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佐野元春「DOWNTOWN BOY」(ダウンタウン ボーイ)

 

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Marvin Gayeマービン・ゲイ)の悲しげなソウルにリズム合わせてゆけば♪♪

佐野元春「DOWNTOWN BOY」)

 

 

AKB48の「11月のアンクレット」を初めて聴いた時思い出した楽曲は、佐野元春さんの「DOWNTOWN BOY」。

 

もし、1980年代前半の女性アイドルのナイアガラサウンド全盛期に、編曲:大瀧詠一多羅尾伴内)さん、作曲:佐野元春さん、コーラス参加:杉真里さんという『ナイアガラトライアングル VOL.2』の3人でアイドルの楽曲を制作したら、きっとこういうテイストになるのではないかと感じました。

 

実際に、ナイアガラトライアングルVol.2のメンバー(大瀧詠一さん、佐野元春さん、杉真理さん)が(元)アイドル歌手の音楽制作で揃うのは、ナイアガラサウンドブームが起こって十数年経ってからになります。

1996年の大瀧詠一さんプロデュースによる元おニャン子クラブ渡辺満里奈さんのアルバム『Ring-a-Bell』(リング・ア・ベル)に、佐野元春さん作曲、大瀧詠一(名義:多羅尾伴内)さん編曲の「ダンスが終る前に」が収録されており、曲の一部がamazonで試聴できます。

 

佐野元春さんがブレイクする前、サブカルチャー誌の特集で既発表の全曲について自身でコメントしています。

その時、「DOWNTOWN BOY」について、「取るに足らない曲」というようなニュアンスのコメントをしていてアレっと意外に思いました。(雑誌現物は手元にないので楽曲が相違の可能性もありますが、数曲同様のコメントをしていた曲があったような記憶があります。)

 

もちろん、その後「DOWNTOWN BOY」はライブで人気曲となって自己評価は全く変わっているはずですが。

 

自身のコメントからわかることは、「DOWNTOWN BOY」をシングルとして録音した際に、仕上がりのクオリティの納得度合で「出せる。」「こんなんじゃ出せない。」「いや、出せ。」と、所属するレーベル(ディレクター)側とありがちな悶着があったらしいこと。

 

大物アーティストなら録音済みの「満足できない」クオリティの音源を「出さない」ことは頻繁にあります(お蔵入り)。ある程度年月がたって未発表音源が流通する素材はそういうプロセスで蓄積されていくわけです。

しかし、無名の新人ではレーベルとの力関係から、レーベルのGOの指示にNOで押し切れる可能性はまずありません。

佐野元春さんが音源(録音)の仕上がりに不満だった理由は、「DOWNTOWN BOY」でフィル・スペクターの『音の壁』を再現しようとしたものの、『音が団子になってしまった』ということ。

 

「DOWNTOWN BOY」の歌詞の内容は、ストリートの一晩の模様を様々な登場人物を通して描写する映画『アメリカン・グラフィティ』スタイルの楽曲。

そしてサウンドは、アメリカの人気ロック歌手、ブルース・スプリングスティーンフィル・スペクター風『音の壁』に乗って疾走する大ヒット曲「ボーン・トゥ・ラン」の世界観を再現しようとしたはず。

 

ポップ・ミュージックは芸術音楽ではないので、キッチュだったり安っぽかったりする点が魅力になることもあります。個人的には佐野元春さんのシングル盤オリジナルバージョンの「DOWNTOWN BOY」非常に好きなんですけどね。

 

特に「カーラジオから流れるロックンロール」というシチュエーション、中波ラジオ放送で流れる曲を聴くシチュエーションでは、安っぽいミックスの方が映えることはあります。

佐野元春さんの「DOWNTOWN BOY」は、アルバム『SOMEDAY』収録曲として再録音されて、現在聴かれるのはほとんどこちらのバージョンです。

 

佐野元春さんのブレイクの一つのきっかけが、中波ラジオ(TBSラジオ)のDJ(現代のDJでなく「お願いDJ」の方のDJ)林美雄さんが、『ユアヒットしないパレード』でプッシュしたことです。

番組独自のヒットチャート(独断というか林さんの独自の音楽センスだけで決めるチャート)で佐野元春さんの「アンジェリーナ」等の楽曲を堂々上位にランクさせ、シングル「DOWNTOWN BOY」もパワープレイされていました。

 

明朝遠方へと旅立つ前夜に、連絡の取れないダチや彼女に大事なことを伝えようと、夜の街をテールフィンのついたアメ車で探して流すような『アメリカン・グラフィティ』で『♪カーラジオからロックンロール♪♪』なシチューエーションだと、シングル盤のこもったモコモコの音も合ってるような気がします。

 

実は、『児島未散原田知世は、(フレンチポップスの)ジェーン・バーキン系か?』というお題で書き出そうとしたのですが、佐野元春さんフィーチャーでひと段落なのでこれにて締めさせていただきます。

 
それでは。

 

佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド「アンジェリーナ」

「アンジェリーナ」 - 佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド(DaisyMusic Official) - YouTube

佐野元春「彼女」

佐野元春「彼女」 - ライブ・アット・東京国際フォーラム 2013.2.23 より - YouTube

AKB48「11月のアンクレット」

【MV full】11月のアンクレット / AKB48[公式] - YouTube

 

 

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