2018年のクリスマスイブ(12月24日)の京セラドーム大阪公演(追加公演)に向け日本国内アリーナツアー中の大人気K-POPガールズグループ、BLACKPINK(ブラックピンク)、通称ブルピン。
超大人気となれば、パロディを作ってみたくなるのがクリエイター。
今週から、BLACKPINK(ブラックピンク)の人気ナンバー1メンバー、ラッパー&ダンサーのリサの出身国であるタイで、思い切りバズっているパロディMVがあります。(複数のテレビの報道番組でニュースとして報道されています。)
英語、インドネシア語、ベトナム語等の外国語のサイトの記事も目立ちますので、海外でもバズりだしているようです。
DEKSORKRAO(デクソックラウ)というジュニアグループによるパロディMVです。これがとても素晴らしい出来!
ポピュラー音楽の歴史の中で、トッド・ラングレン(UTOPIA)やモンティ・パイソン(ラトルズ)のビートルズとか、タモリさんの『TAMORI3』等パロディの傑作は数多くありました。
DEKSORKRAO(デクソックラウ)のブルピンパロディ、相当なものです。パロディは元ネタへの深い愛と同時に徹底した細部へのこだわり・作り込みが必須なんですけど、文句ありません。
制作側が意図したことではないと思いますが、一種の文明批評、現代社会批評さえ読み取れるような作品になっています。
先日、中国の女性アイドルグループSNH48のメンバーが、タイ、バンコクに、観光・ショッピングに訪れ、その光景をVLOG動画としてアップしました。
SNH48のメンバーが訪れたコスメ店の店頭では、高級化粧品のブランドアンバサダーに起用されているBLACKPINK(ブラックピンク)のリサのPOPがディスプレイされ、隣には地元バンコクの人気女性アイドルグループBNK48のメンバーがほほ笑む姿が印刷されたシャンプーが棚に並んでいます。
経済成長が好調な新興国、タイでは、消費先進国の海外ブランドを背負ったブルピンのリサやBNK48等の人気アイドル達は、個人消費を拡大し経済成長を促進するための、資本主義、市場原理の象徴、広告塔の役割を担い実際に大いに機能しています。
DEKSORKRAO(デクソックラウ)のパロディでは、タイの農村地帯にごく普通に存在しそうな素朴な普段着をまとった小学生世代(8~10歳らしい)の少女4人が、ブルピンのジス、ジェニ、ロゼ、リサ役になりきって振り付けを完コピしています。
そして、オリジナルMVのゴージャズな舞台、大道具、小道具、衣装等全ての設定を、『自給自足率の高そうな農村の風景』に置き換えているところがミソです。
オリジナルのブルピンMVで、ジェニが座る高級アクセサリーブランド(スワロ風?)に飾り付けた戦車が高級ブランドのショッピングバッグを踏み潰すシーンを、DEKSORKRAO(デクソックラウ)のパロディ版は、農作業用の荷車と作物用の籠(?)に置き換えています。
出来すぎでしょう。見方によっては、バンコクの市場原理に対する農村部の農本主義からの批判とか深読みする人もいるかもしれません?
いや、本当は制作側は、何も考えていないのかもしれません。面白がって笑うのがパロディの正しい見方なのでしょう。
タイトルやアーティスト名の英字表記は、このパロディMVが、タイ国内だけはなく、むしろ主に海外(のブルピンを知る層)を視野に入れて制作していることを表しています。
タイ国外の情報(記事)量とMVコメント欄の英語のコメントの勢いを見ると、その『戦略的目標』は達成しつつあるのように見えます。
なんといっても元ネタが世界中で大人気のブルピンですし。
ああ、こういう海外進出?の仕方もあるのかぁ。
◇ DEKSORKRAO(デクソックラウ)from Thailand :ブラックピンク(BLACKPINK)「DDU-DU DDU-DU」M/V Cover
◇【オリジナル】BLACKPINK(ブラックピンク) :「DDU-DU DDU-DU」
2018年6月、同曲を収録した『SQUARE UP』が、全米アルバムチャート(Billboard200)の40位、同曲がシングルチャート(Hot100)の55位をマークしました(K-POPガールズグループの歴代最高位)。BLACKPINK(ブラックピンク)を一躍K-POPガールズグループのトップに押し上げた世界的ヒット曲。2018年8月24日の千葉・幕張メッセホール公演では、初の日本語バージョンが披露されています。
◇ MV対比編「DDU-DU DDU-DU」 DEKSORKRAO(デクソックラウ)パロディ vs ブルピン(BLACKPINK)オリジナル
タイのテレビ局の中には、面白がって、報道番組の中でこの対比編MVをフルコーラス(!)流し、デクソークラオのメンバーへのインタビューを放映した局があります。
細部までこだわって作り込んだパロディの見本のようなMVです。
【参考】
米ビルボード(billboard)誌ニュース 『BLACKPINK(ブラックピンク)が「DDU-DU DDU-DU」で米ヒットチャート上のK-POPの歴史を塗り替えた。』