タイの女性アイドルシーンは、2018年に日本のAKB48の海外姉妹グループのBNK48が市場を席巻した前と後では大きく違います。
タイの女性芸能人、女優、モデル、MC、展示会コンパニオン等の容姿は、だいたい身長がすらっと高く、スリムです。また整形手術をすることは、一般の女性の間でも普通ということですので、芸能人ならもっと普及しているのでしょう。
タイの女性アイドルグループの外見は、K-POPの人気グループ、ワンダーガールズや少女時代の影響を感じさせるものが多かったです。タイ版の日系アイドルと言われたkamikazeレーベルのアイドルグループ、例えばキッス・ミー・ファイブ等も、外見的にはワンダーガールズの影響が強いように見えました。
BNK48・日系アイドルブームが起こしたコペルニクス的転換というのは、アイドルは身長が高くなくても(160cm台は全く問題なし、150cm台でもアイドルになれる可能性は充分あります)OK、容姿も産まれたままの自然さが求められるという点です。
BNK48に対抗してタイのインディーズロック界の手練れが結集してデビュー曲を制作した新進アイドルグループFever(フィーバー)。その外見は、一般の女子学生のホームルームか掃除の時間か校外奉仕活動のようなルックスです。全然従来の芸能人っぽくありません。逆に芸能人らしくない普通の女の子っぽいところが日系アイドルらしいというトレンドが出来つつある感じがします。
◇Fever(フィーバー)
7th Sense(セヴンス・センス)は、BNK48の人気爆発に対抗してデビューしたタイの多人数女性アイドルグループです。
1st楽曲のMV公開が2018年7月。2019年1月時点のメンバー数は17人です。
比較的身長が高くスリムなメンバーが多く(もちろん違ったタイプの方いらしゃいます)、従来の芸能人のルックスの流れを汲んでいる感があります。
BNK48大ブームを受けて急遽集められた、既に芸歴のあるモデルや歌手志望のメンバー達という感じがします。
7th Sense(セヴンス・センス)については、タイ女性アイドルグループ界の『過渡期』のグループなのかなという印象を受けて、今まで様子見できていました。
◇7th Sense(セヴンス・センス)
1球(曲)目、2球(曲)目と様子見で敬遠してきた7th Sense(セヴンス・センス)。
3球(曲)目の「ของขวัญ」 (Together) は、思いがけず良い曲じゃないですか!!
どこが良いのでしょうか?
7th Sense(セヴンス・センス)の「ของขวัญ」 (Together) 、カントリーミュージック、カントリーポップ、カントリーロック(アメリカの白人音楽)、ソウルミュージック(アメリカの黒人音楽)、そしてタイポップ(伝統的にアメリカのポップミュージックを消化してきている)の要素のごったまぜ。しかし不思議なことに破綻せずにポップス楽曲として成立しているのです。
日系大人気アイドルグループに対抗してデビューしたというポジションからJ-POPへの意識もかすかにあるのではと注意してみましたが、殆ど感じません。そして、K-POPにはこのような生バンドのアンサンブルをバックにユルいノリ、テイストを破綻せずに成立させる楽曲は私が知る限りでは聴いたことがありません。
エレキギターのアルペジオ、カントリー風のペダルスチールギターの音色(サンプリングが実楽器かは聞き分けられませんが)。ドラムス、ベースのリズム隊は生楽器でないでしょうか?
歌メンらしきメンバーのサビ、クライマックスでのソウル風のフェイク歌唱。
英米や日本のポップスをメインに聴いていると、今日日なかなか混成して成立させにくい音楽要素を危なげな感じも多いにありながらなぜか一曲の音楽として成立させている不思議な楽曲。つまりオリジナリティーある楽曲という印象を持ちました。
みなさんは、7th Sense(セブンス・センス)の「ของขวัญ」 (Together) 、どういう印象を持たれますでしょうか?
7th Sense(セブンス・センス)「ของขวัญ」 (Together) 【Official MV】