第45代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプさん、以下ドナルド・トランプ氏と表記します。
ドナルド・トランプ氏と嬢メタルの話題。
といっても、ドナルド・トランプ氏とLOVEBITES(ラヴバイツ)のはるぴーやAldious(アルディアス)のサワが一緒に写メ撮ったとなどということはありません。
テイラー・スウィフトが民主党候補者支持を表明したので、ドナルド・トランプ氏が、日本のガールズバンド(BAND-MAIDとかゼックラこと絶対倶楽部等)に「推し変するぞ!」と発言したなどということももちろんありません。
実は、ドナルド・トランプ氏がかつて嬢メタルバンドのMVに出演し、MV完成後にちゃぶ台をひっくり返して没にさせたという話題は、海外の芸能、ロックのメディアでは鉄板のベタなニュースです。
日本ではなぜかあまり報道されませんね。
アメリカ合衆国大統領といえば、日本からすると戦勝国、事実上の宗主国のトップになる方なので、上級国民でも忖度しなければならない存在なのかどうかはもちろん知りません。
その嬢メタルバンドとは、プレシャス・メタル。
女性版ボン・ジョヴィ的ポジションで売りだしていたカリフォルニア出身のヘアー・メタル(LAメタル、グラムメタル、ポップメタル)のバンドです。MVちゃぶ台ひっくり返し事件が起こったのは1991年でした。
海外の報道によれば、プレシャス・メタルの所属するレーベルが話題作りのために、破竹の勢いの不動産王として人気を集めていたドナルド・トランプ氏に、楽曲「ミスター・ビッグ・スタッフ」MVへの出演を依頼し、ドナルド・トランプ氏が快諾し実現。
ドナルド・トランプ氏の役は、地で演じるビジネスエグゼクティブ(重役)。おそらくレコード会社かスポンサー企業のトップの役でしょう。トレード・マークの赤いネクタイやリムジンに乗り込む演技も独特の個性と存在感でサマになっています。
ところが、MV完成後、ドナルド・トランプ氏側は当初の条件と異なるとても呑めない条件をレコード会社側に提示し、MVをお蔵入りさせました。
実は、上記の双方の齟齬が起こったタイミングとMVリリース時期の関係でドナルド・トランプ氏が出演したオリジナル版MVはMTVで放映されています。その後、プレシャス・メタルは、ドナルド・トランプ氏出演シーンをカットして編集し直したバージョンのMVを公開し直しました。
おそらく、数多くのビジネス上の斬った張ったを潜り抜けてきたドナルド・トランプ氏にとって、「ミスター・ビッグ・スタッフ」の一件は、ほとんど記憶にない位の出来事ではないでしょうか。
ただ、プレシャス・メタルは、MVの出来が良かっただけに、お蔵入りは悔しくて仕方なかったようです。
話題性からMVがヒットすれば、もしかしてバンドのブレイクが実現していたかもしれないという悔しさを感じます。
このプレシャス・メタル「ミスター・ビッグ・スタッフ」MV完成後ちゃぶ台ひっくり返し事件の原因・理由を私が知る由もありません。
海外で報道されるところ、そして日本語に翻訳されている政治系のドナルト・トランプ氏本が触れているところによれば、ドナルド・トランプ氏とアメリカの大財閥のプリツカー家のビジネス上の摩擦が発生したためとされています。
プリツカー家はアメリカを代表する財閥の一つで、間違いなくアメリカの『上級国民』です。
当時、ドナルド・トランプ氏は、プリツカー家と共同でホテル事業を行っていました。有名なニュー・ヨークのコモドアホテルをグランドハイアット・ニューヨークとしてリニューアルした不動産再開発事業です。
そして、嬢メタルバンド、プレシャス・メタルが所属していたレコード会社カメレオンの役員はプリツカー家から出ており、その縁でドナルド・トランプ氏のMV出演が実現したというものです。
その後、ドナルド・トランプ氏とビジネスパートナー(共同出資者)だったプリツカー家は袂を分かつことになります。
そのあおりをくう形で、ドナルド・トランプ氏出演のプレシャス・メタルのユニークなMV「ミスター・ビッグ・スタッフ」はお蔵入りとなったのではないかというのが海外芸能メディアの報道する内容です。
以下のニューヨークタイムズの記事に、1993年にドナルド・トランプ氏はプリツカー家側に民事訴訟を提起したという内容が書かれています。
Trump Sues Pritzker As a Feud Goes Public - The New York Times
プリツカー家は、伝統的に民主党とのつながりが強いようです。J.B.プリツカー氏はクリントン陣営の代表的な支援者であり、2019年からイリノイ州知事を務めています。また、ペニー・プリツカー氏は、オバマ政権の商務長官を務めていました。
焦点は政治の話でなくロックンロールの話です。
プレシャス・メタルとしては、一ロックンローラーにはどうしようもない事情に振り回されたのは残念でした。
ですが、プレシャス・メタルの「ミスター・ビッグ・スタッフ」という曲は、ドナルド・トランプ氏の大統領就任とともに、数十年ぶりに再び小規模ですがスポットライトが当たることとなりました。
◆The Battle of the Billionaires takes place at WrestleMania 23
ドナルド・トランプ氏の1m90㎝の体躯が繰り出すプロレスの大技アックスボンバー(or ラリアットか?)が場外でプロレス団体WWEのビンス・マクマホン氏を粉砕!(0:55~)そしてリング上でビンス・マクマホン氏を強制剃髪パフォーマンス!(2:18~)
ドナルド・トランプ氏のショーマンシップ型リーダーシップを見せつけられる瞬間です。
ドナルド・トランプ氏のキレのあるパフォーマンスに、熱狂し拍手喝采している観客の姿は、階級社会アメリカの”上級国民”ではないでしょう。どちらかというとワーキングクラスの人達も含むように見えます。
そして、リングサイドとテレビの向こうでドナルド・トランプ氏に熱狂し声援を送っている人たちの姿は、そのまま2016年のアメリカ合衆国大統領選挙でドナルド・トランプ氏を支持した人につながっているように感じます。
”遺恨”という伏線が形成する”敵役”は、エンターテインメントのシナリオ要素であり、全てのふるまいはワーキングクラス(大衆)を意識して演じられています。
ドナルド・トランプ氏もその敵役を演じたビンス・マクマホン氏も、その演技やふるまいに上級国民のノリは全くありません。
『寄り添う』というインフレ気味の言葉を連発しなくとも、立っている高さが、おれ達(ワーキングクラス)と同じ、つながっているという感覚を観客とテレビを通した視聴者に与えているように見えます。
おそらく、ドナルド・トランプ氏は、国際政治(外交)でも、自分の1m90㎝の体躯から繰り出すアックスボンバーを受けたり、頭髪を剃られるパフォーマンスで観客を沸かせることができる相手かどうかを冷静に見極めているのでしょう。
◆The Battle of the Billionaires takes place at WrestleMania 23
The Battle of the Billionaires takes place at WrestleMania 23 - YouTube
◆Leslie Knauer of Precious Metal talks Donald Trump [Deleted Scene from LA METAL SCENE EXPLODES]
プレシャスメタルのボーカリスト レスリー・クナウアーが、ドナルド・トランプ氏MVちゃぶ台ひっくり返し騒動を語る。
レスリー、「プリツカー・ファミリー、トランプ・シャトルがどうこう」とか言っていますね。
◆Precious Metal Mr Big Stuff Whisky a Go Go Live
「ミスター・ビッグ・スタッフ」のオリジナルMVでは不動産王として脚光を浴びたドナルド・トランプ氏がエグゼクティブ(= Mr Big Stuff)役で出演しました。
https://www.youtube.com/watch?v=aiNCdw-UX3Q
◆Precious Metal - I Got the Music in Me
プレシャス・メタルが、名門クラブWhisky a Go Goで、往年のアメリカ嬢メタルバンドVixen(ヴィクセン)と対バンしたようですね。
Precious Metal - I Got the Music in Me - YouTube
◆Vixen - You Ought To Know By Now
2018年のVixen(ヴィクセン)、アン・ルイスさんや八神純子さん風の歌謡ロックでいいですね。
まさか、マイケル・シェンカー・グループに在籍したレイ・ケネディが関わっているというようなことはないですよね?
Vixen - You Ought To Know By Now - YouTube
◆Precious Metal - Anybody's Lover
Precious Metal - Anybody's Lover - YouTube
◆英BBCがまとめたドナルド・トランプ氏の成功の軌跡。イギリスのメディアは俯瞰してまとめるのは上手いですね。
◆プレシャス・メタル「ミスター・ビッグ・スタッフ」MVちゃぶ台ひっくり返し報道。
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