【魂が宿った】『XXL』岡崎体育オリコン週間2位奪取!(CDアルバム)のリーダーシップと戦い方【脂肪の塊】

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シンガーソングライター、岡崎体育さんのメジャー2ndアルバム『XXL』が、2017年06月26日付オリコン週間CDアルバムランキングで2位(集計期間は6月12日から6月18日までの一週間)を獲得しました。これは、岡崎体育さんが『XXL』発売にあたって、かねてより目標として掲げていた①【順位】「目指せオリコンウィークリー6位以内!」②【売上枚数】「目指せ10万枚セールス!」のうち、①の順位目標で、目標の6位を4ランク上回りトップ3に入るという快挙です。 

売上の集計期間中は、岡崎体育さん自身が、SNSTwitter)を通じて、集計最終日の締切に間に合うギリギリの時間まで、『最後のお願い!』、『CD店(の集計締切まで)に間に合いますように!』と懸命にアピール。どぶ板選挙さながらの泥臭い販売戦を指揮・展開し、見事ウィークリー2位という、周囲や業界の期待と予想を大幅に上回る成績を叩きだすことに成功しました。まさに、SNSを縦横無尽に駆使し成果につなげるインフルエンサーとしての岡崎体育さんの面目躍如といった様相です。

第一の目標、「オリコンウィークリー6位以内」を達成した後は、第二の目標、「売上10万枚」達成が控えていますが、総売上枚数の目標達成は長期戦となります。まずは、短期決戦の必達目標、「オリコンウィークリー6位以内」を達成した岡崎体育さんの戦い方を振り返ってみたいと思います。 

 

岡崎体育さんは、なぜ、必ずしも、販売促進に破格の予算とスタフを投入する”物量戦”を展開したわけではないのに、大物アーティストや内外の人気アイドルに伍して、「オリコンウィークリー2位」という好成績を実現することができたのでしょうか?  

その根本的な理由は、岡崎体育さんが、『自分は何もので、何をすべきか』ということを誰よりもはっきり認識していて、そこから戦略や目標や戦術を立てる戦い方をしているということが最も大きいように感じます。

『自分は何もので、何をすべきか』とは、守るべき理念であり、自分の使命、果たすべき役割です。岡崎体育さんが、表現活動に向かうにあたって、寄って立つ理念や使命とは一体どういうものなのでしょうか? 

それは、本当は、本人に直接聞かないとわからないことなので、ここでは、仮に、岡崎体育さんの理念・使命を設定してみます。

 

≪仮想した岡崎体育さんの使命≫

『自らの表現者としての資質を最大限に生かすことによって、最上のクオリティのエンターテインメントを制作・表現し、世界中のより多くの人にお届けする』

 

この≪仮≫使命を追求するために、安定して継続的にエンターテインメント(音楽)を制作し、より多くの人に提供できる環境を入手するための戦略を立てる。そのステップとして、恵まれた制作環境を持ち、音楽制作や販売促進のノウハウが蓄積されているメジャーレーベルと契約し、ノウハウを吸収していく。そして、いざメジャーレーベルで音楽を制作し販売するにあたっては、今後、レーベルの強い協力(体制)を確保するため、レーベルの期待を上回る水準の成果目標を設定し(メジャー2ndアルバムのオリコンウィークリー6位、売上10万枚)、実際に成果を実現する。 

一本筋が通っていますし、それをネット(SNS)を通して、分りやすい言葉で、ファンとこれからファンになりそうな人に呼びかけ、巻き込み、協力を確保し、実際に実現していく。このように、理念・使命から戦略、戦術、具体的な行動へと論理的に展開していく方法が、“岡崎体育さん流の戦い方”のように見受けけられました。

 

よく岡崎体育さんについて言われることは、「ネットでバズる」ということがあります。話題性の強い動画の口コミがSNSで広まり、記録的な視聴数を稼ぐということです。「Music Video」「感情のピクセル」「Natural Lips」等の作品がいずれも「バズ」り、岡崎体育さんというと、「ネットでバズらせる」名人という評判がすっかり確立しています。 

それでは、岡崎体育さんの表現活動の目的は、「ネットでバズらせる」ことなのでしょうか? 

これは明確に違います。「ネットでバズる」ことは強力な武器ですが、目的ではありません。武器はあくまで手段なのです。実社会でいえば、戦争や外交とは国際紛争を解決する「手段」です。強力な武器、それ自体が目的になってしまうことはありません。

 

売上を伸ばすためには、ファンと潜在的ファンのすそ野を広げることが必須です。すそ野を広げなければ、高い実績をあげることはできません。自分の芸術を理解してくれる少数のファンだけを対象にしていくことは、自給自足度の高いインディーズ時代の活動なら可能です。しかし、多くのスタフを抱え、損益分岐点売上高の高い(たくさんの人にCDの売上の中から費用を払わなければならない)メジャーレーベルにおいては、売上高の絶対数値を上げることが必須なのです。 

そのためには、”ネタ音楽家“と誤解されるリスクをあえて飲み込み、作品のクオリティによって誤解を乗り越える実力をもってすそ野を広げ、大きな売上をあげていかなくてはなりません。これが、話題性の強いMVを次々とリリースし、「バズる」ことを強力な武器としている理由です。 

 

岡崎体育さんの雑誌やWebメディアのインタビューを読むと、ホットなバズ(buzz)を強力な武器として活用しながら、戦略的に、冷静に、『自分は何もので、何をすべきか』という、自分自身の使命・役割を全く見失わず、実行しているのがわかります。 

普通の感覚だと、一度大きなバズ(ウケ)を経験してしまうと、その高揚感、成功経験にとらわれ、「おれ、こういうのが求められているのかな?」と、方針・路線に”ブレ”が生じかねません。

しかし、岡崎体育さんの場合、『自分は何もので、何をすべきか』という信念にブレがないので、”聞いてもらうべき曲”(根底曲)は、「鴨川等間隔」、「エクレア」、「スペツナズ」、「式」等である”という姿勢が全く揺るぐことがないのです。話題になるバズ曲は、”根底曲”に導くための入り口の曲”と位置付け、ネットとマスコミを通してどんなに騒がれようと、「スペツナズ」や「式」などの、”岡崎体育が作りたいものを真面目に普通に作った曲”を重視する姿勢が揺らぐことがありません。

 

ウィークリー6位という目標順位、これから目指す売上10万枚などの数字目標もまた、『自分は何もので、何をすべきか』を追求するうえでの一里塚としているのです。これらの目標を達成するにあたっては、ネット(SNS)を通して、固定ファンと新しいファンが、「体育くんが懸命にやっている」と”共感”し、CD店の店頭へと向かいました。さらには、岡崎体育さんの奮闘を目の当たりにし、”意気に感じた”全国のCDショップのスタッフが、相次いでPOPを手作りする等、店頭での販売促進に注力します。

権力やお金の力などの”他力”、”強制力”で人を動かそうとするのでなく、理念、信条を明言し、それに賛同、共感する人が、応援し、自主的に動いていくという、”理念型”、”巻き込み型”のリーダーシップを最大限に発揮したことが、「オリコンウィークリー2位」実現の大きなポイントとなったのです。

 

岡崎体育さんは、小学校の卒業アルバムで、『作曲家になりたい。そして、世界中の人に聞いてもらいたい。』と、自分の将来について宣言しています。(「QJ クイック・ジャパン132号」より)。 

岡崎体育さんは、小学校の時にはすでにはっきりと、『自分は何もので、何をすべきか』ということを認識していました。このことに忠実に、現在まで音楽活動を実行しているのです。ですから、岡崎体育さんは、自身の音楽活動を、『世界中の人に聞いてもらう』まで、進化し拡大させていくはずです。そのことが、原点というべき小学校卒業の時の宣言からはっかりとわかります。