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平井大「THE GIFT」× E.クラプトン似てる(?)報道で洋楽に関心を持たれた方にお薦めしたいAOR・ヨットロック曲!

 

 

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Mステ出演後の平井大さんの「THE GIFT」に関する指摘についてです。

 

え、カバーじゃない?Mステで披露「ドラえもん映画主題歌」にパクリ疑惑が! (2019年3月15日) - エキサイトニュース

 

基本、 私は、一音楽ファンとして、世間で時々指摘のあるような、いわゆる、邦楽の『パクリ疑惑』というものにはうなずけないことが多いです。

 

ニュースで流れていたのであえて一言述べてみます。

 

私の見立て:

AORの雄、1978年デビュー当時のボビー・コールドウェルのヴィジュアル・ルックス・世界観をキーコンセプトに、ビージーズエリック・クラプトンマイケル・ジャクソンら様々な1970年代~1990年代の洋楽ヒット曲へのオマージュをマッシュアップし、統合した、ハイクオリティかつ、いつか、どこかで、聴いたことがあるようなモダンなAOR・シティポップサウンドのバラード。

 

 

平井大さんといえば、ジェイソン・ムラーズ、そして渥美清さん演じるフーテンの寅さんのようなハット(中折れ帽)がトレードマークですが、「THE GIFT」の世界観は(ジェイソン・ムラーズが影響を受けているかどうかわかりませんが)、ボビー・コールドウェルのそれに通ずるように見えます。

 

平井大さんは、公開されているご自身が選曲されたプレイリストに、アンブロージア(ギターのデヴィッド・パックはドゥービーブラザーズのマイケル・マクドナルドの盟友でもあります)らとともにボビー・コールドウェルの楽曲を上げており、リスペクトされていることがわかります。

 

 

ポイントとなるのは、これだけ超有名な大ネタを複数同居させ調理し、完成品の料理に仕上げるには、料理人の相当な腕前と、それなりの厨房のような資源、つまりミュージシャンの拘束時間やスタジオ使用時間等の予算の確保も必要になるのではないかということです。

 

予算の都合で見切り発車したりすると、洋楽ファンが誰でも知ってる大ネタだけに、

 

「大ネタ(高価なブランド素材)が、生煮えで出てきた!」

 

とバッシングを浴びかねません。

 

材料がチキンでも、120円の屋台の焼き鳥と、5,000円のランチではお客さんの要求もクレームの質も違います。

 

高い材料を仕入れて高いお店の家賃を払って5,000円のランチを出すにはそれに見合った総合的なバランスが求められます。

 

果たして、平井大さんの「THE GIFT」の料理の出来栄えはいかに?

 

 

下記の『Real Sound』の記事では、J-POPに大きな影響を与えたブルーノ・マーズ『24K・マジック』(2016)には、ボビー・コールドウェルを想起させるところもありと見立てています。


記事中、ブルーノ・マーズ『24K・マジック』の主な”引用元”として指摘されているのが、JB(ジェームス・ブラウン)、MJ(マイケル・ジャクソン)、スティーヴィー・ワンダー、プリンス(ミネアポリスファンク)、タイム(モーリス・デイ)、ザップ(ロジャー・トラウトマン)、ベル・ビヴ・デヴォー、ガイ(テディ・ライリー)、ベイビーフェイス、キース・スウェット・・・etc.。

 

そして、これらの引用の一部は、”本家”がゲスト参加することによって、”お墨付き”を得たり、信頼性向上を実現しているわけですね。 

realsound.jp

新規で、エリック・クラプトンを想起させる音楽を作ること、それはつまり、1980年代のブラック・コンテンポラリーのトッププロデューサー、ベイビーフェイスのサウンドを素材にするということになりますから、消化度、完成度を問われそうですね。

 

ブルーノ・マーズが、これだけ大ネタを引用しながら、叩かれないのは(一部ではたたかれています。) 、原曲の要素を十分に咀嚼、消化して、独自の独立した楽曲とするセンス、スキル、完成度が高いということなのでしょう。

 

もちろん、マーク・ロンソンとの「Uptown Funk」が、ギャップバンド側から訴えられ、クレジットに追加されたように、元曲や元ネタあっての作風で、ゼロベースではないわけです。

 

そして、エンターテインメントに求められているものは、決してゼロベースのオリジナリティ、画期的な創作だけではないことは、ブルーノ・マーズのような古典、名作、名曲の引用、コラージュ、マッシュアップのような作風であっても素晴らしい作品は受け入れられ高く評価されることからわかります。

 

 

2010年代末において、モダンなAOR、シティポップ、ブルーアイドソウルを再構築するという仕事で、直近最も感銘を受けたのが、タイのNONT TANONの「มีผลต่อหัวใจ」です。

 

実は、NONT TANONの「มีผลต่อหัวใจ」については、日本のAORの手練れ、マエストロであられる川谷絵音さん(「indigo la End」「ゲスの極み乙女。」「ジェニーハイ」「ichikoro」)が、ラジオの番組中、「(サウンドが)古い。」とジャスティスされているようです。

 

しかし、私は川谷絵音さんのNONT TANONの「มีผลต่อหัวใจ」に対する評価を、逆に「(1970年代の)ヴィンテージ感が出ている」というようにポジティブに受け止めましたよ。

 

平井大さんの「THE GIFT」の比較対象に、なぜNONT TANONの「มีผลต่อหัวใจ」かというと、どちらもアプローチ(料理方法)に、ボビー・コールドウェルに通じるところ(ボビー・コールドウェル流)が入っている気がしたからです。

 

味噌ラーメンや広島風お好み焼き、あるいはオムライスを作るために誰でも使えるレシピがあるように、洋楽ベースのAOR、シティポップのバラードを作るレシピに、偉大な料理人ボビー・コールドウェル流という作風のレシピがあるわけです♪ハァート オッ マァーイン♪♪。

 

もちろん、偉大なる料理人ボビー・コールドウェル師匠自身、ソウル、リズム&ブルース等の黒人音楽の丸パクリ(ブルーアイドソウル・AORというジャンル自体がそう)なんですが、消化具合、完成度の点で、マエストロの域に達せられ、オリジナル、オーソリティになられたのです。

 

スティーヴィー・ワンダーは、マイケル・マクドナルド御大を名指しで、「マーヴィン・ゲイの丸パクリ!」と称されました。(正確には、「両者を聴いて自分には区別できない。」と、まぁ同じことですね。)

 

ごもっともです。 

 

口は悪いですけど、スティーヴィー・ワンダーマイケル・マクドナルドを誉めたのです。

 

 

平井大さんの「THE GIFT」、NONT TANONの「มีผลต่อหัวใจ」はじめ、末尾にいくつかAOR料理の動画URLを貼っておきますので、お時間がございましたらご賞味ください。

 

各職人さんの料理についてどう感じられますでしょうか?

 

もちろん、最終的には、一人ひとりの好き好きなんですけどね。

 

 

◆平井 大 「THE GIFT」

平井 大 / THE GIFT (Music Video) - YouTube

◆NONT TANON「มีผลต่อหัวใจ」 

アウトロの『オトコのあごのせ』シーンに、めっちゃ衝撃を受けました!男性で女性アイドル、例えば乃木坂46にタメをはってあごのせを披露できるのはNONT TANON位かもしれません。かつて、AORとは白人男性の髭面だったのですが、2010年代末にAORがオトコのあごのせになるとは!

มีผลต่อหัวใจ - นนท์ ธนนท์ [Official Music Video] - YouTube

◆[MAD] 「Koisuru Fortune Cookie คุ้กกี้เสี่ยงทาย」 BNK48 (Cover) | Peach Panicha   

マイケル・マクドナルド御大(ドゥービーブラザーズ)レシピによるBNK48AKB48恋するフォーチュンクッキー」カバー。マッドパペットスタジオさん、これアメリカ発のヨットロック(AOR)ブームを意識されていますよね?

[MAD] Koisuru Fortune Cookie คุ้กกี้เสี่ยงทาย - BNK48 (Cover) | Peach Panicha - YouTub

◆アンブロージア「You're the Only Woman」

平井大さんのプレイリストにもあったアンブロージア(ただし全盛期のキーボード/ギタボはデヴィッド・パック)。AORの前身であり時にAORと同義で使用されることもあるブルーアイドソウルの意味は、文字通り白人ミュージシャン・歌手による黒人音楽の模倣なんですが、洗練を重ね独自の料理に進化しました。ポピュラー音楽の歴史は視点によっては、「白人による黒人音楽の剽窃の歴史」とはよく言われます。AORが、ヨットロックの呼称でリバイバルしているのは、やはりこの手のサウンドは美味しいからなんですよね。

You're the Only Woman - YouTube

マイケル・マクドナルド「Open The Door」

御大の音楽は、20世紀、昭和の歌謡曲のトップ作曲家筒美京平先生からもオマージュされ、日本の歌謡曲・J-POPに巨大な影響を与えました。

女性コーラスが絡むあたりが御大の大ヒット曲「I Keep Forgettin’」風でよいですね。

Open The Door - YouTube

 

2019.03.13 original

2019.03.20    update

 

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