループBNK48の弱点は歌唱力
タイの大人気アイドルグループBNK48とチャレンジャーの新進アイドルグループの話題です。
BNK48は、2017年8月のCDデビュー後わずか半年後にはタイを代表する人気アイドルグループとなりました。
BNK48が国民的アイドルグループの座を確保するプロセスで何に重点を置き、何を身軽にしてきたかに注目すると次のような特徴が見えます。
ずばり、BNK48は、ダンス&ボーカルグループにもかかわらず、『歌唱力』には重点を置かず、他の領域に力を入れることによって急激に人気を獲得してきた感があります。
AKB48グループを手掛けるデザイナーが直接衣装を手がけ、若者に人気のK-POPに見劣りしない水準のダンスを目指す等、視覚に訴えられる面のアピール力に集中的に重点を置いている感じを受けました。
ある種、重点を置くところが、攻撃力、機動力重視で防御力をそぎ落とした大戦中の日本のゼロ戦のようなメリハリの付け方にも見えたのです。
それは、おそらく、本部であるAKB48のノウハウをはじめ、日本の人気アイドルグループの特徴を研究した結果も反映してのことかもしれません。
もちろん、それによって、短期間にタイの国民的アイドルグループに成長したわけですから、結果オーライです。
実は、BNK48の運営自身が「BNK48の弱点は歌唱力である。」と認める発言をしています。
3.一期生Jib(ジップ)の苦悩を描いた映画「BNK48:GIRL'S DONT CRY」
BNK48の弱点は歌唱力にあることは、ドキュメンタリー映画「BNK48:GIRL'S DONT CRY」で焦点を当てているエピソードの一つにも表れています。
一期生のジップ(Jib)は、高い歌唱力のポテンシャルを持ちながら、ダンスには苦手意識を持ち(BNK48加入前に経験がなかった)、選抜に漏れ続けました。
ジップ(Jib)の苦悩と不屈の努力に映画中で焦点が当てられているのです。
ジップ(Jib)が日本で初めて脚光を浴びたのは、2019年5月上旬の東京・タイフェスティバルでした。
BNK48の一期生オーディション合格から実に2年半以上経っています。
そして、BNK48メンバーの中では歌唱力で上位に位置するジップ(Jib)はいまだにシングル表題曲の選抜には選ばれていません。
(ジップ(Jib)は、『歌唱力選抜』的意味合いの「またあなたのことを考えてた」をはじめカップリング曲の選抜には複数回選ばれています。)
デビュー当初のBNK48一期生の中には、ナムホム、シンシン等歌唱力を期待されているメンバーも在籍していました。
しかし、いずれも選抜入りする以前にBNK48を卒業しています。それは、上のような背景も影響しているのかもしれません。
4.新進アイドルグループ達(SY51,BLACK FOREST…)がBNK48に挑む
東南アジア各国は、伝統的に歌と踊りには秀でています。
ここにきて、BNK48の影響を受けて日本風の装いでデビューしたアイドルグループの中には、歌唱に力を入れているグループがあります。
タイ北部チェンマイ県を地盤とする人気アイドルグループSY51(SomeiYoshino51,ソメイヨシノ51)の『合唱』+ロックのパフォーマンスには、正直驚きました(3:04:00~)。
時折聞こえる、『ボコッ』という大きめのノイズは、各メンバーが持つハンドマイクが衣装や床と接して発する音です。
このパフォーマンスのミキシングは、生歌自体を高いボリュームレベルで拾っていることを示しています。
鍛えていますね。
2019年も続々と誕生・デビューしているタイの新進女性アイドルグループ。
その中の一つ、BLACK FORESTが楽曲を発表しました。エモ・ラウドロック調のバージョンとタイポップ調のバラードの2パターンのアレンジが公開されています。
新世代アイドルが集まったフェス『アイドル・オン・アイス』で、BLACK FORESTは、ロックのトラックに乗せソロ回しで引っ張り、終盤をコーラスで締めていました。
歌が上手いとは言いませんが(タイの音楽界には上手な人はたくさんいます。)、やる気を感じさせるパフォーマンスではないでしょうか。
事前録音のボーカル(リップシンク)に頼らず、生歌でパフォーマンスを観客に届けようとしているように聴こえました。
◆Black Fores† - “ยังไงอย่างงั้น” 「Survivor Acoustic ver.」
◆[Lyrics MV] Black Fores†- Home 「18 Survivors ver.」
[Lyrics MV] BLACK FOREST - Home 「18 Survivors ver.」 - YouTube
◆Black Fores† [ Live At Ota Fest TH Present "Idol On Ice" ]
デビュー半年でタイのアイドル界のトップグループの一角を占めるまでになった新世代女性アイドルグループSY51(SomeiYoshino51、ソメイヨシノ51)は、相当歌唱に力を入れてきている感があります。
◆สะพานสายรุ้ง - SY51 LIVE at MAYA COSPLAY CONTEST 2019 p1 | IDOL IN THAI ไอดอล อิน ไทย
このライブパフォーマンスでは事前録音のトラックと生歌のミックスのようです。
สะพานสายรุ้ง - SY51 LIVE at MAYA COSPLAY CONTEST 2019 p1 | IDOL IN THAI ไอดอล อิน ไทย - YouTube
◆[MAD] เท่าไหร่ไม่จำ - POTATO (Cover) | Cincin
BNK48卒業生(一期生)のシンシン(Cincin)。歌唱力に定評ありました。現在はMoonLIghtというユニット(バンド)で活躍しています。『Idol Expo #2』にMoonLIghtで出演予定。
続々とデビューするタイのアイドル界の新進アイドルグループ、今後もしばらくは要チェックですね。
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